FPのひとりごと
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おまえはもうすでにしんでいる
13年前の今日
私は一度死んでいる(なかなかセンセーショナルではないか…)
泥酔状態で自転車で転倒し 首を強打して 畑に投げ出されたのだが
初雪の残雪を枕にして 我が体は全く微動だにしなくなっていた
もうその時点で頸髄損傷となり 全身不随に陥っていた
そんなことを理解できるはずもなく
気持ちだけはバタバタして 何とか状況を打開しようとしたが
放射冷却の夜 我が体温と体力は確実に失われ
真夜中の人気のまるでない畑の中で
『もはやこれまで』と絶望の中 自ら瞑目したのであった
生を諦めたのではなかった
根が尽きたのであった
どうにもならないと悟ったのだった
満天の星空だった
その瞬間は今も覚えている
一眼レフのシャッターが切られて レンズが塞がれる感じだった
世界が暗転し そのまま私は絶命した
はずだった
意識が戻ったのは ICUのベッドの上
翌朝ご近所の住人が意識のない私を発見して119番してくれたのだ
そこから我が車いす人生が始まるのだが
ある日主治医が病室で放った一言に 私は衝撃を受けた
「救急で運ばれたとき貴方の体温は27℃でした
低体温症になっていました
でもそのおかげで 貴方は生き延びられました
クマが冬眠するように エネルギーの代謝が止まって
体力を温存できたことによって凍死せずにすみました」
U…m 私は絶句した
ということは
生に執着してバタバタし続けたら凍死し
根が尽きて生を投げ出したらから生きていたってことだ
死はそこら中に転がっている
生死の境目は偶然に支配されている
そして人は何か見えざるものに導かれている
そう思わざるを得なかった
一度死んだ人生 もうなにも怖くはない
のだが
いまだに怪談やホラーは苦手だ
臆病 怖がりは一生治らない
2020.11.25:
tnw
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