FPのひとりごと
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四十年前の神秘的な夕空・・
高校1年生のとき 軟式テニス部に入部しました
中学ではバスケ部だったのですが ちょっとレベルが違いすぎムリで
卓球かテニスかで迷って 結局 テニスの方に決めました
でも 新入部員の中で未経験者は僕ともう1人だけ
なので 生来の負けず嫌いもあって 猛練習を自らに課していました
通常の部活の練習後 10kmのランと山道の10往復とかして
休みの日には ほぼ一日中壁打ちをする みたいな・・
夏休み前のある日 カラダが悲鳴を上げてダウンしてしまいました
カラダの右だか左だかどっちか半分が痺れるようになったんです
医者にいったら 「急性腎炎」と診断され 即入院と相成りました
点滴と安静以外は何もない入院生活でしたが
若い看護婦さんとの交流以外は 何も楽しみがない入院でもありました
ちょうど夏休み期間だったので 強い“取り残され感”に苛まれ
孤独と憂鬱と後悔に押し潰されそうな1ヶ月でした
病室の窓越しに 道向かいの鍛冶屋さんの仕事が見えました
白いランニング姿の赤銅色の寡黙なおじさんが
毎日毎日 トンテンカンテン一生懸命汗をかきながら仕事をしてました
今ではもう殆ど見ることができないであろう昭和の仕事の風景だ
狭い仕事場の土間の奥には 日の当たらない茶の間があり
10時とお昼と3時には その茶の間で休憩していた
おじさんは 毎日全く同じサイクルで仕事をしていた 淡々と
決して裕福ではないであろう風情と寡黙なおじさんの日常
なんだかいろんな感情が相まって 僕はすっかり感傷的になっていた
ある日の夕方 いつものように おじさんの仕事を眺めていたら
西の空に夕焼けが広がっていた
それは えもいわれぬ程 息を呑む程の 見事で神秘的な夕焼けだった
赤 オレンジ 紫 黄色・・ まさに光のページェントだった
ちょっとこの世のものとは思えないような光景に
15の僕は立ちすくみ 身震いさえ覚えていた
ひとしきり感動に浸った後 鍛冶屋さんに目を移したら
おじさんは 当たり前のように普通に仕事をしていた 淡々と
「U----m 人生は深いなあ・・」などと得心させられたのであったが
いやーー 人生深いです 想像以上に
2013.12.21:
tnw
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