HOME > 駅茶こぼれ話

善意が集まる駅

  • 善意が集まる駅

 11月14日、山形日信電子㈱の皆さんが、成田駅の清掃ボランティアに来てくれました。広場やホームに散乱した落ち葉を集めたり、私たちには手が届かない待合室の天井にも丁寧に掃除をしてくれました。毎年、落ち葉が大変なこの時期に活動してくれています。

 山形日信電子㈱は、成田駅から車で10分ぐらいの場所にある会社で、日本信号㈱の自動改札機等の製品に組み込まれている回路の設計や組み立てなどを行っている会社です。昭和45年創業で創立55年を迎えます。そんな会社が地元にあって、また仕事とも関連する駅舎の清掃活動に取り組んでくれることは、とてもありがたい事です。

 先月の置賜クリーン設備㈱の皆さん、そして今月の山形日信電子㈱の皆さんによる清掃活動。ミニギャラリーに作品を寄せてくれる皆さん。定期的に花を活けてくれる方。100年駅舎にはみんなの善意が集まります。皆さん、どうもありがとうございます。

 → イベントと祭りの陰に・・・:おらだの会

 → 駅舎のボランティア清掃:おらだの会

2025.11.19:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

描くことは生きること

  • 描くことは生きること

 待合室のミニギャラリーには、桑原重雄さんの切り絵が飾られています。桑原さんは、西大塚駅のある川西町の出身。18歳で故郷を離れ、現在は仙台にお住まいです。桑原さんは昨年の11月、救急車で運ばれ一時は意識もなくなり危篤な状態にまで陥りました。運よく一命をとりとめましたが、退院と同時に仕事も辞めざるを得なくなったそうです。

 

 突然に何もすることがなくなり、ボーっとしていると悲しくて、不安で、とても情けなかったそうです。とにかく何かやらなければと悶々としていた時に思い出したのが、書棚の奥にあった切り絵作りの本。以来、独学で切り絵の世界を究めて来たのだそうです。

 

 切り絵はとても細かい作業の連続です。またデザインや配色などには優れた感性が要求されるものです。桑原さんの作品は今秋の長井線祭りの際に、西大塚駅に展示されました。また制作実演も行われ、来場された方々に大変な驚きと感動を与えたそうです。

 

 「描くことは生きること」と語った芸術家がいました。絵画や写真、書画あるいは音楽など芸術の表現方法は様々ですが、作品には作家の人生が込められているのかもしれません。あるいは人生が作品そのものなのかもしれません。

 

 今待合室には、桑原さんの切り絵と共に吉川病院の作品も展示されています。それぞれの作品に込められたものに思いを馳せながら、鑑賞させてもらいたいと思います。

2025.11.11:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

米屋こうじ写真展『守(Shu)』は2日まで!

  • 米屋こうじ写真展『守(Shu)』は2日まで!

 10月17日から開催していた米屋こうじさんの写真展『守(Shu)』も、2日(日)までの3日間となりました。暗幕とスポットライトを使用した会場は、これまで味わったことがない雰囲気を醸し出しています。

  → 米屋ワールドをご堪能ください:おらだの会

 

 展示されている雑誌の中に、フラワー長井線を紹介した旅の手帳(2022年10月号)がありました。米屋さんが取材し、文と写真を寄稿したものです。記事の内容は最上川舟運時代に遡って地域の歴史を掘り起こし、長井線の開業から第3セクター誕生までの歩みを説明しています。そこで驚いたのは、沿線各市町の市町史を調べて引用している点です。作品をまとめる時に、対象となるものについてその背景を調べる、つかみ取ろうとする米屋さんの姿勢が見えたような気がしました。

 

 以前、米屋さんに好きな本はと尋ねた時に、「宮本常一の『忘れられた日本人』が好きです。」と語ってくれたことを思い出します。民俗学者・宮本常一には、「名もなき常民が見る風景を眺め、暮らしを聞いて寄り添った、旅する学者」、あるいは「ひたすら民衆の幸せを願って歩き続けた旅人」との評もなされています。

 

 米屋さんの作品を見て、作品の奥からにじみ出てくる何かを感じることが多くあります。その何かは、常民が見る風景の中に身をおき、そこに流れる「永遠」を伝えようとした宮本常一的な思想から生まれているのではないか、などと思ったりします。残りの3日間、写真や映像そして著作物をじっくりと鑑賞して欲しいと思います。常民の私たちにも何かが見えてくるかもしれません。

2025.10.30:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

写真のような動画、動画のような写真?

  • 写真のような動画、動画のような写真?

 米屋こうじさんの写真展『守る(SHU)』が間もなく始まりますが、作品をご覧になる前に、ぜひこちらの動画をご覧になってください。

 米屋こうじさんは、地域おこし協力隊に着任してから、たくさんの動画を山形鉄道公式YouTubeとして投稿しています。ずっと見ていると動画ではありますが、写真の画格にぴったりと収まっているように見えてくるのです。「写真のような動画」とも言えそうな作品です。

 「写真のような動画」に対して、写真展は「動画のような写真」かもしれません。とても楽しみです。乞うご期待!(山形鉄道公式YouTubeで検索してみてください)

→ 羽前成田駅の春~さくら舞い散る(山形鉄道の木造駅舎)

→ 美しきフラワー長井線 - Beautiful Flower Nagai Line -

→ フラワー長井線の車窓から① ~夕日の西山を眺めて~

2025.10.16:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

25年前の君へ(タイムカプセル開封)

  • 25年前の君へ(タイムカプセル開封)

 10月13日の地元紙に「タイムカプセル開封」の記事が掲載された。20世紀の最後の年に「今、21世紀に伝えたいもの」と題して、県民から募集した宝物を納めていたものを、25年経った今年、開封したものである。テレビでは開封するシーンが放映されたが、その中に映っていたのが、上の写真であった。長井市役所職員として山形鉄道㈱の設立に携わり、退職してからは羽前成田駅協力会の事務局として永く交通問題に携わられた故小口昭さんの作品である。小口昭さんの作品はこちらからご覧ください。

 → 小口昭遺作展スタート(お盆の休館お知らせ):おらだの会

 → 羽前成田駅100年物語:おらだの会

 

「25年前の君へ」

 あれから25年たった。君の後継にE8君が登場したけれど、トラブル続きで可哀そうだった。君は今でも、「銀つば」と呼ばれてみんなから愛されているよ。君はカッコ良くて、何より大きな窓のある君との旅はとても楽しいものだった。今から25年後は、長大トンネルが完成しているかもしれないね。

 

 僕らのフラワー号は、新幹線と並んで胸を張っているように見えた。君は私たちのヒーローだった。25年たった今年は、社員が少なくなったり、詐取事件に巻き込まれたりと、とても大変な時を迎えているんだ。でもクラウドファンディングに地元はもちろん、全国からも応援が寄せられている。車両のコスチュームは変わるかもしれないけれど、鉄路を守った人達の思いはこれからもずっとずっと繋げて行くからね。

2025.10.14:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]