長井線リポート(9)  丸型ポスト復活物語

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 荒砥からの折り返し列車を待つ間、駅周辺の探検に出かける。今の荒砥駅は2003年(平成15年)4月に建替えられたものであるが、ステンドグラスからの光は、高い天井と相まって一瞬、教会に来たような錯覚を覚える。通路には昔の貴重な写真などが掲示され、駅資料館もあって楽しい時間を過ごすことができる駅である。

 

 荒砥駅は、2002年(平成14年)旧長井駅と共に、東北の駅百選に選定されているが、駅の正面には国鉄の時代の痕跡が見つけることができる。1986年(昭和61年)の写真に写っている丸型ポストが、新駅にも残されているのである。実は、山形鉄道のHPにある写真では、駅前のポストは角型になっているのである。それが、建て替えの際に再び丸型ポストを設置したと思われるのである。

 

 荒砥の方が成田駅においでになった時、「荒砥の駅ばぁ、あんげなあだらしぐしてしまってよぉ。」と語られたことがあった。けれどもこの地には、丸型ポストを復活させた人達がいたのだ。

  ソコニ アルノニハ ワケガアル 

  ソコニハ ヒトノ モノガタリガ アルノダロウ

 

【おらだの会】古い写真は山形鉄道(株)提供。荒砥駅の角型ポストの写真は山形鉄道HPをご覧ください。

 山形鉄道HPはこちらから⇒ https://flower-liner.jp/yamatetsu_history/arato/

2021.03.05:orada3:コメント(0):[長井線乗車リポート]

長井線リポート(8) 旅の終わりに

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「鉄橋をわたると君の家が見える・・・・」という歌謡曲があったな、などと思っていると、高架橋をくぐりながら荒砥駅へと進んで行く。鉄橋をわたる時のけたたましさが消え、速度を落として静かに、ゆっくりと左にカーブを切るのである。

 

故郷に帰る人にとっては、田舎弁にスイッチを切り替えるための時間であり、家族に何を話そうかと考える時間となるのでしょうか。そのゆったりとしたスピードは、私にとっては、旅の終わりを惜しむかのようにも感じられた。「終着駅は始発駅」という歌があったが、終着駅には他とは違う何かがあるようだ。

 

2021.03.03:orada3:コメント(0):[長井線乗車リポート]

長井線リポート(7) 鉄橋をわたる時

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   列車は、フラワー長井線きっての撮影スポット・最上川橋梁に差し掛かった。1887年(明治20年)より東海道本線木曽川に掛けられていたものを、移設したものである。日本最古の現役鉄道橋として知られ、2008年(平成20年)に土木学会選奨土木遺産に、翌2009年には近代化産業遺産に選定された。さらに2015年(平成27年)には、「やまがた景観物語 おすすめビューポイント」にも選定されている。

   この鉄橋は、当時の荒砥町を中心とした人々の夢だった。舟運から鉄道の時代へという変革の波に立ち向かい、故郷の将来を懸けた運動の果てに実現したものだ。1923年(大正12年)4月22日、この鉄橋を一番列車が黒煙を吐きながらわたる姿を、村人はどんな思いで迎えたのであろうか。

   あれからもうすぐ100年になる。どれだけ多くの人々が、この鉄橋をわたったのだろう。故郷を離れる寂しさと、夢に向かって進みたいとする高揚感、帰省時の何とも言えない懐かしさと安堵感を、この鉄橋をわたる度に味わったのではないだろうか。車両の前面に立ち、ダブルワーレンの回廊をくぐらなければ、こんな感慨に浸ることもなかったであろう。長井線を訪れてくれた旅人は、鉄橋をわたる時に何を感じるのであろうか、教えて欲しいものだ。

        コノハシハ    ムラビトタチノ  ユメダッタ

        コノハシヲ    ワタッテ   ボクハ   ムラヲハナレタ

        コノハシヲ    ワタッテ    ワタシハ   フルサトニ   カエッタ

        コノハシハ    ナニヲ ツナイデ    イタノダロウ

【おらだの会】最上川堤防からの写真は、山形鉄道(株)提供

2021.03.01:orada3:コメント(0):[長井線乗車リポート]

一人暮らしを始めます

2月20日

・長井に生まれ18年になります。この辺りは、田畑が広がっており、とても自然豊かな場所です。若者からしたら、ちょっとつまらないと感じるかもしれません。私は今春の4月に、一人暮らしを始めます。この地を離れ、福島へ行きます。さびしくなったら、また戻って来ます。 

 

・久しぶりに来ました。何も変わっていなくていいなと思いました。来年から東京に行くので、来たくなったら戻って来ます。

 

 

【おらだの会】2月も末になると、旅立ちの時を迎えます。ご飯はちゃんと食ってるか、などとつまらない心配ばかりが頭をよぎったものです。口には出せずとも、大きくなって帰って来て欲しい、というのが今も変わらぬ親心でしょうか。

2021.02.27:orada3:コメント(0):[停車場ノート]

長井線リポート(6) 四季の郷駅の畳箒・時計

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 2007年(平成19年)に造られた長井線で最も新しい四季の郷駅。「鮎貝まちづくり協議会」が制作した、地域の見所パネルが迎えてくれます。待合室に入って驚くのが、ベンチに畳が敷かれ、畳箒が準備され、さらに「白鷹町総務課」と書かれた時計が置かれていること。四季の郷駅は、「四季の郷駅を楽しむ会」が実施している七夕飾りと冬のイルミネーションが有名ですが、そのベースとなっている役場と駅、地元の協力関係がわかるような気がします。

 

   長井線の多くの駅は、四季の郷駅や白兎駅などのように、ホーム上の待合室しかない駅です。四季の郷駅を見ると、こうした駅であっても、そこに住む人と関わりを結ぶことが可能であることを教えられます。この駅は、沿線の人達に立ち寄って欲しい駅のように思います。

   駅は、域外の人と繋がる窓になります。地元の人たちが活動を継続することは、子供達の「故郷の記憶」となり、人々が楽しく集う姿は「ローカル」を愛する域外の人との縁を創ります。まずは、駅に行ってみませんか。

 

   エキニハ ノコシテオキタイ キオクガアル

 コウシテ エキガアレバ ヒトト  ヒトトノ  エンモ ツナガルコトガデキル

 ワタシタチハ エキニ ナニヲ シルスノダロウ

2021.02.25:orada3:コメント(0):[長井線乗車リポート]