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防雪林のこと

  • 防雪林のこと

 写真は今年の2月1日に倒れた杉の根元である。根回りは2メートル近くあり、防雪林の中でも太く、頑丈そうに見えた巨木の一つであった。しかしながら根元は、ご覧のように空洞になっていたことがわかる。

 

 この2年ぐらいの間に、倒木による運行遅延事故が3回程発生している。これまでは枝の一部や割合と細い幹が折れていたので、単に強風の性だろうと思っていたが、今回の状況を見ると防雪林全体が脆弱になっているのでないか、と思えてくる。冬の葉山下ろしから線路を守るために植えられた木々が、100年の歳月を経て力尽きようとしているのかもしれない。

 

 「長井線の今昔」を著した故小口昭氏が、最後の貢で「長井線に在る防雪林は文化財的な価値があり残しておきたい」と記している。樹間から差し込む夕陽の素晴らしさを思い、小口さんのメッセージに共感しながらも、倒木が示す目の前に迫った現実の厳しさに圧倒されるようだ。

 

 

(60)小口昭さんのメッセージ(平成26年):おらだの会 (samidare.jp)

停車場憧憬 西の山から:山形鉄道 おらだの会 (samidare.jp)

2024.02.19:orada3:コメント(0):[停車場風景]

いよいよ冬だ

  • いよいよ冬だ

 ホームの北側の十月桜は小さな花弁をたくさんつけている。まるで仲間同士でささやき合っているようだ。天気予報は、明日から一週間にわたって暴風と降雪に見舞われるという。小さな花弁たちは、どこまで耐えられるだろうか。

 

 手前には成田駅開業100周年の記念樹と「泉の桜」が植えられている。泉の桜は初めての冬である。重い雪、強い西風に耐えて、温かい春を迎えて欲しいものだ。いよいよ冬だ。

2023.12.16:orada3:コメント(0):[停車場風景]

「ラーメン大好き小泉さん」登場

  • 「ラーメン大好き小泉さん」登場

 12月2日、新たなラッピング列車が登場しました。登場したのは、山形鉄道の制服を着た「ラーメン大好き小泉さん」。アニメの中でも、未だにフルネームが明らかになっていないという。とにかくラーメンに関する知識とこだわりが強くて、ご当地ラーメンが食べたくなると突発的に現地まで出かける行動力にあふれているという。

 

 今回のラッピングは、ラーメンによる地域活性化に取り組んでいる南陽市の尽力で実現したとのことです。車体に堂々と「南陽市役所ラーメン課」とあるのも良いですね。「鉄道娘」が消えてしまったことは、ちょっぴり寂しい気もしますが、沿線市町が山形鉄道を応援しようとする姿を見られるのは嬉しいことです。

 

 当駅の近くには「たまげたラーメン」と「まるきゅうラーメン」があります。全国の小泉さん、山形鉄道に乗ってご当地ラーメンを食べたくなったら、どうぞおいでください。

2023.12.04:orada3:コメント(0):[停車場風景]

立冬の候 その3

  • 立冬の候 その3

 4月から10月まで、毎月の除草作業は大変なものであった。立冬を迎え、その時々を彩った草花が、眠りにつこうとしている。そんな中で、ホーム側の花壇には、菊の花が色鮮やかに咲いている。

 

 この寒さの中にあって、多くの草花の最後を飾るその姿には、凛としたものすら感じる。天皇家の紋章となり、人生の最後を飾る場面に多く供えられる意味もここにあるのかもしれない。

 

 

 どの駅に降りても菊の花ありぬ(右城暮石)。長井線の各駅の秋の様子はどうなっているのだろうか。

2023.11.16:orada3:コメント(0):[停車場風景]

立冬の候 その2

  • 立冬の候 その2

 昨日、西山に初雪が降った。駅の雪囲いと電飾の設置作業もそろそろだ。

 

 十月桜は今が満開のようだ。今年は、北側の木がかなり大きな花を付けているように見える。春先に初めて枝の剪定を行ったことが功を奏したのだろうか。

 

 ホームのはずれに立つ2本の十月桜。この場所に、この樹種を選んで植樹した人はどんな人だったのだろうか。

 

 

 気の付かぬところに十月桜かな(高澤良一)

2023.11.14:orada3:コメント(0):[停車場風景]