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フォトキャン入賞作品 その3

  • フォトキャン入賞作品 その3

 フォトキャン入賞作品の3作目はtamarider005さんの「100年の椅子」と題する作品です。ホーム側に置かれているこのベンチは、1986年(昭和61年)9月5日に撮影された写真にも映っています。以前、ブログでメモリアルオブジェとして紹介したことがありましたが、この作品のような存在であることには全く気付きませんでした。

 

 防雪林の幹間から差し込んでくる陽射しが、錆びたベンチのささくれを浮かび上がらせている。風雪に耐えながら深い皺を刻んだ老人のように、たくさんの人生を見守って来たのであろうか。今もなお、旅する者を穏やかに温かく包み込んでくれているようだ。

 

 この作品は、これまで気づかなかった駅舎の魅力を教えてくれるものでした。確かな撮影技術と共に一瞬の間に、この空間の意味するものを感得される感性には驚かされる。このような作品に巡り合えたことに感謝したい。

 

 

 メモリアルオブジェの記事はこちらから

 → メモリアルオブジェ ベンチと木製はしご:おらだの会 (samidare.jp)

 

【おらだの会】このコメントは、審査会での意見や講評をまとめたものではありません。

2022.12.26:orada3:コメント(0):[停車場風景]

フォトキャン入賞作品 その2

  • フォトキャン入賞作品 その2

 フォトキャン入賞作品の2作目はkeaton.master.2018さんのこの写真です。CMで「想い出はモノクローム」という歌詞が流れていたが、白黒写真を見るとそれだけで「懐かしい」と感じる回路が働くようである。

 

 けれどもこの写真にはもう一つの仕掛けが隠されているような気がする。それは「そこには私がいたはずだ」と思わせるような空間を準備しているのではないか、という点である。

 

 駅においでになる方の多くは「懐かしい」との感想を残していかれます。「懐かしい」と思ってシャッターを押すとき、レンズの先にはあの頃の自分が見えているのかもしれない。

2022.12.24:orada3:コメント(0):[停車場風景]

フォトキャン入賞作品 その1

  • フォトキャン入賞作品 その1

 「停車場風景」の中で、この度のフォトキャンペーン入賞作品を紹介していきます。トップバッターはkoharumaxdaixさんの作品。

 

 吹雪の中を走るフラワー号とそれを見守る3人(?)の雪だるま。作者は冬のさなか、わざわざ撮影に訪れ、雪だるまを作ったのだろう。家族で列車を見送った頃の記憶が蘇ったのだろうか。

 

 ローカル線の冬の無人駅。誰もいないホームだけれど、そこには温かいものが流れている。

 

 

【おらだの会】この記事は、審査会での審議内容ではなく、あくまでも個人的な感想です。

2022.12.22:orada3:コメント(0):[停車場風景]

わたしたちの羽前成田駅 その2

  • わたしたちの羽前成田駅 その2

 成田駅の100歳を祝うキャンペーン「わたしたちの羽前成田駅」展。その中からもう一つの作品を紹介したい。写真の作品は、まるで建築設計士が描いたかのように、駅舎の構造が詳細にかつ丁寧に描かれていて驚かされる。

 

 致芳小学校3年生の作品は、駅舎の様々な表情が描き出されて、楽しい作品ばかりである。子供たちはきっと真剣な顔で、画用紙に向かったのであろう。この100年の間に、こんなに真剣に駅舎を眺めた人は一人もいなかったであろう。

 

 百寿の祝いにひ孫達に書いてもらった絵は、きっと最高のプレゼントになったにちがいない。

2022.12.16:orada3:コメント(0):[停車場風景]

わたしたちの羽前成田駅 その1

  • わたしたちの羽前成田駅 その1

 待合室で駅の100歳を祝うキャンペーン『わたしたちの羽前成田駅』展が開催された。一年間にわたってふるさとを学習した致芳小学校3年生の全作品が展示されている。作品の幾つかを「停車場風景」として紹介したい。

 

 写真の作品は、ホーム側から見た作品である。駅舎の柱の構造が正確に描かれ、ベンチなども置かれている。花いっぱいのホームに、花柄のフラワー号が入線している。駅に降り立てば、そこには花々に包まれたおとぎの国が待っているようだ。

 

2022.12.14:orada3:コメント(0):[停車場風景]