「ここがポイント」の最後は超驚きの場所、西大塚駅の待合室のベンチです。西大塚駅に行って、ぜひじっくりと覗いて見てください。きっと感動すると思います。
さて、100年を越える駅舎が2つも残っていることは、フラワー長井線にとってかけがえのない財産です。そこにはそれぞれの時代背景や職人たちの息遣いを感じることができるように思います。それぞれの駅舎の良さを理解することを起点として、次の時代へのバトン渡しを進めていきたいものです。
次回から、この駅舎を舞台に行われてきた活動の歴史を紹介していきます。
「ここがポイント」の最後は超驚きの場所、西大塚駅の待合室のベンチです。西大塚駅に行って、ぜひじっくりと覗いて見てください。きっと感動すると思います。
さて、100年を越える駅舎が2つも残っていることは、フラワー長井線にとってかけがえのない財産です。そこにはそれぞれの時代背景や職人たちの息遣いを感じることができるように思います。それぞれの駅舎の良さを理解することを起点として、次の時代へのバトン渡しを進めていきたいものです。
次回から、この駅舎を舞台に行われてきた活動の歴史を紹介していきます。
西大塚駅と羽前成田駅。車寄せに続いての見所は、腕木と破風板です。屋根の方を見てみてください。ここにも面白い見所が隠れています。まずは腕木です。腕木は、垂木 (たるき)や庇 (ひさし) などを支えるために、柱または梁 (はり) などから横に突き出させた横木のことです。この腕木の意匠にも両駅の特徴を見ることができます。羽前成田駅の腕木が大きく欠き込まれているのに対して西大塚駅の欠き込みは小さく、その曲線の形状は待合室のカウンターの持ち送りにも似ています。
また破風板(はふいた)の仕上がりにも違いが見られます。破風板は屋根の切妻部分(雨樋が付いていない屋根の端)の板です。羽前成田駅では、この破風板に四角形の意匠が施されています。長年風雪にさらされて、今にも消えてしまいそうな刻印のような彫り物がそれです。破風板に2つ並んだ四角形。それは駅舎全体の四隅にもあたります。単なる「粋」にとどまらない、鎮火や堅固など何がしかの意味が込められているように思えます。
「木造駅舎『絆』展」に西大塚駅と羽前成田駅を比較したパネルが展示されている。その中で特に面白いと思うものを幾つか紹介していきます。
最初は駅舎の顔ともいうべき正面玄関、車寄せの部分です。「羽前成田駅がハイカラに見える。」とよく言われますが、その理由の一つは車寄せの屋根にあると思われます。西大塚駅は切妻型で、羽前成田駅は半切妻型です。そして駅名板が掲げられる箇所には、西大塚駅では漆喰がアート風に塗られています。芸術的で豪奢な西大塚駅に対して羽前成田駅では、デザインを施した持ち送りが採用されています。
正面玄関では多くの方が写真を撮りますが、細部にはあまり注意は向けられないような気がします。西大塚駅が大正3年開業、羽前成田駅の開業は大正11年。この車寄せにも、たった8年されど8年の時の流れが刻まれています。
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