アジサイの開花宣言
アジサイには色や種類によって様々な花言葉があるそうです。青や紫には「冷淡」や「無常」の他に「辛抱強い愛」といったものもあるそうです。白いアジサイの花言葉は「寛容」で、恋人への贈り物に最適とのこと。ピンクのアジサイは「元気な女性」「強い愛情」という花言葉があるそうです。あなたは花に託してどんな思いを伝えますか? とにかく元気を出して、この梅雨を乗り切りましょう。
停車場にアジサイの花咲きにけり あの日の想い色うつろうも
追伸:ホーム西側のアジサイはまだ蕾です。
追伸 6月27日現在、咲き始めです。
木造駅舎『絆』展 駅の模型がなかったら
歴史を振り返る時、「もしもあの時○○だったら」と語られることがあります。成田駅では左の写真にある木造駅舎の模型がそれです。この模型はおらだの会の初代会長であった石塚さんが、2010年(平成22年)8月に制作したものです。もしもこの模型が作られなかったら、現在の成田駅の姿はなく、また現在のような活動も生まれていなかったかもしれません。というのは、この模型がきっかけとなって、昔の駅舎を復活させようという動きが生まれたからです。さっそく長井市のまちづくり基金に申請し、2011年6月第1期改修事業が完了しました。そのお披露目会にはボンネットバスなどのレトロカーのパレードが行われたのでした。
この年の5月、西大塚駅では米屋こうじさんの呼びかけで、東北大震災に対するチャリティ写真展が行われました。その出品者の一人に広田泉さんがおられたのです。山形鉄道㈱さんは、駅舎を利用した写真展の第2弾を、改修された羽前成田駅で実施する意向でした。山形鉄道の要請に手を上げてくれたのが広田泉さんでした。それが「元気が出る鉄道写真2011」です。西大塚駅でのチャリティ写真展の開催、羽前成田駅の改修、成田駅での写真展開催という歴史の歯車が、木造駅舎の模型から始まったと思えるのです。
→ (38)元気が出る写真展~広田泉氏との出会い:おらだの会
それにしてもこのような大きな事業に取り組むことができたのは何故だろうと考えると、会員の頑張りはもちろんですが、地域の先輩方の後ろ姿があったからではないかと思うのです。山形鉄道開業に際してトイレや花壇などの整備を行った駅協力会の皆さん。そして平成7年にモミジ広場を造成した成田駅前生き生きボランティアの皆さん。駅舎には全国から応援してくれる人たちとの絆と共に、先人と私たちを結ぶ絆があると思う。この絆はこれからも大切にしていきたいものだ。
→ (29)「過疎化の玄関口」を「活性化の拠点」へ:おらだの会
「木造駅舎『絆』展」 その時歴史が動いた
さて前回まで「ここがポイント」と題して、西大塚駅と羽前成田駅の見所を紹介して来ました。今回の展示のねらいは、両駅での活動が人と人との絆によって支えられ、協力し合って進められてきた歴史を整理しておくことにあります。
歴史を振り返る時、そこにはターニングポイントともいえる出来事があるものです。両駅でのターニングポイントとして考えられるものが、上の写真にあります。西大塚駅では2010年(平成22年)の年末大掃除の事業案内です。長井まちづくりNPOセンター(当時)が、置賜まちづくり学校として主催したもので、西大塚駅を木造駅舎の聖地にしよう」とあるのが、印象的です。なおその一年前に米屋こうじさんが西大塚駅で写真展を行っていました。
羽前成田駅では1996年(平成8年)4月のおらだの会の会報です。成田駅協力会を支え、駅前広場の礎を作ってくれた「成田駅前生き生きボランティア」の皆さんは、平成7年、「もみじ広場」の造成を機に引退。その後を「おらだの会」に託したのでした。最初の会報には、おらだの会の原点が記されています。鉄道アイドル伊藤桃さんがインスタグラムで、「この駅の好きなところは地元の方々、おらだの会の皆様が駅舎を『人が集まる場所』として大切にしているところ」と紹介してくれていますが、その基本は発足以来変わっていないのかもしれません。
→ フラワーの想い出帳 (その6 「最後まで幸せな気持ちに」):おらだの会
ここがポイント(ベンチの美脚)
「ここがポイント」の最後は超驚きの場所、西大塚駅の待合室のベンチです。西大塚駅に行って、ぜひじっくりと覗いて見てください。きっと感動すると思います。
さて、100年を越える駅舎が2つも残っていることは、フラワー長井線にとってかけがえのない財産です。そこにはそれぞれの時代背景や職人たちの息遣いを感じることができるように思います。それぞれの駅舎の良さを理解することを起点として、次の時代へのバトン渡しを進めていきたいものです。
次回から、この駅舎を舞台に行われてきた活動の歴史を紹介していきます。
ここがポイント(腕木と破風板)
西大塚駅と羽前成田駅。車寄せに続いての見所は、腕木と破風板です。屋根の方を見てみてください。ここにも面白い見所が隠れています。まずは腕木です。腕木は、垂木 (たるき)や庇 (ひさし) などを支えるために、柱または梁 (はり) などから横に突き出させた横木のことです。この腕木の意匠にも両駅の特徴を見ることができます。羽前成田駅の腕木が大きく欠き込まれているのに対して西大塚駅の欠き込みは小さく、その曲線の形状は待合室のカウンターの持ち送りにも似ています。
また破風板(はふいた)の仕上がりにも違いが見られます。破風板は屋根の切妻部分(雨樋が付いていない屋根の端)の板です。羽前成田駅では、この破風板に四角形の意匠が施されています。長年風雪にさらされて、今にも消えてしまいそうな刻印のような彫り物がそれです。破風板に2つ並んだ四角形。それは駅舎全体の四隅にもあたります。単なる「粋」にとどまらない、鎮火や堅固など何がしかの意味が込められているように思えます。