長井線で実証実験
12月9日に長井市役所で実証実験のキックオフセレモニーが行われ、2024年度に設計、25年度に実験車両の改造、26年度に無乗客によるテスト走行という3ヶ年計画とのこと。電力は太陽光発電や置賜野川の小水力発電で生み出された電力を活用する構想である。新車両の購入費削減や燃料費高騰対策、温室効果ガスの排出削減などにつながることが期待されるという。
ローカル線の厳しい経営状況や地方路線の廃止が伝えられる中で、フラワー長井線でこうしたチャレンジが行われることは素晴らしいことと思います。山形鉄道や長井市その他協力事業者の皆さんに敬意を表し、その成果を見守りたいものです。
米坂線と長井線
また12月5日の地元紙には、長井市議会における長井市長の答弁内容が報道されていた。それは内谷市長が米坂線問題に関する質問に対して、「運休区間の今泉~坂町間の復旧を諦めることは、今泉~米沢間の廃止にもつながりかねない」とし、(関係自治体の理解が得られれば)山形鉄道が引き受けてでも今泉~米沢間の鉄路を維持すべきとの認識を示した、というものである。
「長井線読切りエッセー第9話」で今泉駅の歴史を紹介していた。その時は「政争の駅」という副題をつけたのだったが、米坂線の今後は長井線にとっても重要な意味を持つように思われる。そして久保委員長が「活動を通じて(沿線住民の)互いの顔の見える関係が県境を越えて生まれつつある」との言葉が、長井線においても重要なものであることを、改めて考えさせられた。
たかが駅名板、されど駅名板
山形鉄道から販売されている駅名キーホルダーを買ってきた。幾つかの駅の中から成田駅と西大塚駅を購入した。写真がそれである。西大塚駅は、白地に黒の印刷用フォントであり、他の駅も同様であった。一方成田駅のものは、旧事務室に保管している駅名看板と同じく、青地に白の手書き文字である。
二つの表記を見て、知人が贈ってくれた「されど鉄道文字(中西あきこ著:鉄道ジャーナル社発行)」を思いだした。その本によれば、鉄道の表記や掲示に関する基準は明治期から昭和まで数次にわたって改訂され、職人の手書き文字からすみ丸ゴシックといういわゆる国鉄文字を完成させたというのである。西大塚駅のキーホルダーは、ホームに立っている駅名看板をもとに制作したとのことであり、その字体はすみ丸ゴシックと思われる。
成田駅のホルダーを見ると上から駅名がひらがな、漢字、ローマ字と続く。そしてその下に前後駅のひらがな表記はあるが、ローマ字表記がない。これは規程を外れた表記となっている。実は成田駅には2枚の手書きの駅名看板があり、「成田駅の宝物」で紹介した看板にはこのローマ字表記があるのである。
さて、筆文字で書かれた2つの看板とすみ丸ゴシックで書かれた外用看板。これらは誰が、いつ制作したのであろうか。中西あきこさんは著書の中で「筆文字の駅名標は、達筆な書き振りが駅に風格を与える。」と書いている。たかが駅名板、されど駅名板である。皆さんもぜひ購入して比べてみて欲しいものです。
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フラワーの想い出帳 (その7 「共にあること」)
10月19日の前夜祭から始まった成田駅での長井線祭りが終了した。写真展を開催してくれた小野さん、オモチャのプレゼントやシャボン玉など子供たちを楽しませてくれたAさん、Nさん。また米屋さんはじめ多くの方々からたくさんの飲み物や土産品を差し入れしていただきました。ありがとうございました。
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米屋さんとの撮影ツアーにおいでになった皆さんには、印象に残った写真とコメントを寄せていただきました。そこには私たちが気づかなかったものがたくさんありました。また会場の設営や撤収にあたって、会員以上の手際よさを発揮してくれた姿も印象深いものでした。これを「縁」にぜひまた遊びに来てください。
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恒例となった駅前での記念写真を見て、この2日間は、迎える私たちと訪れた人々とが共に作り上げた事業だったのだ、と改めて思います。2023年4月に行われた広田泉さんを偲ぶトークショーで、米屋さんが語った「共にあること」という言葉が思い出されます。この場所で共にあること、そして新たなつながりや思い出が生まれていることに感謝します。本当にありがとうございました。また会える日を楽しみにして・・・。
(おらだの会一同)
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フラワーの想い出帳 (その6 「最後まで幸せな気持ちに」)
駅前での芋煮会が終了し、待合室で2次会が始まった頃、一日駅長の仕事が終わった伊藤桃さんが成田駅に立ち寄ってくれました。伊藤さんのインスタグラムからその一部を紹介します。
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私がこうしてフラワー長井線に足しげく通うきっかけとなった大好きな羽前成田駅。100年を越える開業時からの木造駅舎。もちろんそれだけで最高なのですが、この駅の好きなところは地元の方々、おらだの会の皆様が駅舎を「人が集まる場所」として大切にしているところ。
遅れて来た私のために残していてくれた鍋に、改めて火を入れてくれたので、あつあつの芋煮をいただけました。すっごく美味しかったです。「どんどんけ」これは私の故郷の野辺地の方言ですが、こんなニュアンスの山形弁で勧めてくれて、おじいちゃんを思い出してほっこり。
帰り際に渡してくれたお弁当を、新幹線の中でいただきました。お昼に参加できなかった私のために、おかずを取り分けてお弁当にしてくれたのです。嬉しかったなぁ。もちろんお味も美味しくて、最後まで本当に幸せな気持ちにさせていただきました。本当にありがとうございました。(伊藤桃)
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【おらだの会】奥さん方が気配りしてくれたんですね、良かったです。(家では怖い○○なのですが(笑)) 写真は、伊藤桃さんが残してくれた色紙です。