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駅に集う人々 (羽前成田駅の1 ここから始まる)

  • 駅に集う人々 (羽前成田駅の1 ここから始まる)

 2024年長井線祭り、成田駅に突然現れた六文銭の武将Aさん。Aさんは長野県上田市からおいでになった方で、本当はかなりお堅いお仕事をなさっている方です。2011年に米屋さんが西大塚駅で開催したチャリティー写真展、そして広田泉さんが羽前成田駅で行った「元気が出る写真展」にも来てくれた方です。今回、子供たちにプレゼントするオモチャや地酒をたくさん持って来てくれました。前夜祭の時Aさんは、123の帽子を載せた一升瓶の前で「この様子を見て、広田さんはきっと喜んでいてくれているだろうな。」と話してくれました。

 → 停車場ノート28 「広田泉の会写真展」続行中:山形鉄道 おらだの会

 

 芋煮会当日に列車で来てくれたUさん。Uさんは昨年のお花見会(広田さんを偲ぶ会)においでになり、今年6月には福島の広田泉さんの墓参後に「泉の桜」を見に来てくれた方です。Uさんと広田泉さんとの出会いは広田泉さんの写真集「ここから始まる」だったそうです。息子に与えたこの本の感想文に感動した担任の先生が、その本をクラス全員で学習することになりました。そのことを広田さんに伝えた時、広田さんは涙を流しながらUさんの手を固く握ってくれたそうです。Uさんは、その時の広田さんの熱い手の感触が忘れられない。来春までに広田さんの物語を書きあげて、泉の桜に集う人たちに読んでもらいたい、と語ってくれました。

 → 「泉の桜」に会いに来ました:おらだの会

 

 「線路を繋げ、人を繋げてニッポンを繋げたい。本気でそう考えています」。広田さんが2011年の「元気が出る鉄道写真展」に寄せたメッセージです。駅に集う人々、羽前成田駅もここから始まります。

 


【おらだの会】今年度の駅茶での展示事業は、長井線祭りをもって一旦終了とさせていただきます。なお見学の希望などがございましたら、「問合せフォーム」からご連絡下さい。皆様のご支援とご協力に会員一同心から感謝申し上げます。

 

2024.10.24:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

祝 長井市制施行70周年

  • 祝 長井市制施行70周年

 令和6年10月14日、長井市制施行70周年記念式典並びに祝賀会が開催されました。市内外はもとよりドイツや中国、タンザニア連合共和国などからもたくさんのお客様がおいでになり盛大な式典となりました。

 

 1町5か村が合併して長井市が誕生したのは、1954年(昭和29年)11月15日。この日は国鉄長井線にディーゼル車が登場した日でした。客車を牽引していた蒸気機関車は、新市誕生の祝賀ムードの中で、ひっそりと表舞台から姿を消したのでした。

 → 長井線を走った蒸気機関車(4) 最後の旅客牽引車86型:おらだの会 (samidare.jp)

 

 歴史の中では、生まれるものと消えていくものがあります。だからこそ折々に歴史を振り返り、将来を思うことは大切なことなのだろう。長井線も今年はディーゼル列車登場70周年、長井駅開業110周年である。10月20日の長井線祭りはたくさんのお客様で賑わって欲しい。そして私たちも駅に集い、列車に手を振って、将来に何を伝え、何を創っていけばよいかを考える機会にして欲しいと思う。

 祝 ディーゼル列車登場70周年、長井駅開業110周年!

2024.10.15:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

あの日あの時へ (その4完:風景の記憶)

  • あの日あの時へ (その4完:風景の記憶)
  • あの日あの時へ (その4完:風景の記憶)

 写真展においでになった方に、「どの作品がお好きですか?」と訊ねることがある。地元の小学校に通う姉妹が駅茶に来た時にも同じ質問をしてみた。その時小学3年生だという妹さんが選んだのが、上の2枚でした。左は「霞城の桜(仙山線快速 山形~北山形)」、右は「夏の午後(奥羽本線蔵王~山形)」という作品です。山や桜といった当たり前にある景色が入った作品でした。

 

 この作品に「いいね」とされた方はいなかったので大変驚きました。彼女は何故、この作品を選んだのだろうか。その他の作品が8歳の子にはなじみがない被写体であったからだろうか。地元の山や景色ではないにしても、親近感を感じるものがあったのかもしれない、などと勝手な推測が浮かんでは消えました。

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 今回の写真展は、鉄道や駅舎への郷愁の原点を考えてみたいと企画したものです。その流れで考えれば、故郷の風景と共に有る鉄道の姿、変わらぬ風景の中で走り続ける列車の姿が、それぞれの大切な記憶として堆積しているのではないだろうか。8歳の少女に大事なことを教えられたような気がします。

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 「あの日、あの時へ」展は、来週で終了します。カメラを手にした18歳の少年がとらえた鉄道情景をあなたの目で鑑賞してください。そしてあなた自身の「あの日、あの時」を探してみて欲しいと思います。開場日程を前回の記事でご確認のうえご来場ください。

2024.10.13:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

あの日あの時へ  (その3:列車の記憶)

  • あの日あの時へ  (その3:列車の記憶)
  • あの日あの時へ  (その3:列車の記憶)

 右の写真には「発車待ち(奥羽本線山形駅)」、左には「休日は汽車でお出かけ(奥羽本線蔵王~山形)」のキャプションが添えられている。

 私にとって鉄道の想い出の一番は、やはり汽車通学の想い出である。隣町から乗車する女子高生の制服が、まぶしく見えたものだった。またボックスシートで友達とワイワイしながら過ごしたものだったが、今はスマホをのぞき込んで過ごすのであろうか。列車というのは公・私の入りこみが見事なバランスを持った空間であると思うが、会話が聞こえなくなった列車はちょっと寂しい気がする。

 「休日は汽車でお出かけ」の女の子たちは、新しい洋服を着て晴れやかに見える。フラワー長井線でも小学生が2~3人で大きな声を出し合いながら、列車に乗り込むのを見ることがある。子供だけの冒険の旅だ。幼い頃、落とさないようにとぎっちりと握りしめていた切符の感触が思い出される。


 そんな想い出にふけっていると、写真展においでになった若い女性から、「電車の窓があくのですか?」と聞かれた。「長井線は今でもあきますよ。ローカル線の大事なアイテムなんですよ。」と答えて思わず笑ってしまった。確かにフラワーライナーの窓は、あの日あの時と変わっていなかったのでした。



【おらだの会】写真展「あの日、あの時へ」の開場予定は、次のとおりですのでお間違えのないようにおいでください。◎印は作家さん在廊予定です。
 ◎10月11日(金)10時 ~16時/  10月12日(土) 13時半~16時
  10月13日(日)13時半~16時/ ◎10月14日(月祝)10時 ~16時
  10月18日(金) 13時半~16時/◎10月19日(土) 10時 ~16時
  ◎10月20日(日) 10時 ~14時

2024.10.11:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

あの日あの時へ  (その2:ホームの記憶)

  • あの日あの時へ  (その2:ホームの記憶)
  • あの日あの時へ  (その2:ホームの記憶)

 左は「発車2分前(奥羽本線山形駅)」、右は「終着駅(仙山線山形駅)」とのキャプションが添えられている。いずれもホームの風景である。

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 左の写真を見ると、東京駅に降り立った時と似た感情が湧いてくる。ホームの先にある都会の華やかな世界。その世界に早く飛び込みたくて、人波の間をワクワクしながら進んでいくのである。昨日までの自分は、そこにはない。

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 右の写真を見ていると、赤湯駅3番ホームに降りた時のことを思い出す。ホームのその先には跨線橋に上る階段が見えるのである。その時、都会の雑踏の中にあって気づかなかった緊張が、融解していくのを感じるのである。ホッと息を吐きだす。

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 ホームには故郷を旅立つ時の思いと、望郷の念に駆られた記憶が映っているように思う。鉄道やホームは、今もなお同じ感情を醸し出させる舞台装置のように思える。「集団就職の時代」に比べて希薄になっているであろうが・・・。

2024.10.09:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]