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「おらだの会」という名前

  • 「おらだの会」という名前

 日大山形高校放送部の皆さんが成田駅に取材に来られ、「おらだの会という名前になったのはなぜですか?」という質問がありました。そこで初代会長の石塚さんに聞いてみると、名付け親は私たちに「後を頼む」と言ってくれた先輩方であって、「みんなで力を合わせて活動してほしい、みんなが主役の会であって欲しい。」という意味だと教えられたそうです。

 

 最近になって、会の名前にもう一つの意味が込められていたのでないかと思うようになりました。「おらんだ(あなた達)はおらんだ(あなた達)のままで良いなだ。年寄りに気を遣わないでお前たちのやりたいことをやってくれ。」という思いもあったのではないか、ということです。こんな風に考えるととても良い名前を付けてくれたなぁと思います。

 

 高校生のおかげで、おらだの会の原点に立ち戻ることができたような気がします。それにしてもこんなことを考えるようになったのは、当時の先輩たちと同じぐらいの年になったからだろうか。うれしいような寂しいような・・・。

 

 

 

【おらだの会】写真は、駅舎を取材する日大山形放送部の皆さん。

2022.10.05:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

隠れ家とサードスペース

  • 隠れ家とサードスペース

 地元紙にサードスペースの重要性を説く投稿記事があった。サードスペースとは自宅と学校、あるいは職場との間に存在する場所であって、自分にとって居心地の良い場所を指すものだという。そう言えば旧長井小学校第一校舎や長井駅の交流スペースに高校生の姿を多く見かけるようになった。

 

 昔の職場の後輩と成田駅で酒を酌み交わした時のこと、彼が「駅に降りて駅茶で酒を飲む。これは最高のサードスペースですね。」と語ったのを思い出した。現役を引退した「こもり人」としてはサードではなくセカンドスペースと言えるかもしれないが、「男の隠れ家」の方がしっくりする。おらだの会が初めて掲載された雑誌の名前である。

 

 セカンドでもサードでも隠れ家でもよいが、年齢も職業も趣味も違う人たちがゆったりとした時間を共有できる場所と機会があることはとても貴重なことではないだろうか。「駅茶」がそんな場所になることを願っている。もちろん、仲を取り持つ発酵促進液があればさらに楽しいことなのだが・・・・。

 

掲載記事はこちらから → 

「男の隠れ家」におらだの爺3人衆が・・・・:山形鉄道 おらだの会 (samidare.jp)

2022.10.03:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

「まつりの記憶」「ふるさとの記憶」

  • 「まつりの記憶」「ふるさとの記憶」

 9月9日から開催してきた「まつりの記憶展」も、残り3日となった。千年もの間受け継がれてきたまつり。家々の門前には家紋入りの提灯が掲げられ、笛と太鼓と警護係の怒声が飛び交う中を、獅子が勇壮に練り歩く。「ふるさとの記憶」と「まつり」はまさに一体のもののように思われる。私たちには、暮らしを重ねながら受け継がれてきた「まつりの記憶」があった。

 

 ふと今から3年前の2019年8月に、解体を間近にした長井駅を見た時に沸き上がった感情を思いだした。当たり前にあるものの存在の大きさに気づかされたのである。そして今ここには百年の間、決められた時刻に故郷の風景の中を走り続けてきた鉄道があり、木造駅舎がある。「まつり」と共にこの「駅舎」も、私たちの中で「ふるさとの記憶」として埋め込まれているのではないだろうか。

 

 長井駅の最後の姿はこちらから

 → 長井駅、威風堂々!:山形鉄道おらだの会 (samidare.jp)

 

 

 

【おらだの会】「まつりの記憶展」の最終日25日(日)は、午後3時で閉場となりますのでご注意ください。

2022.09.22:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

黒獅子が練り歩く町を大事に

  • 黒獅子が練り歩く町を大事に

 9月は秋祭りのシーズンである。平成24年に「写真家・宮嶋康彦さんと歩く写真撮りツアー」を実施したのも、ちょうど祭りの時であった。宮嶋さんは語ってくれた。「景勝地がないことを悲観することはない、都会の参加者は『普通』に心が癒されるもの。普通の暮らしに価値があることを理解して欲しい。」「長井で有名な黒獅子は村祭りが基本であり最も魅力のあるものである。黒獅子が練り歩く町を大事にして欲しい。」と。

 

 祭礼のチラシが全戸に配布された。コロナ禍での実施についてはまだまだ不安な状況が続いている中で、地域の伝統を守り地元を盛り上げようとする若者たちの姿が見えてくるようである。おらだの会では9月9日(金)から、「写真撮りツアー」参加者の作品を中心にして『まつりの記憶』と題した写真展を開催する予定です。どうぞご覧ください。また成田八幡神社の獅子舞の様子はユーチューブ等にアップされていますので検索してみてください。

 

→ (43)何を残したいのか  写真撮りツアーで学んだこと:おらだの会 (samidare.jp)

 

→ 若宮八幡神社 | 成田(なりた) | 致芳ふるさとめぐり | 長井市致芳コミュニティセンター (chihou-cc.org)

2022.09.06:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

地域の先生になっちゃった ~ その3

  • 地域の先生になっちゃった ~ その3
  • 地域の先生になっちゃった ~ その3

 感想を発表する時間になって男子生徒が元気よく手を上げた。「成田駅が100年たっても残っている理由がわかりました。」と言って、北側の壁を指差して「みんながここでタバコを吸わないようにしたからだと思います。」と。すると先生がすかさず「そうだね、火事を出さないようにみんなが気を付けたから100年たっても残っているんだね。」(この返しの呼吸が実に素晴らしいと思う。)

 

 このシールに注意することは今まで全くなかったし、駅を守るということとつなげて考えることは予想もしないことでした。そして、100年という歴史をつないで来たのは、この駅を利用してきた一人ひとりの心がけだったことに気づかされたのです。お礼のお手紙の中にも「(この駅は)すっごくみんなにあいされつづけたんだなぁと思いました」「ずっとなり田えきをたいせつにあつかっていきたいです」と書いていてくれました。

 

 「一生懸命学ぶ子供の姿に地域を担うたくましさも感じました」と校長先生が学校のブログに書いていましたが、全くそのとおりだと感じます。そして伝えていくことの大切さを考えさせられた1時間でした。子供たちそして先生、駅茶の爺さんのつたないお話にお付き合いくださってありがとうございました。また遊びに来てください。

 

 

【おらだの会】古い写真は成田駅開業30周年(1952年:昭和27年)の記念撮影。致芳小学校のブログはこちらから → 6/30(木)#512 地域を学ぶ、地域の先生に学ぶその3~羽前成田駅へ~:致芳小ブログ (samidare.jp)

2022.07.10:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]