名ばかりの“対話型”「市民会議」…「高齢者」排除の“底意”が見え隠れ~そして、韓国の非常戒厳!!??

  • 名ばかりの“対話型”「市民会議」…「高齢者」排除の“底意”が見え隠れ~そして、韓国の非常戒厳!!??

 

 「これじゃ、戒厳令下の市民会議と同じじゃないか」(11月14日付当ブログ)―。ほんの1カ月足らず前に胸中をよぎった不吉な予感が隣国の「非常戒厳」宣布によって、現実のものとなった。政権運営が危うくなる時、権力者がなりふり構わぬ非常手段に打って出ることは歴史が教えている。今回は韓国の民主的な世論がこの暴挙を押しのけたが、国家レベルだけではなく、足元の地方政治にまでイヤ~な雰囲気がじわじわと忍び寄ってきているような気がしてならない。以下は「イーハトーブ図書館戦争」に従軍してきた私の最新レポートの一端である。

 

 

 「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の立地場所を話し合う「対話型市民会議」が11月17日から始まった。それに先立って公表された「傍聴要領」を見て、びっくりした。「会議を妨害し、又は人に迷惑を及ぼすと生涯学習部長が認める者(入場の禁止)」、「傍聴人がこの規則に違反したときは、生涯学習部長は、これを制止し、その命令に従わないときは、その者に退場を命ずることができる」(傍聴人の退場)…。「その者」だって。「官尊民卑」丸出し、まるで、“戒厳令下”ではないか。「本来、全市民に開かれるべきはずの市民会議が物々しい“厳戒態勢”の下で開かれるという前代未聞の事態である」とその時のメモにある。

 

 そして、第1回目のその日を迎えた。無作為抽出で選ばれた3、500人の中から、参加を希望した会議構成者(75人)は11班に分かれ、WS(ワークショップ)形式の意見交換に臨んだ。メインファシリテーター(進行役)の山口覚・慶応義塾大学大学院特任教授は冒頭、こうあいさつした。「4時間の長丁場ですので、30分間の休憩を2回取ります。おやつを自由に食べながら、リラックスして意見交換をしてください」―

 

 「まるで、ゲットー(ユダヤ人の強制隔離地区)ではないか」―。若々しい声が飛び交うWS会場を見た瞬間、今度はこんな時代がかった言葉がこぼれ落ちた。本当にそう感じたのである。停止線で区切られた傍聴席には15人ほどが詰めかけ、成り行きを見守っていた。ほとんどが高齢者で、周囲には“監視役”の市職員の目が…。齢(よわい)84歳の私は年のせいで小用が近く、その目を気にしながら何度もトイレに走った。同席した知人に話しかけようとすると、今度は「私語は禁止」と唇に人差し指を立てられた。「拷問じゃないか」と次第に腹が立ってきた。

 

 持参した茶菓子をポリポリかじりながら談笑する会場の光景を見回しているうちに、「オヤっ」と思った。高齢者の姿がほとんど、見当たらなかったからである。市側に確認すると、70歳以上の参加者は75人中、わずか6人に過ぎなかった。「4時間」という時間設定はもしかしたら、高齢者に二の足を踏ませるために仕組まれた“奥の手”ではなかったのか。こんな疑念さえもわいてきた。私自身、もう二度と足を運ぶことはあるまいと思った。寄る年波にとって「4時間」という拘束は心身の限界を超えることを身をもって知ったからである。

 

 「31・4%vs0・08%」―。前者は市内の四つの図書館(花巻、大迫、石鳥谷、東和)が実施した「来館者アンケート」(令和5年12月24日~同6年1月31日)の集計で、70歳以上の来館率が全体の3割以上を占め、世代間で一番高くなっている。後者は今回の対話型市民会議における70歳以上が占める比率で、この極端は数字の乖離こそが「高齢者」排除の実態を如実に物語っているのではないのか。図書館を一番利用する高齢世代が新しい図書館の立地場所を話し合うその場に居合わせない―これほどまでに逆立ちした構図はあろうか。

 

 二つの立地候補地の成否(メリット・デメリット)を論議する対話型市民会議は年を越して、来年まで続く。「イーハトーブ図書館戦争」も終結に向けて、大詰めを迎えつつある。一方に当局側のお先棒を担ぐような市議がおれば、その当局側はと言えば高齢者の声に耳を傾ける風もない。二元代表制ならぬ見事なまでの“二人三脚”の先に一体、どんな図書館が姿を現すのであろうか。

 

 ハタと思う。この国にもし「戒厳令」が発令された時、それを跳ね返すエネルギーが国民の側にありや否やと…。かたわらのテレビでは韓国の国会議長が叫んでいた。「いま、この国の民主主義が問われている。世界中の目がこの国に向けられている」―。渦中の尹錫悦大統領と上田東一市長とがす~っと重なった。その目の前には「裸の王様」(エコーチェンバー)に成り果てた独裁者の姿が…。

 

 ウィキペディアはこの王様について、こう解説している。「身の回りに批判者や反対者がいないため、本当の自分が分かっていない権力者を揶揄するために用いられる。当然ではあるが、正当な批判・反論すらも聞かずに猛進するため、当人が破壊的な影響を及ぼすようになり、いずれ必ず当人も組織も大きなダメージを受けるため、組織人として見た場合には非常に有害な人物になる」 

 

 

 

 

(写真は若者の姿が目立った第1回「対話型市民会議」=11月17日午後1時~5時まで、花巻市のまなび学園で)

 

 

 

 

 

《追記ー1》~味見の量は少ないとダメ!!??

 

 「社会調査担当者」を名乗る方から、長文のコメントが寄せられた。「無作為抽出」という統計学上の“落とし穴”について、誰もが理解ができる解説になっており「なるほど」と納得した。さっそく、この“みそ汁”理論を実践してみた。買い置きのインスタントみそ汁にお湯を注いで、上澄みを飲んでみたら当然のことながら、味も素っ気もなかった。「無作為」の“作為”を垣間見た思いがした。以下にその全文を転載させていただく。

 

◇ ◇ ◇

 

 ある母集団の様子を観察するのに、その母集団から無作為抽出によって標本を取り、その様子を調べることで母集団全体の様子を推し量る方法は、世論調査といった社会科学的な分野だけではなく、医療研究など広く自然科学的な分野でも用いられている。

 

 この無作為抽出法はしばしばみそ汁の味見に例えられる。すなわち、みそ汁の味見では、良くかきまぜた後であれば、小皿に少しみそ汁を取って味見をすれば全体の味が分かる、ということである。ここでまず重要なことは小皿に取るみそ汁の量である。最初、小皿にいっぱいにみそ汁を取って味見しようとしたとき、誤って大部分をこぼしてしまったらどうだろう。小皿に残ったごくわずかのみそ汁を味わっても、みそ汁全体の味はわからない。

 

 市ホームページで公開されている新花巻図書館の建設候補地に関する市民会議の資料によると、参加者は15才以上の市民で無作為に抽出された方のうち、参加の申込をいただいた75名と書かれている。無作為抽出したもとの数はここには書かれていないが、増子氏ブログによれば市当局は3,500名を無作為抽出したようである。上記のみそ汁の例えに戻ると、本来、味見には3,500人が必要だったが、3,425人がこぼれてしまい、小皿に残ったのは75人、無作為抽出された3,500人に対して率にすると2.1パーセントとなり、小皿のみそ汁はほとんどこぼれてしまったことになる。

 

 すなわちこのような味見は小皿上の微量のみそ汁では味見は不可能であることは容易に想像できることである。統計調査ではこの種の現象を「非回答バイアス」とか「無回答バイアス」と呼び、調査に回答した人と脱落した人の差によっておこるバイアスとされている。一般に統計調査の結果報告においては回答率というものが示されるが、今回の市民会議の場合、この回答率は2.1パーセントということになる。

 

 回答率について言うと、例えばNHKの最近の世論調査の例は次のとおり書かれている「NHKは12月6日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける『RDD』という方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは、2816人で、44%にあたる1224人から回答を得ました。」

 

 世の中で行われている世論調査の回答率がこういう率であることがわかると、今回の市民会議なるものの結論が、そもそも母集団である市民の意向を正確に表しているかどうかは容易に推測できよう。

 

 

 

《追記―2》~韓国の弾劾が可決!!??

 

 (ブルームバーグ): 韓国の尹錫悦大統領に対する2回目の弾劾訴追案が14日、国会本会議で可決された。これにより大統領の職務は一時的に停止される。尹氏は一時的な「非常戒厳」宣布で国民に衝撃を与え、強い非難を浴びていた。

 

 204人の議員が賛成票を投じた。可決には議員3分の2(200人)以上の賛成が必要だった。反対票は85だった。7日に行われた1回目の弾劾訴追案の採決では、与党「国民の力」議員の大半が退席したため不成立となった。今後は憲法裁判所が弾劾の妥当性を審査し180日以内に決定を下す。弾劾が妥当と判断されれば、大統領は罷免され、60日以内に大統領選挙が行われる(12月14日付電子版)

 

 

 

<お 知 ら せ>

 

 年をまたいで旅に出るので、しばらくの間、ブログを休載させていただきます。みなさま、良いお年をお迎えください。

 

 

図書館論戦がスタート…負のイメージがさらに~「病院跡地」への立地に不安要素か、混迷の度ますます!!??

  • 図書館論戦がスタート…負のイメージがさらに~「病院跡地」への立地に不安要素か、混迷の度ますます!!??

 

 「今後、建設候補地のボーリング調査をする予定になっており、その結果次第では立地計画の内容に影響が出ないとも限らない」―。花巻市議会12月定例会の一般質問初日の9日、候補地のひとつである「花巻病院跡地」に関連し、上田東一市長は今後の立地選択に含みのある発言をした。本舘憲一議員(はなまき市民クラブ)と伊藤盛幸議員(緑の風)、久保田彰孝議員(共産党花巻市議団)が、候補地の周囲に急傾斜崩壊危険区域や土砂災害警戒区域など「災害リスク」が存在することについて、「安全性は確保できるのか」とただしたのに対して答えた。

 

 「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の立地場所については、双方の事業費などを比較調査した資料をもとに現在、「対話型市民会議」(75人で構成)で論議が続けられている。コンサルタントが明らかにした資料によると、病院跡地の土地利用計画図(イメージ図)は災害リスクがある区域が色塗りで描かれ、真っ先に目に飛び込んでくる。質疑に立った3議員は「見たとたん、安全性に疑義を抱かせるような描写ではないか。建設予定地の安全性が担保されていると言うのなら、予断を与えないようもっと、丁寧な説明が必要ではないか」とただした。現にこの資料をめぐっては高橋修議員が所属する会派「明和会」(8人)が主導する形で、病院跡地への“ネガティブキャンペーン”(12月1日付当ブログ参照)が展開されるなど市民の間には立地場所をめぐる判断に困惑する声が広がっている。

 

 この日、明らかにされた地質調査(ボーリング調査)は図書館本体の建設予定地など6か所で、市側は「液状化や地盤沈下などのリスクを調査するためだ」としている。同様の地質調査は駅前候補地でも3か所が予定されている。これまでの経緯について、上田市長は「仮に誤解を与えることがあったとしても、あえて情報はすべて公開すべきだと考えた。判断する際の市民の叡智に期待したい」と答えるにとどまった。これまでの市民説明会や対話型市民会議の場にもこのボーリング調査の一件は報告されていない。なぜ、今なのか。病院跡地への負のイメージがさらに加速することが懸念され、「恣意的な印象操作ではないか」という声がふたたび、高まりそうだ。

 

 「この会議は立地場所をどっちかに決めるという場ではない。双方のメリットとデメリットを出し合い、それを集約していくというのが私の役割だ」―。一方で、メインファシリテーター(進行役)の山口覚・慶応義塾大学大学院特任教授は第1回目の対話型市民会議(11月17日)の冒頭、こう述べている。この日の質疑の中で上田市長は「立地場所を特定する形での意見集約をしていただきたい。無作為抽出で選ばれた市民で構成するこの会議こそが民意を反映する場だと思う。市としてはその結果を最大限尊重したい」と述べ、双方の認識の違いがあらわになった。

 

 他方、概算事業費が「駅前」(39億9千万円)に比べて、「病院跡地」(36億3千万円)の方が安価になっていることについて、3議員は「地方財政法」(「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」=第4条)や「地方自治法」(「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」=第2条第14項)―などを引き合いに出し、「法的には安い方を取得するのが筋ではないか」と迫った。

 

 これに対し、松田英基副市長は「これらの法規定は抽象的な内容であり、最上級の憲法規定では住民の福祉向上が自治体の責務だと定められている。金額の多寡(たか)に左右されてはならないというのが憲法解釈だ」と切って捨てた。論点が整理されるどころか、混迷の度はさらに深まりそうだ。上田市長の”強行突破”宣言だと見ておこう。

 

 

 

 

 

(写真は色塗りのイメージ図を手にして答弁に立つ上田市長=12月9日、花巻市議会議場で)

 

 

 

 

《追記ー1》~対話型市民会議の報告書

 

  第1回「対話型市民会議」の論議の内容がニュースレタ―という形でHPに掲載された。以下のアドレスからどうぞ。

 

 新花巻図書館建設候補地に関する市民会議 ニュースレター第1号 (PDF 403.7KB)新しいウィンドウで開きます

 

 

《追記ー2》~花巻市議会について

 

 「匿名」を希望する方から、以下のようなメールが寄せられた。「一般質問を拝見して思いました。羽山議員さんの発言が明らかに関連があるのに、通告にない内容だからという理由で切り捨て。何か本質に迫ろうとするのを阻止したいのかな?って疑惑の一般質問に驚愕してますよ!公正、透明性を遵守する花巻市議会であれ!」

 

 

 

 
 

 

ある「FB」記事に見る……市議会議員の「思想と行動」、いや「資質とレベル」~ブログが炎上の気配に~“開かずの扉”が少しづつ!!??

  • ある「FB」記事に見る……市議会議員の「思想と行動」、いや「資質とレベル」~ブログが炎上の気配に~“開かずの扉”が少しづつ!!??

 

 「あれっ」と腰を抜かしそうになった。市長与党と目される花巻市議会の最大会派「明和会」所属の高橋修議員のFB(フェイスブック=11月21日付)にこんな一節を見つけたからである。「病院跡地(案)を見れば一目瞭然。赤やピンクで囲まれてますよね?こんな危険区域の境目ギリギリに、公共施設を建設すべきではない」―。「駅前か病院跡地か」という新花巻図書館の立地場所をめぐって、当市ではいま「対話型市民会議」がスタートするなど多くの市民の関心はその行方に注がれている。この“椿事”(ちんじ)はそんなさ中に起きた。

 

 外部コンサルタントに依頼して作成した二つの候補地の「比較調査」報告書には双方の「土地利用計画図」(イメージ図)が示されている。高橋議員のFBに掲載された病院跡地のイメージ図を見て、今度は本当に腰を抜かしてしまった。わざわざ、手描きで「急傾斜崩壊危険区域」や「土砂災害警戒区域」などと書き加えた上、「ここ?」とクエスチョンマークまで付ける念の入れようだったからだ。

 

 「災害リスク」をことさら強調するかのように“加工”がほどこされた画像を見た瞬間、ふと証拠物をでっち上げた「袴田事件」が頭をかすめた。「これって、手の込んだある種の“捏造”(ねつぞう)ではないのか。市側が第1候補地に挙げる駅前立地へ向けた“世論”誘導(地ならし)がミエミエ。議員としての資質が疑われる」―。もし、そうじゃないと主張するのなら、あなたの“そもそも論”じゃないけれど、“そもそも”どうしてこんな危険区域にあえて、もうひとつの図書館立地を想定したのか―当局側の行政責任を是非とも追及してほしいものである。

 

 高橋議員はこんなこともつぶやいている。「当局(市役所)と議会では役割が違うのです。当局は提案ができます。提案がない以上、我々は議決できません。ジャッジをくだせないのです」…。怒りを通り越して、吹き出してしまった。「下に~、下に~」…大名行列の“露払い”よろしく、議決(審議)をする前にもうジャッジを下しているではないか。「表現の自由」も赤面するほどの軽率かつ稚拙な、しかも「公私」をわきまえない支離滅裂ぶりに唖然とした。ちなみに、FBに寄せられたコメント数は20件で、133人が「いいね」を押していた(12月1日午前7時時点)。この中にはうっかり、押してしまった私もカウントされている。

 

 高橋議員は現在3期目で、自民党所属。前回(2022年7月)の選挙ではトップ当選を果たした。ベテラン議員に対し失礼が及ぶかもしれないが、以下に議員に課せられる関係法令と、万が一のために記録保存しておいたFBの記事も合わせて、掲載させていただく。当ブログでも再三言及してきたように当局側と議会側とが互いに監視し合うという「イーハトーブはなまき」の”二元”代表制はいま、崖っぷちに立たされている。今後に向けた事例研究(ケーススタディ)の一助になれば…。言わずもがなだが、文中の「議員」とは“公人”を指す。

 

 

<市議会基本条例>(平成22年6月制定)

 

●議会の活動原則
 

 「議会は、市政の監視及び評価並びに政策立案及び政策提言を行う機能が十分発揮できるよう、円滑かつ効率的な運営に努めなければならない」(第4条第1項)、「議会は、公正性及び透明性を確保し、市民に開かれた運営に努めなければならない」(同第2項)、「議会は、市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映させるための運営に努めなければならない」(第3項)

 

●議員の活動原則
 

 「議員は、議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員相互間の自由な討議を尊重しなければならない」(第5条第1項)、「議員は、市政全般についての課題及び市民の意見、要望等を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんに努め、市民の代表としての自覚を持って活動をしなければならない」(同第2項)、「議員は、議会の構成員として、市民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない」(同3項)

 

<市議会議員政治倫理要綱>(平成26年3月議会告示)

 

●政治倫理基準
 

 「市民の代表者として、その品位と名誉を損なう一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと」(第3条第1項)、「市民の代表者として、常にその人格と倫理の向上に努め、その権限又は地位を利用して、不正に影響力を行使し、又は金品を授受しないこと」(同第2項)


 

<FBの全文>

 

“そもそも論”

 

 移転新築が計画されている新花巻図書館。“駅前か病院跡地か”、市民の間でも大きく意見が別(ママ)れています。2つの候補地にはそれぞれ持ち味がある。お互い正論だとは思います。ただ私自身は病院跡地にはクエスチョン、現時点では後ろ向きです。理由はいたってシンプル。病院跡地は後方斜面が急傾斜崩壊危険区域、右側斜面は土砂災害警戒区域だからです。これは画像の下段、病院跡地(案)を見れば一目瞭然。赤やピンクで囲まれてますよね?こんな危険区域の境目ギリギリに、そもそも市民を集約すべきではない。公共施設を建設すべきではない!というのが私の持論です。

 

 それともう1つ。“議会も優柔不断”、“いつまで何やってんの(?)”という声を良く耳にします。これは当然の感覚、普通はそう思いますよね。ただこれにはちゃんとした理由があります。当局(市役所)と議会では役割が違うのです。議員は質問はできます。例えば、建設費は幾らですか?市民の意見を聞いていますか?等々です。当局は違います。提案ができます。例えば、“駅前にさせてください”、“病院跡地にさせてください”等々です。

 

 提案がない以上、我々は議決できません。ジャッジをくだせないのです(この部分はその後、「この提案がない以上、我々も待つしかない。議決できないのです」と表現が変わっている)。いずれタクシ-運転手(引用者の註;議員活動のかたわら、こんな副業もしているらしい)をしていて思います。高齢者の方は間違いなく歩きません。私は駅から離れれば離れるほど、利用する年代は限られる。特に冬は誰だって歩きたくない。全ての年代に影響が出ると思います(11月30日午前時点での引用)

 

 

 

 

(写真は“加工”が加えられた高橋議員のFB上のイメージ図。正確な原画は11月10日付当ブログのコメント欄を参照)

 

 

 

 

《追記ー1》~「消えたFB」、あぁ、霧の彼方に!!??

 

 念のためと思って、ブログアップ直後の本日(1日)午前10時すぎに高橋議員のFBにアクセスしてみたら、ありゃ、跡形もなく消えてしまっていた。こんなこともあろうかと思ってアップしたのだったが、こうなったら、当ブログは永久保存版にしなくちゃ…。兵庫県知事選でにわかに注目された「SNS」によるネガティブキャンペーンが足元にも忍び寄っていたことに無関心は禁物。それにしても、この人物には議員としての”矜持”(きょうじ)のひとかけらもないらしい。

 

 

《追記―2》~利益相反!!??


 「プロパガンダ反対」を名乗る方から以下のような長文のコメントが寄せられた。洞察の深い論考で、論点もきちんと整理されていた。さっそく、ケーススタディの貴重な教材として、全文を掲載させていただく。

 

●利益相反(りえきそうはん)とは、信任を得て職務を行う地位にある人物(政治家、企業経営者、弁護士、医療関係者、研究者など)が立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、競合ないしは相反している状態をいう。

 

 このように利益が衝突している場合、地位が要求する義務を果たすのは難しくなる。利益相反は、そこから非倫理的もしくは不適切な行為が行われなくても存在する。利益相反は、本人やその地位に対する信頼を損なう不適切な様相を引き起こすことがある。一定の利益相反行為は違法なものとして扱われ、法令上、規制対象となる。また、法令上は規制対象となっていない場合でも、倫理上の問題となる場合があり得る(ウィキペディア)。

 

 髙橋修議員のフェイスブックによると、氏は日本商工会議所青年部岩手県代表理事、花巻商工会議所青年部第27代会長を歴任したことが書かれており、背景に使われている写真は最近行われた花巻商工会議所青年部歴代会長表彰式の様子である。

 

 本年11月17日に開かれた新花巻図書館建設候補地第1回市民会議の資料によれば、花巻商工会議所議員懇談会(R2.12.23)では「駅であれば迷いなく人は来れると思う」、花巻商工会議所役員(R3.3.29)では「花巻市立地適正化計画による都市機能誘導区域内において、花巻市が説明会等で提案する花巻駅東口JR用地周辺を中心とする回答が大半を占めており、その理由として交通の利便性が良いことが挙げられています」とあり、花巻商工会議所のスタンスとしては駅前立地を主張しているように見える。

 

 人間に複数の役割があることは自然であろう。しかし、氏の言う「ジャッジ」を下す立場の市議が、「ジャッジ」を下す前に自身の属しているもう一つの役割、花巻商工会議所の一員として、花巻商工会議所と同一の意見を表明することは、利益相反と言わざるを得ないだろう。「このように利益が衝突している場合、地位が要求する義務を果たすのは難しくなる。」「法令上は規制対象となっていない場合でも、倫理上の問題となる場合があり得る。(ウィキペディア)。利益相反の中では、市議という地位が要求する義務を果たすことは難しなり、また、倫理上の問題が生ずることだろう。

 

 更に新図書館建設候補地に係る市民会議は、第1回が開かれたばかりであり、今後少なくともあと2回、場合によっては3回開かれることになっており、未だ現在進行形のものである。そもそも市議会を含めた新図書館建設候補地の意思決定に資するものとして開催されているこの市民会議の結論を待たず、「ジャッジ」を下す立場の人間が自分の意思を表明することは、この市民会議の議論に大きな影響を与えることは明らかだろう。

 

 「プロパガンダは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為の事である」(ウィキペディア)―。氏の言動は、かつての日本、ナチスドイツなど独裁国家で行われ、今もそういった国家、組織で行われているが、民主的な議会運営を真っ向から否定する危険なものである。

 

 

《追記―3》~私用文書等毀棄(きき)罪!!??


 今度は「政治カフェファン」を名乗る方から、こんなコメントが…「先生、政治カフェで政治を語る前に、都合の悪いことでもあったのでしょうか?X(旧ツイッター)ではまだ、関連記事が載っていますけど、こっちは大丈夫ですか?」

 

 

 

 

 

《追記―4》~武士道精神!!??

 

 「丘の上の雲」を名乗る方から、以下のようなメールが寄せられた。タクシー運転手のほか、予備自衛官、防災士、日本思春期学会性教育認定講師…高橋議員の活動範囲の広さには目を見張るものがあるが、武士道精神にも通じていたとは?

 

●平成29年度 花巻市市民団体等活動支援事業一覧。「武士道サミットin花巻 花巻商工会議所青年部」(会長 高橋 修)271,000 女優松本莉緒氏と㈱めんこいテレビ工藤哲人氏に、新渡戸稲造の武士道精神について対談形式で語っていただき、新渡戸稲造の新たな魅力を再確認した●ブログを読んで、高橋さんのことを調べたら、このような記事がありましたが、武士道精神ですか。補助金ももらったんですね。

 

 

《追記―5》~2地域居住?

 

 「下南米」を名乗る方から、以下のようなメールが寄せられた。「(高橋議員は)土沢駅前に居住実態があるのに、市議会のホームページの議員名簿では小山田の住所というのはもしかして選挙対策ですか?これって裏金ならぬ裏住所(虚偽記載)では?自宅の電話が携帯電話っていうのも何だかよく分からないけど。2地域居住を先取り実践してるのかしら?

 

 

 

《追記―6》~あれっ、本番はないの!!??

 

 新図書館の立地問題に関し、FB上で盛んに自説を主張していた高橋議員が本番(12月6日開会の12月定例会)ではどんな論戦を繰り広げるのか―。市民の期待も大きかったが、一般質問の通告者にその名前はなかった。FBによると、議会初日の日程は「政治カフェ」の開催とのこと。将来、出馬を考えているなど「政治・街づくりに関心のある方は、是非お気軽にどうぞ」と呼びかけている。議員としての倫理性が問われているさ中、ご本人は果たして”正気”なのか。まったくもって「正気の沙汰」ではない。もはや「狂気の沙汰」としか言いようがない。

 

 なお、図書館関連の質問をするのは本舘憲一(はなまき市民クラブ)、伊藤盛幸(緑の風)、久保田彰孝(共産党花巻市議団)の3議員で、いずれも初日の12月9日

 

 

 

《追記―7》~増税地獄の中で!!??

 

 「市政堂」を名乗る方から、以下のようなメールが寄せられた。“開かずの扉”といわれた行政(当局と議会)の闇が今回の“ブログ炎上”をきっかけに少しづつ、その姿を現しつつある。「禍を転じて、福となす」…

 

 高橋議員は市議会の「議員報酬調査検討特別委員会」の委員長もしております。政治カフェなど開催しているようですが、『本当に市民の声を聞いているのか?』『市長のイエスマンになっているのではないか?』と囁かれております。新図書館建設に関しては、旧花巻病院跡地を希望する署名が1万筆以上集まったと聞きました。その病院跡地が比較検討資料では、危険区域がクローズアップされています。

 

 市の土地として安全に活用するための方策を、市側に提言することもなく、病院跡地の危険性だけを訴えているのは、とても残念です。この約1万人の想いを無視し、市民に寄り添う姿勢も見えない中で、議員報酬をあげることの検討は市民の了承を得られるのでしょうか?

 

 

 

《追記―8》~花巻病院問題


 匿名を希望する方から、以下のようなメールが寄せられた。病院問題を失念していた私にとってもハッと気づかされる指摘だった。肝に銘じようと思う。「図書館ばかりか、花巻市唯一の総合花巻病院の内部もたいへんなことになってますよ!ガバナンス体制が確立してないため、私利私欲の管理者の好き勝手に運営されてます。花巻市民の命を守るために花巻市議員の方々、助けてください」

 

 

 

 

 

 

 

「正体見たり」…ついに出ました“ご飯論法”ならぬ、“東大話法”!!??

  • 「正体見たり」…ついに出ました“ご飯論法”ならぬ、“東大話法”!!??

 

 ふるさと納税に関連した「公開質問状」に対し、期限までに応答がなかった件については11月21日付当ブログで触れたが、忘れた頃(26日)になって市長名の1通の封書が届いた。「回答」(以下に掲載)なる文書を一読し、例の「ご飯論法」を真っ先に思い出した。上掲のイラストで示したように「論点ずらし」の典型的な話法として知られる。だが回答文書はもっと、ひねくれているように感じた。そういえば、“東大話法”っていうのもある。東京大学東洋文化研究所の安富歩教授が提唱した用語で、以下のように定義している。

 

 「常に自らを傍観者の立場に置き、自分の論理の欠点は巧みにごまかしつつ、論争相手の弱点を徹底的に攻撃することで、明らかに間違った主張や学説をあたかも正しいものであるかのようにして、その主張を通す論争の技法であり、それを支える思考方法」(要旨)―。今回、私が旧菊池捍邸が賢治寓話『黒ぶだう』の舞台だとする、いわゆる「モデル説」について見解をただしたのは他ならない上田東一市長がこの説に「疑義」を呈しながら、一方でふるさと納税の宣伝に使っている―という「ダブルスタンダード」(二重基準)の是非の一点だけである。

 

 「論点ずらしどころか、何も答えていない」―。東大話法の手にかかると、こんな風になるという典型例だが、議会答弁の際に好んで使う「反問権」の行使もこの話法が土台になっている。その12月定例会は12月6日に開会する。「衣の袖から鎧(よろい)が見える」…反問権の背後には“本音”もちらつくので、外野席にはたまらない。遅ればせながら、上田市長は東大話法の本家本元である「東大法学部」のご出身だった。

 

<回   答>

 

 

 ご存じの通り、現在でも多くの方が宮沢賢治作品を研究し、その成果を新たな説として提唱しているところであり、作品のモデルなどについてもいろいろな説が提唱されているところです。多くの方が宮沢賢治作品を研究することはそれだけ宮沢賢治の世界を豊かにすることであるとも考えられ、それらの説は研究の成果として尊重されるべきところだと考えております。

 

 しかしながら、市として個々の研究の成果についてその当否を判断すべきとは考えていないところであります。実際、増子様以外の研究者の方からも他の方が提唱している説に対し市として賛成または反対をはっきりさせるべきではないかとの意見を頂くこともありますが、市としてはそのような意見は述べていないところです。増子様ご指摘のモデル説についても同様ですので、ご理解を賜りたいと存じます。

 

 

 

 

(写真は「ご飯論法」のイラスト。法政大学の上西充子教授がネーミングのきっかけを作った=インターネット上に公開の画像から)

 

 

 

 

《追記》~市のHPにはこう記されていますけど?

 

 

 「市としてはそのような意見は述べていないところです。」と回答にはありますが、ふるさとチョイスにはこのように書かれています。市として意見を述べていますよね。東大話法であるとともにダブルスタンダードですね」―こんなコメントとHPの記事が送られてきた。これって、ダブルどころかトリプルスタンダードではないのか。

 

 

 

 

 

「アウトソーシング」(外部委託)という闇…兵庫県知事選をめぐる余波が足元にも~図書館立地の市民会議の行方に関心!!??

  • 「アウトソーシング」(外部委託)という闇…兵庫県知事選をめぐる余波が足元にも~図書館立地の市民会議の行方に関心!!??

 

 奇跡的な逆転勝利をおさめた兵庫県の斎藤元彦知事をめぐって、今度は公職選挙法違反(買収)が取り沙汰されるなどその成り行きに全国の注目が集まっている。今回の選挙戦では「SNS」(ソーシャルネットワーキングサービス)を最大限に駆使したことが勝利につながったとされている。この選挙戦略の企画・立案を委託された地元のコンサルタント会社と斎藤知事の間に法を逸脱した“金銭授受”があったかどうかが今後の焦点になる。選挙期間中の買収行為は公選法で禁じられているからである。

 

 一方、「アウトソーシング」(外部委託)という手法は今回のような選挙戦に限らない。むしろ、行政手法としては一般的とも言える。「駅前か病院跡地か」という新花巻図書館をめぐる双方の「比較調査」も外部コンサルタントに委託され、この資料をもとにした「対話型市民会議」の初会合が11月17日に開催された。4時間にも及ぶ長丁場にヘトヘトになりながら、私は目の前の光景に強い憤(いきどお)りを抱いた。

 

 無作為抽出した15歳以上の3,500人の中から参加希望のあった75人で構成されたというのが市側の説明だった。しかし、70歳以上の高齢者はわずか6人で、その「世代偏重」にも何となく恣意(しい)を感じていた。そして、肝心の初日の参加者は10人も少ない65人。たったこれだけの数が全人口90,102人(10月31日現在)の“民意”を反映していると言えるのか。言えるはずがないではないか。一方、「病院跡地」への立地を求める署名は最終的に10,343筆に達したことも明らかになった。まるで「アリバイ」工作みたいな“茶番劇”ではないか、とそう感じたのである。

 

 「この会議は立地場所をどっちかに決めるという場ではない。双方のメリットとデメリットを出し合い、それを集約していくというのが私の役割だ」―。メインファシリテーター(進行役)の山口覚・慶応義塾大学大学院特任教授は冒頭、こうあいさつした。「政策・メディア研究科」という長たらしい肩書を聞きながら、私は腑に落ちない気持ちになった。本来、公平性を担保するために「公募」するはずだったプロポーザル方式は適格者の応募がなかったために不調に終わった。代わって指名されたのが山口教授だった。同大学と当市との間で2018年7月、「地域おこしに関する研究開発の連携協力にかかる覚書」が交わされている。今回の指名はこの、いわゆる「連携協定」を根拠にしたというのが市側の言い分である。「公募」から一転、余りにも安易な選定ではないのか。

 

 「LOCAL&DESIGN株式会社」代表取締役―。山口教授のもうひとつの肩書である。平成22年に福岡市に設立された会社で、HPなどによると都市計画やまちづくりに関連するWS(ワークショップ)やコンサルタント業務など幅広い分野での活動が目立っている。山口教授自身、大手建設会社の勤務経験があり、1級建築士の資格を持っている。また、もう一人の共同経営者は「博多駅前」開発で知られた人物である。山口教授には豊富な知見を活かした進行役を期待したいと思う。今後の日程は12月21日と来年1月26日で、予備日として2月15日が設定されている。

 

 初回の傍聴者は私を含めて15人。停止線の内側に閉じ込められ、写真撮影はわずか1分間。WSの様子もじかに聞き取ることが許されない異様な空間。思わず「まるで、ゲットー(ユダヤ人の強制隔離地区)ではないか」とつぶやいてしまった。市民を排除する”対話型市民会議”とは一体、何であろうか…

 

 

 

 

 

 

(写真は戒厳令下の空気が漂った「対話型市民会議」。たった1分間の写真撮影だったため、若干ピンボケになってしまった=11月17日午後。花巻市のまなび学園で)