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「新図書館」構想⑤ 市長からの回答と”怪文書”騒動…そして「どでびっくり」顛末記

  • 「新図書館」構想⑤ 市長からの回答と”怪文書”騒動…そして「どでびっくり」顛末記
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 「新図書館」構想に関し、2月9日付で花巻市のHP「市長へのメ-ル」を通じて求めていた質問への回答が21日に届いた。以下にその全文を掲載するが、「木で鼻をくくる」―とはこのことかと思わせる。「理念なき図書館構想」を臆面もなく公表する、その内面を垣間見た気がする。今後の対応について、上田東一市長は「参考にすべきとの意見をいただいた場合には、可能な範囲で参考にする」と答えているが、では、今回の私の進言って、「聞くに値しない」ということだったのか。トホホ…。そういえば、この人は不断から「一部の市民とか、一部の議員…」というのが口癖である。自分に同調しない人間は最初から、排除の対象なのであろう。逆にこの人みたいな人物は歴史上、「ファシスト」と呼ばれる。たとえば、ナチスのヒトラ-とか…     

 

 

●新花巻図書館構想に関連し、次の点3点について質問します(2月14日付当ブログ参照)

 

米国・ニュ-ヨ-クには“知の殿堂”と言われる世界最大級の「ニュ-ヨ-ク公共図書館」(NYPL)があります。かの地の勤務経験が長い上田東一市長はこの図書館を訪れた経験はありますか。ある場合は何度ほどですか。

・この図書館の全貌を描いたドキュメンタリ-映画「ニュ-ヨ-ク公共図書館―エクス・リブリス」が巨匠、フレデリック・ワイズマン監督に手によって作品化(2017年)され、日本でも昨年5月に公開されました。「図書館とはどうあるべきか」―という理念が凝縮された3時間25分の超大作です。上田市長はこの映画を観たでしょうか。

・ 実際に当該図書館に足を運び、映画も鑑賞されているとしたら、今回の新花巻図書館構想の中にNYPLの理念がどう生かされ、今後どう反映させるつもりなのか―について回答を求めます。

 

 

●このたびは、市長へのメールをいただきまして、ありがとうございます。令和2年2月9日に御質問をいただきました「新花巻図書館構想」について、回答いたします。

 

 ニュ-ヨ-ク公共図書館は非常に素晴らしい図書館と認識しております。ニュ-ヨ-ク市には、メトロポリタン美術館、メトロポリタンオペラハウス等、数々の優れた施設が多くありますが、花巻市とは都市としての中身が全く違うこと、また参考にすべき図書館の事例は国内にも数多くありますので、花巻市の図書館の構想を今後具体化していく中で、ニュ-ヨ-ク公共図書館の在り方を参考にする予定は現時点においてはございません。しかしながら、花巻市の図書館の在り方については、今後専門家のご助言をいただきながら、また市民の皆様の意見を聞きながら、検討していく予定でありますので、今後ニュ-ヨ-ク公共図書館の在り方で参考にすべきとの意見をいただいた場合には、可能な範囲で参考にすることも検討していきたいと考えております。               

花巻市長 上田 東一

 

 

 

 

 「タイ(魚?)は頭から腐る」、「いや、腐ってもタイだ」…。永田町界隈では国会答弁をめぐって、こんな不毛なやり取りが続いた挙句、安倍晋三首相が国会側に謝罪をするということで一応の決着がついたみたいである。組織が弱体化する際によく使われる諺(ことわざ)だが、今回の回答に見られるように、わが上田ワンマン市長には相変わらず、居丈高な振る舞いを改めようとする姿勢は感じられない。それどころか、「(腐った)イワシの頭も信心から」―とばかりに、上目使いにシッポを振り続ける取り巻きに囲まれ、そのワンマンぶりはますます高じるばかりであるらしい。

 

 そんな折、パワハラなど強権的な上田市政を痛烈に批判する“怪文書”が市役所内部や議会筋に出回っているといううわさを耳にした。ふいに1年ほど前の「加計学園」問題をめぐる騒動を思い出した。当時、「総理のご意向」などと書かれた文書について、菅義偉官房長官は「ある種の怪文書みたいなもの」と切って捨てた。その後、この問題が公文書管理の重要性につながる議論に発展したことは記憶に新しい。足元の“怪文書”騒動が国の二の舞を踏まずに、「怪文書」のままであり続けることを祈るのみである。それにしても、”暴言市長”として名をはせる兵庫県明石市長を彷彿(ほうふつ)させること請け合いである。件(くだん)の明石市長はのちに、怒りを抑制する「アンガ-マネジメント」講習を受けたことを告白している。

 

 

 

(写真は暴風雪警報の発令下、「どでびっくち市・冬の陣」に出現した張りぼてみたいなかまくら=23日午後、花巻市上町の花巻中央広場で。フェイスブック上に公開の写真から)

 

 

 

《追記-1》~こっちの方が“どでびっくり”…その1

 

 「どでびっくり市・冬の陣―飲んで食べて冬の夜を楽しむ銀河の雪まつり」ーと銘打ったイベントが23日、当ブログでもたびたび紹介してきた「人気」(ひとけ&にんき)のない花巻中央広場(2019年9月5日付と同12月18日付当ブログを必読参照)で開催された。上田市長が「中心市街地活性化」の起爆剤と鼻を高くする”無用の長物”である。雪だるまなどの雪像づくりも計画されていたようだが、雪不足のこの冬、うまくことが運んだのかどうか。私は所用があって、足を運ぶことができなかったが、開始の約1時間前の午後1時47分、花巻市は暴風雪警報の発令に伴い、災害対策本部を設置した。主催者にはお気の毒というしかないが、何か疫病神に取りつかれたみたいな不幸な広場ではある。パンデミック(新型コロナウイルスの大流行)の恐怖の中での”どでびっくり”(この地方の方言で、腰が抜けるほどびっくりした)……

 

 

《追記ー2》~こっちの方が”どでびっくり”…その2

 

 追記に掲載した「どでびっくり市・冬の陣」の光景を収めた写真(上掲)をフェイスブック上で発見。今度は本当に腰を抜かしてしまった(つまりは「どでびっくり」してしまった)。かまくらをイメージしたらしい木枠にどこからかトラックで運んできた雪をペタペタと張り付けた「張りぼて」…。中身がスカスカの上田市政そのものではないか。暴風雪警報の発令下、新型コロナウイルスの感染を恐れる親子連れがマスク姿で写っている写真に背筋がゾッとした。市民の安心・安全と口先では言いつつも、その実態は「危機管理などどこ吹く風」といった体(てい)である。上田市政の”負の遺産”から目をそらせようとする底意がミエミエ。さらに、なにがしかの補助金も市から出ているらしい。この人の政治生命はもはや終わっているなぁ。どこまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ。私たちのふるさと「イーハトーブ」は一体、どこに向かおうとしているのだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 

「新図書館」構想④ 裸の王様…で、『つづきの図書館』の方は!?

  • 「新図書館」構想④ 裸の王様…で、『つづきの図書館』の方は!?

 

 「そうか。やっぱり、裸の王様の仕業だったんだ」―。「新図書館」構想をめぐる一連の“騒動”を垣間見ながら、妙に合点がいったのだった。『裸の王様』とは言うまでもなくアンデルセンの名作のひとつで、権力者とそれにこびへつらう人間模様を皮肉的に描いた寓話である。今回の奇怪でグロテスクな構想を思いつくのは恐らく、「聞く耳を持たない」―裸の王様…つまり上田(東一)ワンマン市長しかおるまい、とこう思った次第である。そんな折しも、同じ裸の王様が登場するもう一冊の本のことを思い出した。金色の王冠をかぶっているが、あとは白いパンツだけの文字通りの“はだかの王様”はこうのたまう。

 

 「わしら図書館にいる本は、ほんの一時(いっとき)、借りてくれた人間といっしょじゃ。そのみじかいあいだでも、気にかかる人間はいる。その人間がその後、どうなったか知りたいこともあるんじゃ。一人の人間に一生愛されて、その人間のそばにおいてもらえる本もあるじゃろ。そんな本は幸せじゃ」(『つづきの図書館』)―。作者は当市・花巻出身の童話作家の柏葉幸子さん(66)。「図書館のつづき」ではなく、本の登場人物の側が本を読んでくれた読者の「つづき」を知りたがるという奇想天外な展開である。王様が会いたがっているのは、手術を待つ病院のベットで自分の本を読んでくれ少女の「つづき」の人生である。

 

 四方山(よもやま)市立図書館下町別館―。主人公の「山神桃」さんは現在の花巻市立図書館を思わせるこの別館の司書をしている。「この人のつづきを調べて…」とひょいっと、作品の中から飛び出してくるのは王様のほかに、『おおかみと七ひきの子やぎ』に出てくる狼や、『うりこひめ』に登場する天邪鬼(あまのじゃく)など多士済々。探偵業さながらの人探しを手伝っているうちに、本好きだった桃さんが王様や狼、天邪鬼の力を借りながら、逆に自分の人生の「つづき」を辿りは始めている…。病院に突如、王様があられもない姿で現れたりと、こんな浮き浮きする筋書きを読み進むうちに突然、20年近く前の光景が目の前に広がった。

 

 2002年4月20日―。花巻市文化会館大ホ-ルは立ち見が出るほどの観客であふれ、外には入りきれない人たちの長蛇の列ができていた。会場内では宮崎駿監督のアニメ「千と千尋の神隠し」(ベルリン映画祭金熊賞受賞)が上映されようとしていた。隣接する図書館では映画の上映に合わせて「柏葉幸子童話作品展」が開催されていた。この2年前、42年ぶりにふるさとに戻った私は映画館が姿を消してしまった街のたたずまいに愕然(がくぜん)とした。仲間たちに声をかけ、「花巻に映画の灯を再び」市民の会を結成。その旗揚げ記念に計画したのが宮崎アニメと童話作品展の同時開催だった。

 

 柏葉さんは大学在学中の1947年、『気ちがい通りのリナ』で、第15回講談社児童文学新人賞を受賞。『霧のむこうのふしぎな町』と改題して、2年後に第9回日本児童文学者協会新人賞に輝いた。実は「千と千尋…」はこの童話が下敷きになったアニメである。以前、宮崎監督はこう語っていた。「その頃、『霧のむこう…』という70年代に書かれた児童文学の映画化を検討してみたんです。正直、僕はその話のどこが面白いのか分からなくて、それが悔しくてね。映画化することで、その謎が解けるのではないかと…」(当時のパンフレットから)―

 

 1日3回の上映会は大盛況で終わった。私たち「市民の会」は益金の一部で柏葉作品を買いそろえ、図書館に寄贈した。『ミラクル・ファミリ-』、『地下室からのふしぎな旅』、『ざしきわらし 一太郎の修学旅行』、『モンスタ-・ホテル』シリ-ズ…。第59回小学館児童出版文化大賞を受賞した『つづきの図書館』(2010年)に続き、『岬のマヨイガ』(2016年)で野野間児童文芸賞に輝いた作品など児童図書室にはいま、変幻自在な“柏葉ワ-ルド”が広がっている。作品の登場人物たちが読者たちと交流するという「下町別館」の摩訶不思議な空間…。「裸の王様」ならぬパンツ一丁の“はだかの王様”の仕草に笑いをこらえながら、私は思った。「図書館とは本来、想像力を養う小宇宙なのかもしれない」―と

 

 この日(2月17日)、たまたま「花巻市社会教育委員会議」(議長=石橋恕篤・富士大学教授、委員20人)が開かれ、「新図書館」構想の説明があると聞いて出かけてみた。議会側が特別委員会の設置を決めるなど市民の関心が高まる中、議論が深まることを期待したが、あら不思議。図書館の中身に踏み込む質疑は一切なく、「商業施設的なイメ-ジをあわせ持つ“こじゃれ”な図書館をつくっていただいきたい」―という意見を最後に、石橋議長の「時間も押していますので…」という進行で定刻にシャンシャンのお開きとなった。当局側にお墨付きを与えるだけの“追認機関”の正体見たりとはこのこと―ここにも妙に合点がいったのだった。

 

 最近、上梓された『炎の中の図書館』(ス-ザン・オ-リアン著)は1986年、ロサンゼルス中央図書館が炎上した米国史上最悪の図書館火災の復興過程を描いた力作である。その書評にこんなくだりがある。「図書館は単なる本の集積所ではなく、そこに住む人たちにとっては文化の象徴である。だからこそ、ロサンゼルス市民は自ら行動を起こした。学生は寄付金のため瓶やアルミ缶を集め、近隣住民は本のガレ-ジセ-ルを開催し、2万人以上が『本を救え』エッセ-コンテストに参加した。対立が起きがちだったロサンゼルスの人々だが、図書館への思いで一つにまとまったのだ。それもまた、本の持つ力なのだろう」(2月16日付「岩手日報」読書欄)

 

 当局側とその下請けと化した組織に包囲された感のある「イ-ハト-ブはなまき」としてはもはや、花南振興センタ-での勇気ある女性の”請願駅”発言(2月14日付当ブログ参照)にならい、「住民運動」しか残された道はないのかもしれない。それにしても、ニュ-ヨーク公共図書館やロサンゼルス中央図書館に見られる米国の“底力”には圧倒される。そういえば、わが「裸の王様」は米国のこの二つの巨大都市に住んだ経験がある、と自慢げに話していたっけなぁ…

 

 

 

(写真は柏葉ワ-ルド満載の『つづきの図書館』=インタ-ネット上に公開の写真より)

 

 

 

《追記》~訃報・伊藤清彦さん(2月18日付「岩手日報」)

 

 17日午前2時、急性心臓死のため一関市東山町の自宅で死去、65歳。一関市東山町出身。火葬は20日午前11時から一関市千厩町の千厩斎苑、葬儀は21日午後1時から一関市東山町の安養寺で。喪主は長男綾人(あやと)氏。盛岡市のさわや書店本店店長を務め、「天国の本屋」などのベストセラ-発掘や先駆的ポップ広告で「カリスマ店長」として全国に知られた。岩手日報の大型コラム「いわての風」に11年から執筆。一関市立一関図書館副館長。「新一関図書館整備計画」の委員を歴任、開館翌年の2015年から連続4年間、個人貸出点数の県内公立図書館トップの偉業を成し遂げた。

 

 私は本の目利きとしてつとに有名だった伊藤さんに生前、一度だけお会いしたことがあった。「朝4時に起きて本を開き、毎日、数冊は乱読した」という話に腰を抜かしたことを覚えている。手元にある著書『盛岡さわや―書店奮戦記』のあとがきにこうある。「これは自分の感性が鈍ってしまったのだろうと思っていたら、凄い図書館に出会ってしまった。今年の夏のことである。福島県の南相馬市立中央図書館がそれである。一冊一冊の本が生きているし、棚のジャンル融合などは見事と言うしかない。昔の凄い書店というのは、こうだったよなと教えられた」。いまから10年前の述懐である。「図書館は成長する有機体である」(図書館学の父・インド人学者、ランガナタン)をスローガンに掲げて、2009年12月にオープンした同図書館は「3・11」の影響で一時閉館に追い込まれたが、5ケ月後には再開にこぎつけた。合掌

 

 

 

 

 

 

 

「新図書館」構想③ 住民にも飛び火…議会への批判も

  • 「新図書館」構想③ 住民にも飛び火…議会への批判も

 

 「(新図書館構想に)議会側もびっくりしたということだが、こんな構想を許してしまう議会側こそが当局から下に見られているというか、バカにされているんじゃないのか」―。14日開かれた議員全員協議会(全協)で、図書館問題に関する「特別委員会」の設置を決めたこの日、花南新興センタ-での最後の議会報告会の席上、矛先(ほこさき)が今度は議会側に向けられた。質疑応答の際、特別委員会の設置に至る経緯について、「想定外の構想に議会側も正直、驚いている。今月28日に開催される3月定例会の最終日(3月18日)に、正式に設置を議決したい。図書館はどうあるべきかということに特化した委員会にすることで議員間の合意ができている」と説明があった。

 

 この日の参加者は全部で27人で、矢沢振興センタ-(10日開催)の7倍近い参加者が足を運んだ。今回の新図書館構想への関心も高く、次々に発言を求める手が挙がった。私は図書館の委託調査費が3月定例会で予算計上された場合の対応について、ただした。「当局側はそのような意向だと聞いているが、予算特別委員会もあるのできちんと議論をしたい」と答え、班長の近村晴男議員は「3月定例会は将来を左右する議会運営になりかねない」と決意を口にした。私はかつて想像したことのない光景に若干の興奮を覚えた。そして、マグマが噴出したかのような住民の言葉に耳を傾け続けた。

 

 「議会側はこれまでこの問題にどう取り組んできたのか。図書館は本来、教育委員会の管轄だと思うが、その姿が見えない。市民の声を吸い上げるというが、どんな方法でやるのか」、「新幹線の新花巻駅の設置の時も議会は腰を上げなかった。だから、市民運動の“請願駅”として実現にこぎつけた歴史がある。あの二の舞だけは避けてほしい」(女性)、「3年前に名古屋からUタ-ンしてきたが、医療と福祉の貧困さに驚いている。議員として任期中にこれだけは実現したいという“やる気”を見せてほしい。何年間も議員を続けている人がいる割には使命感というか、志が見えてこない」、「私が以前住んでいた愛知の安城市では議員を囲むような車座方式で報告会をやっていた。今日のような議員と対峙するようなやり方では距離感を感じてしまう」、「パソコンで議会中継を見るが、議員全員の顔を写すことはない。たまには議場の中の議員の顔も拝見したい。傍聴席が狭く、行きたいと思っても苦渋を強いられてしまう」(女性)…。時折、参加者の間から、拍手さえわき起こった。

 

 ひょっとしたら、この日は首長や議員に対する実質的な「リコ-ル(解職)」宣言の節目の日ではなかったのか―。ふと、そんな気にさせられた。全協のあと、現図書館の閲覧室の写真の撮影に訪れた際、女性の司書たちに特別委員会設置の報告した。何を勘違いしたのか、「ありがとうございました」と言われた。その中の一人がニッコリとほほ笑んだ。「私、ニュ-ヨ-ク公共図書館を観ました。あんな図書館がほしい」―。冒頭の辛口発言を含め、報告会で勇気ある発言をした二人の女性、そして図書館への夢を語る司書たち…。女性たちの感性の豊かさにほっこりさせられた不思議な一日だった。

 

 

 

(写真は熱気に包まれた議会報告会=14日午後、花巻市南城の花南振興センタ-で)

「新図書館」構想② 集中砲火!!…議会内に特別委員会の設置へ

  • 「新図書館」構想② 集中砲火!!…議会内に特別委員会の設置へ

 

 「これほどまでに議会はなめられているのか、あるいはひょっとして“敵前逃亡”ではあるまいか」―。「新図書館」構想(2月11日付当ブログ、あるいは花巻市のHP上に公開の議員説明会や記者会見資料などを参照)をめぐる花巻市議会の議員全員協議会(全協)は14日、こんな異様な光景で幕を開けた。今回の構想の最終的な立案責任者である上田東一市長の姿はなく、国から出向している長井謙副市長や担当部課長が神妙な表情で目の前に座っていた。「規則上は副市長以下の出席になっているが、これだけ問題が山積している懸案事項を部下任せで良いのか。他の公務を変更してでも市長自らが説明すべきではないのか」―。ある議員のこの発言をきっかけに当局に対する“集中砲火”が始まった。

 

 「議会に対する事前説明もなく、いきなり図書館の姿がまったく見えてこない構想案が降ってわいた。信じられないほどの議会軽視だ」、「市民参画の手法が完全に無視されている。これから市民への説明をするというが、単なるアリバイづくりではないのか」。「最初から“複合施設”ありきの計画。図書館のコンセプト(理念)のかけらもない」…。冒頭のあいさつもなく、長井副市長は座りっぱなしで、矢面に立った担当の市川清志・生涯学習部長は先月29日に行われた、質疑応答を含む記者会見資料をただ、棒読みするだけ。議員たちのボルテ-ジも次第に上がってきた。「頭(顔?首?)を洗って、出直した方が良い」、「このままではとても容認できない。いったん、構想自体を白紙に戻すべきではないか」、「『新花巻図書館』などという枕を外して、単なる複合施設整備事業構想の方がすっきりする」―

 

 「この際、議会内に図書館のあり方を検討する特別委員会の設置を提案したい」―。約1時間半にわたった全協の閉会間際にある議員が緊急動議を提出した。小原雅道議長が全員に諮った。「委員会の設置に反対の人はいませんか。いないようですので…」―。全員が賛成して、特別委員会の設置が決まった。私は刮目(かつもく)しながら、目の前の光景に目を凝らした。上田ワンマン体制に対してやっと、「ノ-」が突きつけられた瞬間ではないか、とそんな思いがした。私の2期8年間の議員生活ではついぞ、見かけることのなかった場面だったからである。そして、議員本来の姿を取り戻したことを素直に喜びたい気持ちになった。ところで、私はHP上に公開の「市長へのメ-ル」に2月9日付で以下のような投稿をした。本日(14日)現在、「なしのつぶて」である。

 

 

《新花巻図書館構想に関連し、次の3点について質問します》

 

●米国・ニュ-ヨ-クには“知の殿堂”と言われる世界最大級の「ニュ-ヨ-ク公共図書館」(NYPL)があります。かの地の勤務経験が長い上田東一市長はこの図書館を訪れた経験はありますか。ある場合は何度ほどですか。

この図書館の全貌を描いたドキュメンタリ-映画「ニュ-ヨ-ク公共図書館―エクス・リブリス」が巨匠、フレデリック・ワイズマン監督に手によって作品化(2017年)され、日本でも昨年5月に公開されました。「図書館とはどうあるべきか」―という理念が凝縮された3時間25分の超大作です。上田市長をこの映画を観たでしょうか。

●実際に当該図書館に足を運び、映画も鑑賞されているとしたら、今回の新花巻図書館構想の中にNYPLの理念がどう生かされ、今後どう反映させるつもりなのか―について回答を求めます。

 

 

 

(写真は10人も座ればいっぱいになってしまう現図書館の閲覧スペ-ス。ところが、今回の「新図書館」構想ではこうしたソフト面には一切、触れられていない=花巻市若葉町の現花巻市立図書館で)

 

 

「新図書館」構想① 全協開催へ…議員側にも異論噴出!?

  • 「新図書館」構想① 全協開催へ…議員側にも異論噴出!?

 

 「骨抜き」、「想定外」、「議会軽視」…。花巻市当局が公表した「新花巻図書館複合施設整備事業」構想(2月6日付当ブログ参照)をめぐって、議会側から激しい異論や不信の声が挙がっている。このため、今回の構想が練られた経緯やその内容について、当局側の真意をただすため、今月14日に議員全員協議会(全協)が開催されることになった。10日から始まった「議会報告会」(市民と議会との懇談会)でもこの問題に議論が集中し、トップダウンの市政運営にも批判が集まった。

 

 矢沢振興センタ-で開かれた議会報告会には図書館問題などを管轄する「文教福祉常任委員会」の本舘憲一委員長など6人の議員が出席した。市民の参加者はわずか4人と少なかったが、その分、新図書館をめぐる質疑に時間が割かれた。私はまず、昨年秋の議会報告会の席上、当局任せにするのではなく、議会としても独自の“青写真”(対案)を示すべきではないか―という観点から「(図書館)特別委員会」の設置を提案。その後の対応について、ただした。これに対し、本舘委員長は「その趣旨については各議員に伝えたが、具体的な議論までには至らず、宙に浮いた形になっていた。議会として今後、しっかりと向き合っていきたい」と答え、さらに語気を強めながら、こう続けた。

 

 「肝心の図書館の役割や機能については、一切触れられておらず、基本計画の策定さえも不透明な状態だ。まさに、“骨抜き”構想と言わざるを得ない。この点では議会運営委員会でも認識は一致している。特別委員会の設置も視野に入れながら、市民目線に立った図書館建設を目指していきたい」―。また、報告会を締めくくった若柳良明議員も「まったく想定外の構想に驚いている。議会の真価が問われる事態なので、徹底的に議論を詰めていきたい」と語った。

 

 今回の不動産物件まがいの新図書館構想は別の意味で、その突出ぶりが注目を集めている。国立国会図書館が運営する「図書館に関する情報ポ-タルサイト」には世界各地の図書館情報が集められており、当市の事例は1月30日付で紹介されている。この前後にざっと目を通すと―。

 

 

●町田市立中央図書館(東京都)~中高生向け「TEEN LIBRARY」をオ-プン。カフェをイメージした空間(1月16日付)

 ●中津市立小幡記念図書館(大分県)~妊婦や赤ちゃん連れの利用者がゆっくり座れることのできる「マタニティコ-ナ-」を設置(1月27日付)

 ●山形県立図書館、リニュ-アルオ-プン~対面朗読室、アクティブラ-ニングル-ム、ビジネス支援コ-ナ-などの設置(2月3日付)

 ●千葉市図書館~ビジョン2040(案)へのパブリックコメントの手続きを実施へ(2月6日付)

●龍ケ崎市立中央図書館(茨城県)~公共施設再編成の市民フォ-ラム「ワカモノ×図書館 みんなで考えよう これからの公共施設」―を開催。若者目線で考えた同館の有効活用のアイデアを発表(2月7日付)

 

 

 「新千葉県立図書館等複合施設基本計画」―。昨年8月、千葉県と県教委によって策定されたこの計画がひょっとして、当市の構想に類似しているかもしれないと思って調べてみたが、複合化とは文書館(ア-カイブ)と図書館との連結を意味し、その基本理念にはこうあった。「新たな知の拠点は、千葉県の有する様々な文化情報資源とそれを取り扱う専門的スキルを有する人々が集まり、県民の豊かな知的活動の基盤、知的生産の象徴となるような拠点と なることを目指します」。似て非なるものーとはこのことを指す。しかも、当市の構想策定に当たっては市教委は”蚊帳の外”に置かれたままだった。

 

 このポ-タルサイトの図書館情報はそのほとんどがソフト面に関わる内容である。それだけに「仏作って、魂入れず」という当市の奇怪な図書館像が余計に目立ってくる。皮肉れば、「集合住宅附属図書館」という過去に例を見ない”画期的”な試みになるやもしれない。「不動産業」としての図書館経営という意味で…。今後の動きから目を離せない所以(ゆえん)である。

 

 

 

(写真はたった4人しか集まらなかった議会報告会。逆に図書館論議は深まった=2月10日午後、花巻市の矢沢振興センタ-で)