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うわぁー、SLだ!

  • うわぁー、SLだ!

 9月8日から「長井線を走った蒸気機関車展」を開催している。ある日、「うわぁー、SLだ!」と元気な声が聞こえたかと思うと、駅茶に5歳ぐらいの男の子が飛び込んで来た。遅れてきたお父さんに聞くと、SLが大好きなのだという。男の子は写真を見ながら、「ここにもSLが走っていたんだ。」と歓声を上げた。

 

 ふと機関士服を提供してくれた山形市のKさんのことを思い出した。Kさんは長井線で蒸気機関車を運転していたという。ここにKさんがいたら、この男の子にどんな話をしてくれるのだろうか。静かな語り口のKさんに、目を輝かせながら聞いている姿が目に浮かんだ。

 

 写真などで当時の様子を伝えることはできるかもしれない。けれども、その当時の人々の思いを伝えることは難しいものだ。もっといろんな話を聞いておけばよかったと思う。

 

 

 

【おらだの会】写真は佐久間信人氏提供。Kさんの機関士服はこちらから

 → 成田駅の宝物(28) 国鉄時代の機関士服:おらだの会 (samidare.jp)

2023.09.21:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

あの時の運転士の話

  • あの時の運転士の話

 特別な思い入れのある西大塚駅。来年で110歳を迎える。両親の実家の最寄り駅ということもあり、特別な思い入れのある駅。幼少期の頃に乗り降りした記憶がよみがえる。

 

 ある日のこと。運転士横に立ち、ずっと線路を見つめる高齢の男性。聞けば、数十年ぶりの長井線だという。戦時疎開の時に、赤湯から西大塚駅まで線路を歩いて以来だという。松川橋の上を歩いた話も聞いた。

 

 列車が西大塚駅に着いた時、そのお客様は涙を流していた。そのお客様の言葉が、今でも忘れられない。「駅舎があのときのままで良かった。ありがとう」

 

 

【おらだの会】ある運転士から聞いた話である。今年は全線開業100年であり、来年は長井駅までの開業110年になる。それぞれの思いを受け止めながら、子や孫たちに楽しい想い出の種を伝えていきたいものだ。

2023.09.17:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

デデンコデンデン、お獅子様がやって来る

  • デデンコデンデン、お獅子様がやって来る

 成田八幡神社の秋の例大祭がいよいよ明日から始まる。コロナが5類に移行して初めての秋の例大祭となる。今年は、祭りに帰省する家族や親戚も多いようである。久しぶりに集まった懐かしい顔を見て、想い出話に花が咲くことであろう。祭りは昔も今も故郷と都会、幼友達や子、孫とをつなぐもののようである。

 

 成田駅前に獅子が到着するのは、10日(日)午後6時頃の予定である。おらだの会も、駅前で御神酒を奉献する予定である。ひと時、成田の村人となって、一緒にお祓い(御信心)をしてもらってはどうだろう。

 → ご信心!!:山形鉄道 おらだの会 (samidare.jp)

 

 

【おらだの会】写真は、2012年に実施した「写真撮りツアー」時の佐々木さんの作品です。

2023.09.08:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

無人駅の善意の花

  • 無人駅の善意の花
  • 無人駅の善意の花

 親戚へのお盆礼の帰り道、飯豊町のJR萩生駅に回ってみた。駅の正面には「九里学園」と明記されたフラワーポットが3つ。厳しい暑さの中で、ベゴニアの花が元気に花を咲かせていた。中に入ると1坪ほどの小さな待合室だった。ホームにつながるサッシ戸にはコンパネが無造作に張り付けられていた。昨年8月の豪雨以来、この状態が続いていたのであろうか。

 

 壁には、「萩生駅愛護会主催JR利用者拡大イベント」とタイトル文字が付けられた写真と共に、昭和62年8月の日付のある「萩生駅献額川柳」の額が2面飾られていた。川柳にはそれぞれの時代の駅と人々の記憶が詠まれていた。

 老兵の脳裡歓呼の声の駅/青雲の大志ホームの母に翔ぶ

 傷心の鳩へやさしい村の駅/無人駅善意の花が語りかけ

 

 振り返ると駅前に代行バスが進入し、高校生が一人バスに乗り込むのが見えた。この駅は昭和62年8月で時間が止まったままで、その歴史を閉じるのではないだろうかとの思いが頭をよぎった。無人駅の善意の花は、いつまで花を咲かせてくれるのだろうか。

2023.08.27:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]

もっちぃを忘れない

  • もっちぃを忘れない

 もっちぃのお別れ会が、7月30日(日)午前11時半から宮内駅で執り行われることとなった。最後のお別れに、全国のもっちぃファンが駆けつけてくれることだろう。おらだの会も、せめてもっちぃに感謝の気持ちを届けたいと思い、メッセージボードを作った。現在、写真展を行っているakaiwano higumaさんの作品を使わせてもらった。

 

 漫画「いなかの白兎」を掲載しながら、もっちぃは葉山の峰に修験者を導いた白兎の生まれ変わりではないか、などと妄想したものであった。いなかの白兎は子宝に恵まれ、そのうちの3匹は熊野大社で神の使いとなった。そのうちの1匹は長井線に乗るのが楽しみで、時々、熊野大社を抜け出して遊ぶようになった。ある日、山形鉄道の経営難を聞いた白兎は、宮内駅長となって働くことを決意したのであった。開業100年を無事に迎えたことを確認して、白兎は静かに息を引き取ったというものである。

 

 もっちぃは、山形鉄道にとっては救世主ともいえる存在だったと思う。次の100年に向けての歩みを進めるためにも、もっちぃ駅長のことは忘れてはならないと思う。全国のもっちぃファンと共に、私たちの感謝の思いをしっかり伝えていきたいものだ。

 

 

 

【おらだの会】2011年にもっちぃ駅長と一緒にお花見をやった際の写真が残っていた。すでに故人となった方もおられる。もっちぃのこと、みんなのことをいつまでも忘れない。

→ 停車場ノート ⑪ 長井・成田駅の皆さんに恩返しを :山形鉄道 おらだの会 (samidare.jp)

 

2023.07.28:orada3:コメント(0):[駅茶こぼれ話]