小原市政下における初めての「市長との対話」が16日に開かれ、私は懸案の新花巻図書館について、事前に提出した別添資料(下記)に基づいて質問した。足かけ10年以上にわたった大プロジェクトの対話時間はわずか10分程度。実りのある対話は到底望めないと考え、前もって論点整理の資料を手渡していた。前市政下では当初、「病院跡地」を立地の第1候補に挙げていたにもかかわらず、その後「駅前立地」にシフトした経緯については最後まで当時の首長による説明はなかった。さらに、この立地に最終的に“お墨付け”を与えたとされる対話型「市民会議」もそもそも最初から、構成要件を満たしていなかった―など不透明な部分が多かった。
私の質問に対し、小原勝市長は概略、以下のように答えた。「駅前立地に至る経緯については担当部局(図書館整備室)から説明を受け、まちづくりの観点からも納得できた。ただ、“賢治色”をいかに打ち出すのかという点ではまだまだ、工夫が必要だと思う。市民の方々の知恵をお貸し願いたい」
一方で、①の民意の認識については「単なる数字の比較は選挙の世論調査でも分かるように必ずしも正確ではない」と的外れの強弁をした。そう言えば、前市長も「病院跡地」への立地を求める署名運動について、”捏造”(ねつぞう)をほのめかす発言をしたことがあった。「市民と創(つく)る/羽ばたく花巻」―。選挙カーの訴えが何とも空々しい。ある意味で、根っ子が同じの”暴言”そのものである。さらに、⑤の菊池雄星投手の名誉館長の件については「とても良いアイディアだと思うが、相手があることだから…」と言葉を濁した。③と④について時間切れで、割愛(かつあい)せざるを得なかった。
「もう、時間ですから…」―。ストップウォッチを手にした職員から再三、対話の打ち切りを促された。あまりの執拗(しつよう)さに「強制排除でもするつもりなのか」と毒づく事態に。「市民一丸」(市長の選挙公約)のこれが正体だった。真っ黒けの”のり弁”(開示文書)しかり。まるで、選挙”詐欺”そのものではないか。
「新図書館」問題も大きな争点にひとつになるであろう次期市議選は7月19日告示、同26日投開票の日程で行われる。この“夏の陣”には定数(26)を大幅に上回る候補者が名乗りを上げるとみられ、かつてない激戦が予想される。現在、“駅前図書館”を前提とした設計業務が進められているが、40億超円とも言われる巨額な予算を伴う本体工事の着工は2028(令和10)年度にスタートする。後戻りができない最終ゴールに向けた議論は新体制下の議会側に委ねられることになり、有権者の関心も選挙の行方に向けられている。
「今後のまちづくりに生かしてほしい」―。私は対話の終了に際し、劇作家で演出家の平田オリザさんの最新刊『寂しさへの処方箋―芸術は社会的孤立を救うか』(集英社新書)を贈った。オリザさんは「芸術・文化・観光」をまちづくりの基底に据えており、現在は「兵庫県立芸術文化観光専門職大学」(豊岡市)の学長の地位にある。前著の『但馬日記―演劇は町を変えたか』の中にはこう書いている。「賢治の思いが、100年の時を経たいまよみがえる。熱すぎない、冷たすぎない、その中間に芸術や文化を置いたまちづくりが求められている」
ところで、私は前市長が就任した際も「まちづくりの一助に…」と『ドウリズムの政治』(北山郁子著、2010年)と題する本を贈った。市政運営の要(かなめ)に「道理」を掲げ、旧花巻町長を2期務めた北山愛郎(1905年~2002年)の足跡を辿った内容で、愛娘の郁子さんがまとめた。国政に転じた北山は社会党(当時)の副委員長まで上り詰めたが、足元の前市長は「無理が通れば、道理が引っ込む」―をまさに、その通りに実行した「3期12年」を置き土産に去っていった。
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一方、「旧花巻病院跡地」への立地を求める市民の署名数は市側が精査した結果、6,181筆に上った。「42VS6,181」というこの数字の開きをどうとらえるのか。再検証の結果を踏まえたうえで、この「民意」について改めてどう認識したか。
2)設計業務に当たる「昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所共同企業体」との業務委託契約書(令和8年1月7日付)によると、「花巻らしい図書館として、宮沢賢治専用スペースの設置」や「(例えば、JR花巻駅東西自由通路など)現在計画中の周辺施設との調和を考慮し…」という条件が付与されている。しかし、現段階のプレゼン資料によると、こうした条件が満たされているとは思えない。
又三郎シャフトや星めぐり回廊など賢治を意識した設計の工夫は見られるものの、やはり牽強付会(けんきょうふかい)―“つまみ食い”(パッチワーク)のそしりは免れない。銀河宇宙という賢治の無限空間をビル群に囲まれた狭隘な立地環境の中で演出できると市側は考えているのか―。図書館と賢治との親和性についての認識を含め、改めて見解をお聞きしたい。
3)当市は「イーハトーブはなまき」の実現を将来都市像に掲げ、「賢治まちづくり課」を設置している。しかし、イベント偏重やふるさと納税の広告塔としての側面だけが目立つ。市民に根付いた「賢治」のまちづくりのイメージをどう描いているのか。また、市長自身の「図書館像」についても聞かせていただきたい。
4)市長は県職員時代、「文化スポーツ部長」を歴任した“文武両道”の使い手としても知られている。一方、当市を東西につなぐ駅橋上化事業が新年度からスタートした。この東西自由通路を分岐点とし、西地区は「スポーツ・運動・観光」ゾーン、東地区は「芸術・文化・教育」ゾーンときちんと棲(す)み分けることによって、このまちの輝かしい未来が約束されるのではないか。「将来都市像」と合わせて、考えを伺う。
5)市議会3月定例会での質疑で「大リーガーの菊池雄星投手を新図書館の名誉館長に」という提言があり、市長も前向きの回答をした。文字通り、文武両道を地で行くこの話題は市民の間でも持ちきりとなっている。市長の熱い思いを改めて、聞かせてほしい。
(写真は献本したオリザ本)
≪追記ー1≫~市民一丸!?こんな記事を発見した!!??
●「新興跡地」の処理もよろしく●
岩手県土整備部は10日、東日本大震災の復興道路として整備する三陸沿岸道路(仙台市-青森県八戸市、約359キロ)のルート上にある、釜石市内の住宅などを強制収用する行政代執行を実施した。国土交通省南三陸国道事務所によると、復興道路事業で代執行を行うのは初めて。土地約1500平方メートル、住宅と倉庫(計75平方メートル)などで、土地はここに暮らす80代男性が、住宅などは市内の別の場所に暮らす90代女性が所有する。
この日午前8時15分すぎから、自主的退去と貴重品などの持ち出しを促したが男性が応じなかったため同8時半、小原勝・県土整備部副部長が代執行開始を宣言した。同事務所や県警、釜石消防署の担当者らが同市大町に用意した市営住宅に移るよう、男性を説得。「帰れ」などと応じなかったため、土地や住宅の測量と動産撤去を始めた。11日も説得と撤去を続け、近く男性の保護と建物の解体をする予定(2018年7月11日付「毎日新聞」)
≪追記ー2≫~仮面舞踏会
「市政堂」を名乗る方から、以下のような市政批判の辛らつなコメントが送られてきた。期待感の裏返しなのか。「一見、人柄の良さそうな温厚なお顔。もうひとつのお顔があったということか?恐ろしや~。花巻市民はまんまと騙されちまったってことか…」
≪追記ー3≫~「役重」発言を早急に実行せよ!!??
新図書館の「駅前立地」を法的に議決・承認した花巻市教育委員会議定例会(2025年5月19日開催)の席上、役重真喜子委員(当時=岩手県立大学総合政策学部准教授)は市長や議会側の責任を鋭く追及し、以下のように述べた。これについて、前市長とそれを引き継いだ小原勝現市長はその説明責任を回避し続けている。政治の“暴力”を許してならない。私が図書館“疑獄”と呼ぶゆえんである。
「私はやはりJRの駅前構想というのが市民にとっては突然という形で、市長から発表 され、そのあたりからですね、非常に混乱してきたということですので、首長も含めてですが、政治としての議会も含めて、私は非常に極めてその責任は重いと思っていると言わざるを得ないです。ですので、議会でこれをしっかり透明な場所で議論をして、最終的に良い合意形成をしてほしいと思います。かつ市長と議会が今、なぜここなのか、どういうプロセスを経てここなのか。やはり市民の前に出て自分の言葉で説明をしていただきたいと思います。そうしていただくということ、そしてその市民の理解を得ていただくということを前提条件として私自身は決議をしたいと思います」(会議録から、要旨)





