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桜を愛でて彼の人を想う

  • 桜を愛でて彼の人を想う

 いよいよ明日は長井線全線開通100周年。楽しいイベントが多彩に繰り広げられることと思います。成田駅では22日の午前10時から「広田泉写真展 ~~ 昨日の一歩。明日の一歩 」がスタートします。午後4時までとなりますのでご注意ください。

 

 23日は午前9時半から『泉の桜記念植樹』、10時から写真展開場、11時から米屋こうじさんのトークショーが行われます。会場が狭いこともあり、ご来場の皆様にはご不便をおかけすることになるかと思いますが、ご理解賜りますようお願いいたします。またトークショー終了後、広田さんと縁の深かった皆さんで「偲ぶ会」を行います。関係者限定の会ですが、懇談をご希望の方は受付にお申し出ください。

 

 100年前も、村人は今日のように満開の桜とともに祝ったのでしょうか。そして、酒を酌み交わした友を想いながら100年の歳月を重ねてきたのでしょうか。桜を愛でて彼の人を想う・・・。

 

 

【おらだの会】写真は、平成29年のお花見会の様子です。

       写真展はこちらから → 広田泉写真展を開催します:おらだの会 (samidare.jp)

2023.04.21:orada3:コメント(0):[イベント情報]

羽前成田駅桜情報

  • 羽前成田駅桜情報
  • 羽前成田駅桜情報

羽前成田駅の桜情報をお伝えします。

染井吉野は先日の強風で散ってしまいましたが、枝垂れ桜は満開で最高の見頃です。

そして薄黄緑色が上品な鬱金(ウコン)桜が、ようやく咲き始めました。

濃いピンクが美しい関山はまだ蕾です。

今週末までは十分楽しめるようです。

北側の十月桜と椿も頑張って咲いています。どうぞご覧ください。

2023.04.19:orada3:コメント(0):[停車場風景]

広田泉伝[10] 写真家・広田泉 ~ 俳句のような

  • 広田泉伝[10] 写真家・広田泉 ~ 俳句のような

 広田さんが私たちに残してくれた作品が数点ある。一つは荒砥駅車庫の奥にある廃車となったYRである。広田さんは「写真は切り取るんじゃない、えぐり取るんだ」と教えてくれたことがあった。この写真はまさにえぐり取られた空に、YRが今にも飛び立ちそうに見える。私たちがコロナ禍にあって活動に悩んだ時に眺めた作品である。なぜこの作品に入り込むのだろうか。

 2021年11月にパリで開催された広田泉さんの個展に対して書かれた評(La vie du Rail 2022年4月号)が、広田さんのFBに掲載されているので一部を紹介しながら、改めて鉄道写真家・広田泉の作品を観てみたい。あくまでも私的な感想として理解して欲しい。

 

■1秒の光を捉える

自分の選んだ場所にて延々と時間をかけて影と光の表現方法を探し出す。常に遊び心のある画角と逆光を好む。こうして彼の作品は一般的な細部や質感をしっかり見せるような鉄道写真とは違ったものに仕上がっていく。広田泉は詩的な要素を取り入れるのを忘れない。

 

俳句のような写真

広田泉の写真は俳句のようでもある。俳句とは日本独特の短い詩で、即時性とその瞬間を捉えつつもまた長い余韻を残す芸術でもある。著名な日本の歌人といえば17世紀に活動した松尾芭蕉である。俳句には私たちの感性に溢れる普遍の永遠と一呼吸のような瞬時に失われる儚いものが同時に含まれていなければならない芸術である。広田泉の多くの作品にはこの永遠と短詠の二分法が見受けられる。

 

 まさしく上の写真は雲と光と風の一瞬をとらえているように思える。そして「夢は枯野を駆け巡る」ではないが、YRが「夢は諦めない」とでも語っているような詩的な構図になっている。そこには儚いものと永遠なるものが同調し、見る者の心をとらえて離さないではないだろうか。

 

 

 先の専門誌はさらに「写真家とは普通の人々よりももっともっと強い視線で観察するのが仕事である。自分の中にいつまでも子供のような、外の世界に初めて足を踏み入れた旅人のような目線で世界を見続けねばならない。こうした常にわくわくとした憧れの目線と強い生命力が広田泉の活動源となっている。」と続けている。

 

「成田駅界隈探検」と名付けられた4枚の作品がある。日常の暮らしの中にある美しさや感動を写真と短文によって表現している。写真家であり旅人である広田さんが、地域に生きる者に対して、日常を見る「視点」を提示しているように思える。人々に夢と希望を与えて去っていくその姿は、『来訪神』のようにも思えるのだ。

 

 成田駅界隈探検の作品はこちらからどうぞ

 → 成田界隈探検 曲がったことが大嫌い:おらだの会 (samidare.jp)

 → 成田界隈探検 「低っ!」:おらだの会 (samidare.jp)

 → 成田界隈探検 いつもの:おらだの会 (samidare.jp)

 → 成田界隈探検 一年を四つに分けるなんて:おらだの会 (samidare.jp)

 

 

 最後に広田さんのYouTube「本当の応援とは」をご案内して、『広田泉写真展 ~ 昨日の一歩。明日の一歩』のプレイベント『来訪神 広田泉伝』を終了とさせていただきます。お付き合いいただきありがとうございました。

 → 【写真で応援!】本当の応援とは?山形鉄道フラワー長井線 羽前成田駅 - YouTube

 

2023.04.17:orada3:コメント(0):[がんばるニャンズ]

広田泉伝[9]  ここから始まるRd2 2021年10月

  • 広田泉伝[9]  ここから始まるRd2 2021年10月

 2020年5月の診断結果を受けてからも広田さんは走り続ける。同年8月いすみ鉄道大多喜駅での写真展に続いて、10月24日からは羽前成田駅でRound2が行われた。2021年12月のフランス・パリでの写真展に向けてのスタートを切ることになる。会場に掲出された広田さんのメッセージを紹介したい。

 

 

 パリに向けて国内でも幾つかの写真展を考えています。つまり長期戦という訳です。…略…。奇しくも2011年に発売した写真集「ここから始まる―Just starting-」と同じタイトルとなりましたが、自分の人生はいつもこんな感じなんだなぁと改めて気づかされました。

 さてさて「ここから始まるシリーズ」の写真展。第一歩目は、いすみ鉄道の大多喜駅。そして今回二歩目となる山形鉄道の羽前成田駅。来年は岩手県の雫石町で開催予定です。…略…。その他にも候補が幾つか。一緒に歩んでいけたら幸いです。

2020年10月24日 広田泉

 

 

 広田さんを慕う人々が全国各地から駆け付けた。駅舎のライトアップに加えて和傘のライトアップもお披露目された。コロナ禍のあいにくの天候の中で、駐輪場での芋煮会も懐かしい。イベントの度毎に映した集合写真もこれが最後となった。それにしても「一緒に歩んでいけたら幸いです」の言葉が辛すぎる。

2023.04.16:orada3:コメント(0):[がんばるニャンズ]

広田泉伝[8] 高校生との交流 2017年から

  • 広田泉伝[8] 高校生との交流 2017年から

 三駅合同写真展に続いて広田さんが準備したのは、123の会のわたなべひろしさんと根本陽一さんの「和洋折衷展」であった。2017年4月22日から30日までであったが、その展示会に長井高校写真部の生徒を招待した。おらだの会にとっては、地元高校との連携を目指す最初の取り組みである。高校生に対してお二人は、「今のあなた方が撮りたいものを撮ればいい。今のあなた方は今しかないのだから。好きなものを追求してください。」と語り、聞いていた私たちの胸にも響いたことを思い出します。広田さんにも機会を作っては指導していただいた。長井高校写真部はその年の長井線祭りに第1回の写真部展「物語のある風景」を行ってくれた。同部にとっては初めての校外展となった。

 この年は地元新聞にも取り上げられ、さらにはNHKの「小さな旅」でも紹介された。あの子たちも2023年3月で大学を卒業しているはずである。生徒たちと関わった123の会の方からは、「あの子たちに会ってみたいなあ」という声が聞かれる。

 広田さんは2018年6月29日のFBで、「本当の応援とは地元の人たちが自立していける基盤をつくることだ」との趣旨に続けて書いていた。「羽前成田界隈は、もう大丈夫。高校生とおじいちゃんたちが語り合う姿を見て嬉しく思いました。あくまでも地元中心。それを影で支えるっていうことを常に考えながら今後も活動していきたいと思います。」と。

  → 第11話 青春列車~長井線物語(南長井駅にて):おらだの会 (samidare.jp)

2023.04.15:orada3:コメント(0):[がんばるニャンズ]