今年も師走となりました。この時期になると、街のあちらこちらにイルミネーションが飾られ、華やいだ気分になります。長井線でも荒砥駅に続いて四季の郷駅のイルミネーションが点灯されたようです。羽前成田駅も13日に設置しようと準備中です。四季の郷駅のような綺麗で素敵なイルミネーションではありませんが、コロナ禍で辛かった一年だったから、最後の締めくくりは明るく温かい光に包まれたいものです。
鬼滅のSLは96の前任車
11月15日の地元紙に、山形市にある8600型の機関車が鬼滅の刃の無限列車のモデルであることが紹介されていました。この86型はキュウロクとして馴染み深い96型機関車の前任車として、米坂線を走っていたことが書かれていました。
飯豊町の「中ノ目の歴史散歩(平成27年3月発刊)」によれば、米坂東線(今泉~手ノ子間)開業の1931年(昭和6年)8月には、マッチ箱と呼ばれる豆機関車が走り、その後86型SLに変わった。さらに1936年(昭和11年)米坂線全通後は、96型SL機関車に変わったと記述されています。
米坂線に登場した豆機関車は600型だったのでしょうか。そして米坂線を走った86型は長井線も走ったのでしょうか。新聞記事のおかげで、歴史ロマンに遊ぶひと時でした。
長井線を走った600型機関車の記事はこちら
エンディングは 荒砥駅のセーラさん
10月10日からスタートした「長井線応援キャンペーン」も、11月8日、最終日を迎えました。各駅には万国旗が飾られ、フラワー長井線の開業記念日にあたる10月25日には、荒砥高校、長井工業高校、南陽高校の生徒たちにエールを送られながら、ヘッドマーク列車が走行しました。また、幼稚園児のぬり絵が各駅に飾られました。今までのような華やかさや、賑やかさはなかったけれど、改めて「フラワー長井線を考えてみようよ」というきっかけになったように思います。
キャンペーンの最後は、荒砥駅のセーラさんに登場してもらいます。長井線は2023年4月で全線開通100周年を迎えます。セーラさんの笑顔に負けないように、私たちも笑顔で長井線を応援していきましょう。
【おらだの会からのお知らせ】 長井高校写真部展も本日をもって終了となりますが、生徒さんのもっと素晴らしい作品を見ることができます。場所は「文教の杜ながい」の長沼孝三彫塑館で、12月27日までです。長沼孝三さんの作品に相応しい長井の風景写真を制作するものです。長沼孝三さんの作品を汲み取る心とそれにふさわしい風景を見つける目と、その二つの作品の関係性を文字として表現しようとしています。羽前成田駅では見られなかった、生徒たちの新たな一面が見られます。どうぞ足を運んでみてください。
物語のある風景 ~ ふるさとにたつ
長井高校写真部展も今日(6日)を含めて3日間となりました。生徒さんのコメントやコピーを記載した図録を片手に作品を鑑賞すると、一層楽しくご覧いただけます。今年のテーマ「ふるさとにたつ。」について、顧問の先生が書かれたメッセージを紹介します。
生徒たちにとって、それぞれが物語を紡いだその場所が、「自分にとってのふるさとなのだ」という認識は、今はまだ、全くないのだと思います。駅のホームも、近づく列車も、車窓からの風景も、そこにあることが当たり前のものであり、この場所は決して特別な場所などではないはずです。当たり前の、特別でもない場所で、カメラを片手に友人たちと過ごす日々の重みを感じている生徒は、おそらくひとりもいないでしょう。
しかし、高校を卒業し、やがては多くの人がこのふるさとを発ちますが、おそらくその時に初めて「あの場所が自分にとってのふるさとであったのだ」と、気がつくことになるのではないでしょうか。そうして、今はふるさとだと認識せずに立っているこの場所に、やがてはふるさとだと認識して立つ日が来るのかもしれません。やがて立つふるさとで、生徒たちは何を思うことになるのでしょうか。生徒たちの眼には、変わらないふるさとが広がっているのか、変わりゆくふるさとが広がっているのか。今、生徒たちが紡いだ物語が、いつか懐かしい日々の記憶を呼び起こしてくれる手がかりになればと思います。
【おらだの会】写真部の生徒たちも、自分たちの子どもや孫も、その多くは故郷を旅立っていくだろう。せめて、「ここが自分のふるさとだ」と思い返せるような故郷を残して行きたいものです。