この作品を観るとはかま姿の女性がよく似合うなぁ、大正ロマンだなぁと思う。しかも待合室のこの場所で、女性の視線も絶妙の感がある。 改めて駅が誕生した時代の雰囲気や味わいを教えてくれる作品のように思う。
この雰囲気を、これからの事業に生かしていければいいと思うのだが、変なコスプレショーになりそうな気がして躊躇してしまう。
大変な大雪にも関わらず埼玉から来てくれた方が、駅前広場に和傘のライトアップで彩と元気をプレゼントしてくれました。ちょうど成田駅で降車された団体客もいて、盛んに撮影をしていました。(お客様は外国の方で会話が理解できませんでした)
埼玉から来てくれた友人は、2年前の広田泉特別写真展の際も、和傘のライトアップで楽しませてくれました。今回は100周年記念日には間に合いませんでしたが、年末にわざわざに来てくれたものです。有難いことです。今日、27日の夕方もみられるかもしれません。
2年前の記事はこちらから
フォトキャン入賞作品の3作目はtamarider005さんの「100年の椅子」と題する作品です。ホーム側に置かれているこのベンチは、1986年(昭和61年)9月5日に撮影された写真にも映っています。以前、ブログでメモリアルオブジェとして紹介したことがありましたが、この作品のような存在であることには全く気付きませんでした。
防雪林の幹間から差し込んでくる陽射しが、錆びたベンチのささくれを浮かび上がらせている。風雪に耐えながら深い皺を刻んだ老人のように、たくさんの人生を見守って来たのであろうか。今もなお、旅する者を穏やかに温かく包み込んでくれているようだ。
この作品は、これまで気づかなかった駅舎の魅力を教えてくれるものでした。確かな撮影技術と共に一瞬の間に、この空間の意味するものを感得される感性には驚かされる。このような作品に巡り合えたことに感謝したい。
メモリアルオブジェの記事はこちらから
→ メモリアルオブジェ ベンチと木製はしご:おらだの会 (samidare.jp)
【おらだの会】このコメントは、審査会での意見や講評をまとめたものではありません。
フォトキャン入賞作品の2作目はkeaton.master.2018さんのこの写真です。CMで「想い出はモノクローム」という歌詞が流れていたが、白黒写真を見るとそれだけで「懐かしい」と感じる回路が働くようである。
けれどもこの写真にはもう一つの仕掛けが隠されているような気がする。それは「そこには私がいたはずだ」と思わせるような空間を準備しているのではないか、という点である。
駅においでになる方の多くは「懐かしい」との感想を残していかれます。「懐かしい」と思ってシャッターを押すとき、レンズの先にはあの頃の自分が見えているのかもしれない。