3月13日
展示場が閉まっていたので、見ることができませんでしたが、雰囲気良かったです。
3月14日
○昨年秋に訪問して以来、もう一度来たくて再訪しました。天気悪いのが残念です。
○テレビドラマを見てやって来ました。ここで犯人が捕まるやつ(村川透監督)です。コロナのお土産は置いていきません。山形の人と素敵な出会いを期待してます。
昨日、一昨日と風雨に見舞われ、満開になっていた染井吉野はかなり散ってしまった。「雨上がりの桜はピンクが濃く見えて美しくなる。」と写真家に教えてもらったが、多くの花弁は心残りを感じながら散って行ったように見える。
そんな時、友人から写真が送られて来た。ちょうど10日前にドローン撮影した写真である。ライトアップされた桜を下から見上げるのも良いが、空から見下ろした景色も新鮮だ。桜と列車のライトと駅舎の灯りが絶妙なバランスをもって映し込まれている。どれが欠けても成立しない絵である。
コノ チイサナ セカイ デ ボク ハ イキテ イタ
ケレドモ ソラカラ ミルト ミンナ ト イキテ イタ
【おらだの会】写真提供はBmt.さん。駅前の桜は今、枝垂桜が満開で関山や鬱金、寒緋桜などはこれからです。高橋鯉屋さんがライトアップしてくれています。まだまだ楽しめますよ。
さて列車はバンガロー風の梨郷駅に到着します。1913年(大正2)10月26日、長井線が開業した時、梨郷駅は終着駅であった。軽便鉄道時代のホームは時庭なども含めて島式ホームが一般的だったというが、今、この痕跡を探ることは難しい。現在の駅舎は、1999年(平成11年)に改築されたものである。
2月、駅舎は雪に埋もれて、駅の玄関や窓には雪囲いの柵が見えていた。それから2か月後、駅舎は桜の淡いピンク色に包まれる。バンガロー風の駅舎から、可愛らしい花の妖精が出迎えてくれるような気がする。車窓からの風景を楽しむには、季節の中での暮らしを想うことも大切なのかもしれない。
30年前の梨郷駅はこちらをどうぞ⇒
松川橋梁を渡り切ると下り坂となり、列車の振動も軽やかで心地よい。ブラタモリが大好きなのは崖と縁(ヘリ)であるが、松川橋梁から梨郷駅までの区間は、置賜盆地の北の縁を走る区間であり、長井線の中でも特異な風景が楽しめる区間である。今回は写真3枚をご覧いただきたい。
とりあえず北側の風景を楽しむことにする。松川橋梁を渡ってしばらくすると、北側の縁から樹木の枝が覆いかぶさって来る。山形鉄道の方が「(自然災害から線路を守るために植えられた)鉄道林がある」と言っていた場所が、この辺りなのかもしれない。
旧長井街道の踏切辺りまでは旧道と並行して走る。豪農の館風の屋敷が見られる。中には蔵が何棟か建てられ、門付きの家も見ることができる。南陽市史によれば、梨郷地区は大正中期から「丸リ白菜」が全国的に有名で、関東や関西方面に貨車で運ばれて行ったというが、その名残であろうか。
線路の南側に目をやれば、国道113号線が走っている。この先には最上川があり、その橋の名前は「幸来橋」。山形新聞やまがた橋物語によれば、初代の幸来橋は1887年(明治20年)に建設され、現在は3代目になるという。橋の建設に奔走した梨郷の松木慶太氏が「幸せが来るように」との願いを込めて応募した名称が採用されたのだという。
崖と縁の鉄道林を抜け、新旧の街道に挟まれ、街道筋の暮らしぶりも味わえる約1.2キロは、大人(としょり)が不思議に感動できる場所だった。やっぱり乗ってみなけりゃわからないものである。