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長井線リポート(22) 屈曲清流奇絶處

  • 長井線リポート(22) 屈曲清流奇絶處
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 西大塚駅を過ぎると松川橋梁にさしかかる。荒砥の最上川橋梁と並ぶ撮影スポットである。右脳と左脳をフル回転させて、車窓からの眺めと芸術作品のような写真を重ね合わせてみて欲しい。バーチャルリアリティのように、写真家が切り取った四季折々の絶景を同時に味わうことができるのではないだろうか。

 

 さて明治9年6月、内務卿大久保利通が、明治天皇の東北御巡幸に先駆けて民情視察のために米沢に来られた。この時成田の佐々木宇右衛門は、自分で建てた製糸工場の視察を懇請し、大久保公はその願いを受け入れて佐々木家に宿した。12日、舟を仕立てて最上川を下った際に、大久保が詠んだ漢詩が次のものである。大久保利通も現実とバーチャルの間に遊んだのかもしれない。

 

 千章夏木雨痕鮮/幾重の山々木々青く、雨の後に鮮やかなり

 一棹孤舟下大川/一棹の小舟、大河を下る

 屈曲清流奇絶處/清流曲がりて絶景の中を過ぎる

 米家水墨是天然/この景色は米家の水墨画にあらず本物の自然なり

 

 

 

【おらだの会】 写真は歌丸の人提供 「同じ朝はない」

 ・漢詩の読み下し分は、致芳コミュニティセンター「渡し物語」を参考にしました。

 ・佐々木宇右衛門についてはこちらをご覧ください

  ⇒ http://samidare.jp/orada3/note?p=list&c=421753

2021.04.06:orada3:コメント(0):[長井線乗車リポート]

25周年のスタート

  • 25周年のスタート
  • 25周年のスタート

 4月4日、駅の雪囲いの撤去と周辺の清掃作業を行いました。特に大変なのが、防雪林の杉葉の始末。花壇にも屋根の雨樋にも、それこそ所かまわずに辺り一面散乱しています。この作業が、おらだの会の新年度事業のスタートになります。

 

 今年は、おらだの会発足25周年であり、来年は羽前成田駅開業100周年となります。今年もお花見は中止となりますが、駅周辺の桜(地元 髙橋鯉屋さん所有)はきっときれいな花を咲かせてくれるだろうと思います。感染予防に配慮しながら、桜と駅舎を鑑賞ください。

2021.04.04:orada3:コメント(0):[イベント情報]

長井線リポート(21) 西大塚駅は東京駅と同い年

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 列車は西大塚駅に到着した。今泉駅以来、駅名看板に目が行くようになったが、西大塚駅はホーロー看板と通常の山鉄看板の両方が掲示されている。駅舎内のナスの「ようこそ西大塚駅」の看板もユニークだ。

 この駅は、大正3年(1914年)に開業したが、東京駅の竣工も同じ年である。日直室にはキリストの肖像画が飾られているなど歴史秘話もありそうな駅である。羽前成田駅と同じ平成27年(2015年)に登録有形文化財に認定されている。ホームの石垣も登録対象になっていて、駅舎を線路越しに撮影できるのはこの駅のポイントになっている。線路越しの姿をイメージしながら駅舎を眺めて欲しいものだ。

 羽前成田駅と西大塚駅の面白比較(駅舎探検)はこちらからご覧ください

  ⇒ http://samidare.jp/orada3/note?p=list&c=422504

 

【写真提供:歌丸の人さん 「春分の暁注ぐ停車場」 】

2021.04.02:orada3:コメント(0):[長井線乗車リポート]

明日から4月

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  • 明日から4月

 黄砂の影響で、どんよりとした空模様が続いていますが、ホーム北側の十月桜とスイセンも咲き始めました。明日は4月1日、新年度のスタートです。おらだの会では4月4日の朝に、雪囲いの撤去作業を行い、新年度の事業を開始します。

 

 羽前成田駅は来年の12月に開業100周年を迎えます。今年は、その準備期間ともいえます。山形県もコロナ感染者が多数発生しており、昨年以上に静かな春になりそうですが、楽しく少しづつ前進していきたいと思っています。新年度も宜しくお願い致します。

2021.03.31:orada3:コメント(0):[停車場風景]

長井線リポート(20) 「街道」のある風景

  • 長井線リポート(20) 「街道」のある風景
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 見所満載の今泉駅を出てすぐに転車台跡があるのだが、列車の中からは確認することが出来ない。残念、と思っていたらJRの線路側に「35 越後街道」の看板が見えた。今どき、「街道」という名称が使われていることに驚いたが、そう言えば〇〇街道踏切と表示されている踏切注意柵があったことを思い出した。

 後日、「35 越後街道」の意味を確かめるべく自動車で向かうと、やはり踏切を表示する看板のようである。(ただし注意柵のキロ数は22k689m、奥の計器ボックスの表示は22k693mとなっているのが気になるが。)

 

 山形鉄道に教えてもらったところ山形鉄道の踏切の数は56箇所で、そのうち越後街道や長井街道のように街道名がついている踏切は16箇所。他には伊佐沢街道、東伊佐沢街道、小松街道、越後街道、時庭街道、萩生街道、南台街道、手ノ子街道、平山街道、西舘街道があるそうだ。

 「街道を行く」ではないが、街道という名称は、古くからの人々の行きかう様が見えてくるようで、何とも趣きを感じるものである。そこに立つ踏切は、時空移動の入り口のようだ。

 

2021.03.29:orada3:コメント(0):[長井線乗車リポート]