米坂線は2026年に開業100周年を迎えるが、2022年8月の豪雨で今泉~坂町区間が不通になっている。11月15日の地元紙に、米坂線開業100,周年記念事業実行委員会の久保委員長が「望む早期復旧」と題して提言を寄稿している。久保委員長は、鉄道の今後の役割をノスタルジックな思いから離れて、未来志向の視点で捉えなければならないとして、沿線の魅力再発見や駅弁等の特産品開発、「鉄旅音旅」など鉄道ファンへのアッピールなど、地域の魅力発信と地域活性化策に取り組む必要性を訴えている。
また12月5日の地元紙には、長井市議会における長井市長の答弁内容が報道されていた。それは内谷市長が米坂線問題に関する質問に対して、「運休区間の今泉~坂町間の復旧を諦めることは、今泉~米沢間の廃止にもつながりかねない」とし、(関係自治体の理解が得られれば)山形鉄道が引き受けてでも今泉~米沢間の鉄路を維持すべきとの認識を示した、というものである。
「長井線読切りエッセー第9話」で今泉駅の歴史を紹介していた。その時は「政争の駅」という副題をつけたのだったが、米坂線の今後は長井線にとっても重要な意味を持つように思われる。そして久保委員長が「活動を通じて(沿線住民の)互いの顔の見える関係が県境を越えて生まれつつある」との言葉が、長井線においても重要なものであることを、改めて考えさせられた。
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