3月28日は鉄道写真家広田泉さんの命日である。3回忌にあたるこの日からスタートした「広田泉写真展」を見て来た。2021年秋のパリでの個展に際して「俳句のような」と評された作品が並んでいる。改めて広田さんの世界に引き込まれるようである。
会場には広田さんの活動歴を紹介するコーナーがあった。成田駅で開催されたちゃぶ台写真展(2016年)や昨年の「昨日の一歩、明日への一歩」などが、有名なギャラリー展の間に記載されていた。その脇には4枚の写真が掲示されていた。その内の2枚が成田駅の写真であり、昨年の泉の桜記念植樹に夫人と一緒においでになり、その3か月後に亡くなった愛犬バレの姿もあった。
広田さんが、微笑みながらこちらに視線を投げかけている。その穏やかな眼差しは、私たちに何かを語りかけているようである。「私の写真を楽しんでくれたかな」と言っているのか、あるいは「さてあなた達は何をやろうとするのかな」なのか。4月、泉の桜を眺めながら、改めて広田さんのメッセージに思いを馳せてみたいと思う。
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