ちいさなきかんしゃ

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 絵本「でんしゃがいっぱい」に続いて、本棚の奥から出てきたのは紙芝居「ちいさなきかんしゃ」である。この紙芝居は昭和62年(1987年)の刊行であり、今も人気の「きかんしゃトーマス」が最初に放送されたのが1984年であり、これとほぼ同時期の作品である。

 

 登場人物はコッペル君とダブスン君という2台の機関車である。機関車の名前はそれぞれドイツのコッペル社、イギリスのダブス社からとったものらしい。コッペル君は以前から働いている小さな機関車である。大型の機関車ダブスン君が登場すると、コッペル君の出番はなくなり車庫で休む毎日。ダブスン君から「じゃまだどけどけ」と意地悪をされることも。

 

 大雪が降ったある日、ダブスン君が峠でスリップして前に進めなくなった時に、コッペル君が応援に行くことになる。助けてくれたコッペル君に、ダブスン君が「コッペルありがとう、なかよくしてくれね」と言い、コッペルも「ダブスン、ぼくたちともだちだね」と語る場面で終わるのである。

 

 この紙芝居を改めて読み返すと、高齢社会の一翼を担う我が身とダブってくるものがある。果してこれから、「ぼくたち一緒に生きる仲間だよね」と言い合える場面はあるのだろうか。それはさておき40年たってこの紙芝居を読み聞かせる機会があるのだろうか。その時の心境はどんなものであろうか。

 

2024.02.25:orada3:[駅茶こぼれ話]

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