今回特別に参加をお願いした仲井裕一さんの作品です。右の作品は、私たちが駅茶で写真展の打合せをしていた時のもので、タイトルが「百年目に語らう」。「白寿を迎えた駅舎の中で語らう人々がいる。この駅ではこれまでもこんな語らいの風景があったのだろうか、そしてこれからも・・・」といった作者の思いが伝わるようである。
左はおりはた駅の待合室を映した「雨音が聞こえる」。おりはた駅の待合室には公徳傘が準備されていたことを思い出した。長椅子に置かれた赤い傘は、その中の1本であろうか、それとも・・・。1本の傘から物語が生まれそうである。さらにこの傘は、この空間を共にした人物がいたことを想起させ、待合室という空間の特質そのものを語っているようでもある。
今回の仲井さんの作品は、ホームや待合室を題材にしているが、地元の作家があまり取り上げて来なかった題材であったように思う。旅人の研ぎ澄まされた感性が、駅やホームに内在する魅力に共鳴するのであろうか。仲井さんの作品はその他に「旅への誘い」「夕刻の出会い」がある。タイトルも含めて詩情を感じさせる作品である。ぜひ会場でご覧いただきたい。
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