フォトキャン入賞作品の3作目はtamarider005さんの「100年の椅子」と題する作品です。ホーム側に置かれているこのベンチは、1986年(昭和61年)9月5日に撮影された写真にも映っています。以前、ブログでメモリアルオブジェとして紹介したことがありましたが、この作品のような存在であることには全く気付きませんでした。
防雪林の幹間から差し込んでくる陽射しが、錆びたベンチのささくれを浮かび上がらせている。風雪に耐えながら深い皺を刻んだ老人のように、たくさんの人生を見守って来たのであろうか。今もなお、旅する者を穏やかに温かく包み込んでくれているようだ。
この作品は、これまで気づかなかった駅舎の魅力を教えてくれるものでした。確かな撮影技術と共に一瞬の間に、この空間の意味するものを感得される感性には驚かされる。このような作品に巡り合えたことに感謝したい。
メモリアルオブジェの記事はこちらから
→ メモリアルオブジェ ベンチと木製はしご:おらだの会 (samidare.jp)
【おらだの会】このコメントは、審査会での意見や講評をまとめたものではありません。
この記事へのコメントはこちら