悲しいおせきのお話(3)

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 しかし、村人の強いねがいにもかかわらず、工事は、こぶしが原というところから、なかなか先へすすむことができませんでした。

 

「せきが、くずれたぞー。」

 

「あぶない、にげろ。」

 

「それにしても、こぶしが原は、どうしてもだめだ。昔からあそこは、まのふちとよばれていた所じゃ。水が多すぎて、土手が次々にくずれてしまう。」

 

「しょせんはむりなことだったんだ。」

 

「この土地に田んぼを作るなんて、ばかげたゆめだったんだ。」

 

 

「みんなの気もちは、ようくわかる。でもな、今おれたちがやらなければ、だれがやるんじゃ。」

2022.11.20:orada3:[  №1 悲しいおせきの話]

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