前回、成田区民は成田の中央部(現在の成田第3踏切の南部)に建設するよう陳情していたことを紹介した。けれども次に紹介する請願書では、長井村の駅は五十川区に建設するよう要望されているのである。成田区と五十川区の確執として役場焼討事件(明治34年)があったが、駅の建設時も綱引きがあったのであろうか。ちょっと気になるところである。
請 願 書
長井軽便鉄道ノ延長ハ、地方民多クノ宿望ニ候処、主務官殿亦其必然ヲ認メラレ、今般長井町ヨリ長井村、蚕桑村、鮎貝村ヲ経テ、荒砥町迄延長スヘク、目下測量中ニ有之、近々其実現ヲ見ルベク、承知仕候ニ付テハ、其中下長井村大字五十川、蚕桑村大字高玉、鮎貝村大字鮎貝ノ三ヶ所ニ停車場ヲ御設置相成度請願仕候。
理 由
一、長井村大字五十川ハ長井線ヲ距ル約2哩(マイル)、長井村ノ中央ニシテ、有名ナル米琉絣産物ノ中心ナリ。西ハ西根村ニ通スル要路控ヘ、東ハ最上川右岸ニ達スル渡船場ヲ有シ、肝要ノ位置ニアルヲ以テ當区適當ノ地点ニ停車場ヲ御設置相成度候。
一、蚕桑村大字高玉ハ ・・・略・・・
一、鮎貝村大字鮎貝ハ ・・・略・・・
右沿道関係部落ヲ代表シ請願仕候
軽便鉄道敷設請願(雪国の春5 原敬一「置賜軽便鉄道資料」より抜粋)
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