家族との時間

  • 家族との時間

   朝6時31分発の上り列車に合わせて、成田駅前は生徒を乗せた乗用車が列をつくる。ご両親が子供を送って来るのである。毎朝繰り広げられるこの風景を眺めているうちに、ある映像を思い出した。それは「さよなら…女子高生たった一人の駅が廃止」の題で、2016年3月に放送されたものである。

 

   北海道石北本線の旧白滝駅で3年間、たった一人で駅を利用し続けた高校生が卒業の日を迎えた。いつものように娘さんを送って来た父親が、インタビューに答えて語った。「(車の中は)二人きりでしゃべる唯一の時間だったから、私にとって貴重な時間でした。駅が(親子を)結んでくれたのかなっていう気がします。」

 

   車の送迎に対しては、「甘やかしすぎだ」といった声もあるようですが、親子にとってはとても大切な時間なのかもしれない。汽車通の子供達にとっては、弁当を作って送り出してくれたお母さんの姿も含めて、両親との想い出の時間として記憶されていくのかもしれない。大学入学試験ももうすぐ始まり、それが終われば卒業式も近い。家族のあたたかな見守りの中で、家族との大切な時間を過ごして欲しいものだ。

 

【おらだの会】 文中の旧白滝駅は、2016年3月26日の北海道新幹線開業の前日に廃止されたそうです。(ユーチューブは「女子高生たった一人の駅」で検索できます。)

2021.01.06:orada3:[駅茶こぼれ話]

この記事へのコメントはこちら

以下のフォームよりコメントを投稿下さい。
※このコメントを編集・削除するためのパスワードです。
※半角英数字4文字で入力して下さい。記号は使用できません。