元中山字花窪地内、県道238号から小高い山に向けて長い階段が設置されています。
「元中山神社巡り」の1枚目の画像で下に見えるのが県道です。
この山に鎮座するのが古峯原神社です。地元では「こばはら様」と呼んでいます。
火伏せの神として有名な栃木県の古峯(ふるみね)神社に毎年代参を行い、祈祷札を納めています。
2枚目の画像は奥にある山の神になります。
階段を上ってから、山道をしばらく歩きます。
行く時は熊除け対策を忘れずに。
元中山字日影にある松尾神社です。
明神鳥居には「天保十三寅九月」と刻まれています。(西暦1842年)
中世は日影館があった場所です。
昨年、日影館跡の背後に山城跡があることが判明しました。
また、神社の北側に館跡が2ヶ所新たに確認されました。
松尾神社は酒造りの守り神として全国へ勧請されましたが、元中山地区でも酒造りが行われていたのでしょうか。
引用:赤湯町史(昭和43年)
松尾神社 大字元中山字日影
祭 神 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
大山咋命(おおやまぐいのみこと)
由 緒 創立年不明
京都府葛野郡松尾神社の末社と伝えられている
社殿木造五坪
なお、町史には「大山つみ神」(つみは示偏に氏)と記載されていますが、元中山地区には別の場所に山神神社が建っていますので、京都松尾大社の主祭神二柱の一柱「大山咋命」と思われます。
もう一柱は「市杵島姫命」です。
白髭神社の狛犬は狐のような容姿をしています。何故なのか考えてみました。
釜渡戸の白髭神社の祭神は久延毘古命(くえびこのみこと)ですが、白髭神社の祭神は一柱だけではありません。
東置賜郡にある白髭神社の祭神(東置賜郡史より)
久延毘古命 中川村中山
武内宿祢 亀岡村露藤・屋代村竹森
倉稲魂命 糠野目村山崎・沖郷村西落合
と神社によって様々であることが分かります。
倉稲魂命(うかのみたま)は穀物・食べ物の神様で、多くの稲荷神社の主祭神です。
久延毘古命は案山子(かかし)であることから、田の神とされていて、倉稲魂命とほとんど同じ神ともいえます。
狐は田の神の使いだと考えられています。
古来、田の近くに塚(狐塚)を築いて祭場としていました。
白髭神社も小さい山に鎮座しています。
田の神の狛犬は、あえて狐に模して造られたと考えられます。
参考資料:錦三郎著「釜渡戸を中心とした社会科資料」昭和29年
白髭神社は大坂家の先祖である源太左エ門が背負って持ってきた神「久延毘古命」(くえびこのみこと)を祀っています。源太左エ門は豊臣秀頼の家来で、大坂の陣の後、落ち延びて釜渡戸に住み着いたと云われています。
隣の上山市中山地区にある白髭神社が、近江の白髭神社から神霊勧請したということから考えると、大坂家の先祖も近江の方から落ち延びてきたか、近江の白髭神社とかかわる神を崇めていたと推察できます。
中山の白髭神社の祭神も久延毘古命であることから、分社したとも考えられますが詳しい経緯は分っていません。
参考資料:錦三郎著「釜渡戸を中心とした社会科資料」昭和29年