HOME > 記事一覧

元旦を直撃した大地震…「天災は忘れた頃に」~3・11から足かけ、13年!?

  • 元旦を直撃した大地震…「天災は忘れた頃に」~3・11から足かけ、13年!?

 

 新しい年の出鼻をへし折るようにして襲いかかった「令和6年能登半島地震」…刻々と広がる被害の実態におののきながら、私はあの東日本大震災の地獄のような光景をまなうらに浮かべていた。有志数人で立ち上げた支援組織「いわてゆいっこ花巻」は震災5か月後の2011年8月11日、当市出身の宗教学者、山折哲雄さんを招き、「3・11大震災とイーハトーブ」と題した講演会を開催した。山折さんは「天災は忘れた頃にやってくる」という寺田寅彦の有名な言葉などを引用しながら、「天然の無常」について語った。その内容はそのまま今回の悲劇に重なる、いやそれを「予言」していたとさえ思える。以下に当時、当ブログに掲載した文章(要旨)を再録する。

 

 

 「仏の影もお地蔵さんの姿も感じられなかった。賽(さい)の河原の光景とはこういうものだろうか。心底、地獄だと思った。」―。宗教学者の山折哲雄さん(80)は4月中旬、被災地に足を踏み入れた時の気持ちをこう切り出した。講演会場を埋め尽くした聴衆は身を乗り出すようにして聞き入った。「津波が去った後の海はキラキラと輝き、瓦礫(がれき)の向こうには美しい稜線が見えた」と山折さんは続けた。

 

 東日本大震災から5か月目の11日、花巻市文化会館で開かれた講演会―「3・11大震災とイ-ハト-ブ…岩手の風土から復興の原点を問う」には花巻へ転入した沿岸被災者を含め、900人以上が詰めかけた。山折さんは冒頭の自然が抱え持つ2面性について、物理学者で随筆家の寺田寅彦(1878~1935年)を引き合いに出して次のように話した。

 

 「この世に永遠不滅なものはない。寺田はそれを『天然の無常』と表現した。自然に抗わずに頭(こうべ)を垂れる。そういう太古からの感情が日本人の体には染みついている。ハリケ-ンに襲われた時、米国人は怒り悲しみ、もがき苦しんだ。それに比べて今回の大震災の被災者の表情は取り乱すこともなく、穏やかだった。寺田がいう『無常観』が根底に横たわっているからではないか」、「長い時を経て日本列島に築かれた文明の本質を自然科学と人文学の両面から分析した先駆者の一人が寺田だった。自然災害と科学技術のあり方とそこに立脚する日本人の精神性についての鋭い分析を今こそ思い起こさなければならない。寺田が生きていたら、地震列島の上に原発大国を築くような愚(ぐ)は決して許さなかったはずだ」

 

 山折さんは「このジレンマに一番苦しんだのは花巻が生んだ宮沢賢治ではなかったのか」と述べ、自伝的な作品と言われる『グスコ-ブドリの伝記』を引用しながら、講演会を次のように締めくくった。

 

 「法華経の熱心な信者で科学者でもあった賢治は冷害で苦しむ農民を救出するため、火山を人工的に爆発させ、温室効果によって空気を暖めようと考えた。しかし、爆破するためのスイッチを押す要員として一人は火山に残らなければならない。その役割を買って出たのがブドリ、すなわち賢治だった。寅彦の天然の無常、賢治の自己犠牲の精神から学ぶべきは自然に対する畏敬(いけい)の念ということだと思う」

 

 「『3・11』はさらに生者同士の横の対話以上に犠牲者との対話の重要性を教えてくれた。死者の声を聞こうという縦軸の対話のル-ト…私はこれを生者と死者との『対魂関係』と呼んでいる。今回の大震災の復興は死者に寄り添う、この対話を通じてしか道行きを見出すことができないと思う」ー。「東日本大震災の犠牲者は一人ひとりがブドリなのだ」という声を最近聞くようになった。この言葉を思い出しながら、「3・11」の深淵に耳を傾け続けなければならないと、そう肝に銘じた。

 

 

 

 (写真は当時のポスタ-。「言葉は無力です。そばに寄り添って祈りしかない。悲しみを共有できない。負い目を背負うしかない」という山折さんの言葉も)

 

 

 

 

《追記ー1》~原発が稼働していたら!!

 

 

 9割近い家屋が倒壊するなど壊滅的は被害を受けた石川県珠洲市では中部電力などが2014年の稼働を目指した「珠洲原発」の建設を計画していたが、28年間にわたる地元住民などの粘り強い反対運動が実り、2003年に計画は凍結された。原発反対の最前線で活躍する青木美希さんの『なぜ日本は原発を止められないのか?』を再読する(2023年11月17日付「当ブログ」参照)

 

 

《追記―2》~岸田首相の年頭記者会見…原発質問に聞く耳なし!?

 

 

 「地震から3日も経過して、いまだに総理が原発についてひと言もコメントしないのは異常です。質問させてください!」と記者。進行役は「本日中に担当宛てにメールでお送りください。後日書面で回答させていただきます」。それでも記者はあきらめずに「総理、原発再稼働はあきらめるべきではありませんか?地震大国の日本で原発の再稼働は無理だと今回分かったのではありませんか!答えてください」と大声で質問。首相が一礼して会見場を後にしようとすると、記者は「聞く力はどこに行ったんですか!!」とひと際大きな声で問い掛けた。

 

 この記者の訴えに「日本中学生新聞」の公式X(旧ツイッター)は、「ぼくも同じ考えだ!年末年始と新聞第2号で、COP28の原発のことを書いている時に地震が起きた。そして、今日、女川原発2号機の再稼働を5月ごろ目指すと記事が出ていた。どうかしてる!地震が起こるたびに、怯えている国民がいることが分からないなんて」と投稿した(5日付「日刊スポーツ」電子版、要旨)

 

 

《追記ー3》~「役立たず」という役

 

 

 「死者84人 安否不明179人へ」(5日付「朝日新聞)ー。能登半島地震の惨劇を報じる同じ一面の常設コラム、鷲田清一さんのこの日の「折々のことば」はサックス奏者、坂田明さんの「ミジンコにはミジンコの都合がある」。この伝で坂田さんは「『役立たず』と言われる人も『役立たず』という役を確(しか)とやっているのだ」と。なるほど、この未曽有の”国難”の中で、わが身の保身だけに汲々とするわが宰相こそがその「役立たず」という役割をちゃんと、果たしているというわけである。

 


 

<署名延長のお知らせ>

 

 

 新花巻図書館の旧病院跡地への立地を求める署名運動は全国の皆さまのご協力により、4,730筆という予想以上の賛同をいただくことができました。支援者の一人として、感謝申し上げます。行政側の動向が不透明な中、主催団体の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(代表 瀧成子)は引き続き、全国規模の署名運動を続けることにしました。締め切りは2024(令和6)年1月末必着。送付先は:〒025-0084岩手県花巻市桜町2丁目187-1署名実行委員会宛て。問い合わせ先は:080-1883-7656(向小路まちライブラリー、四戸)、0198―22-7291(おいものせなか)

 

  署名用紙のダウンロードは、こちらから。 「全国署名を全国に広げます!~これまでの経過説明」はこちらから。署名実行委員会の活動報告などは「おいものブログ」(新田文子さん)の以下のURLからどうぞ。

 

 https://oimonosenaka.com/

 

 

 

 

 

 

「公共善」と「公共悪」のはざまにて…今年一年を振り返って~いざ、夢多き未来へ、そして、激震の年明け!!??

  • 「公共善」と「公共悪」のはざまにて…今年一年を振り返って~いざ、夢多き未来へ、そして、激震の年明け!!??

 

 「公共善(=共通善)を愛するあらゆる者は、(中略)残酷で救いのない苦悩に苛(さいな)まれる」―。こんな逆説的な言葉を反芻(はんすう)し続けた一年だったような気がする。『従順さのどこがいけないのか』(将基面貴巳著)という本の中で、20世紀フランスの哲学者、シモ-ヌ・ヴェイユがこう語ったということを知った。著者の将基面さんはさらにこう解説する。「権威や権力、そして社会一般の通念は、それに服従することを求め、服従しない者に制裁を加えるのが常だからです」。ひと言でいえば、「出る杭(くい)は打たれる」ということであろう。

 

 「イ-ハト-ブ図書館の実現に向けて」―。私は今年の元日付の当ブログにこう書きつけた。そして一年たった大晦日の今日、その実現どころか「立地場所」の選定がさらに9カ月先延ばしされるという異常事態に直面している。「公共善(共通善)」について、著者はこう書いている。「文字通り、人々が共通に善いものとみなすものであり、ある共同体全体の利益を意味します。…それと正反対のものは、一部の人々だけの利益です。特に権力者や、彼らがひいきにする一部の人々だけがせしめる利益のことです」。闇にうごめく“利権”疑惑…。公共施設の代表格である足元の「新花巻図書館」がいままさに、そんな危機のただ中に投げ出されつつある。

 

 「公有地の拡大の推進に関する法律」(公拡法)はその第1条でこう定めている。「公有地の拡大の計画的な推進を図り、もって地域の秩序ある整備と公共の福祉の増進に資することを目的とする」―。つまり、まちづくりを推進するため、当該自治体に土地の優先取得権を与える法律である。旧新興製作所跡地(花巻城址)の譲渡に際しても当然、同法が適用された。「由緒あるこの土地をふたたび、市民の手に」という機運が高まりつつあった、そんな師走のある日…

 

 「多額の費用がかかるため、当市がただちに当該土地全部を取得することを決定することはできない」(上田東一市長)―。さかのぼること9年前の(2014年)12月25日、市民はまるで“悪夢”のようなクリスマスプレゼントにのけぞった。この年に誕生した上田市政の“失政”の始まりだった。あれから足掛け10年、「秩序ある整備と公共の福祉の増進」(公拡法)などはどこ吹く風、まちのど真ん中にはいまも瓦礫(がれき)の荒野と化した廃墟が無惨な姿をさらけ出している。文字通りの「公共悪」である。そして、こともあろうに…

 

 その同じ人物が今度は「税金の無駄使いだ」という市民の声に背を向けるかのように、図書館用地として花巻駅前のJR用地の取得を強行しようとしている。9年前のあの悪夢が二重写しになった。「(新興)跡地にパチンコ店とホ-ムセンタ-を誘致し、まちの活性化の一助に」―。当時、革新を標榜(ひょうぼう)するある議会会派が「取得断念」を先導し、議会の大勢がこれに追随した。またぞろ、同じような勢力図が勢いをいや増しそうな気配である。そう、「駅前の活性化には図書館と駅橋上化が欠かせない」という上田流“便法”(詐術)への同調風が…

 

 その一方で、敢然と立ちあがる市民の姿があった。Xmasイブの24日、「“夢の図書館”をクリスマスの贈り物に。新興跡地の二の舞は許さない。市有地化が決まっている病院跡地こそが最適地」―。こんなスロ-ガンを掲げた市民団体が市内のショッピングセンタ-で署名の呼びかけをした。クリスマスケ-キを抱えた買い物客が次々に応じた。この光景を目の当たりにしながら、私は胸の高まりを覚えた。「服従」から「不服従」へ…。少しずつだが、何かが確実に変わりつつあるような手ごたえを感じたのである。将基面さんは「不服従の覚悟とは何か」ということについて、以下のように述べている。これでもかこれでもかと迫ってくる重い問いかけである

 

 「『忖度(そんたく)』する人々は、ひたすら上司が望むところを察知して先回りしてでも上司の期待に添うように行動します。『忖度』する人々は自らの自由と独立を放棄し、奴隷状態に自分を貶(おとし)めています。このような人々が増えるほど、社会から自由は失われてゆきます。権威や多数派に対して従順に服従するのではなく、自分自身で『選択』することとは、他ならぬ自分自身のアイデンティティを確立し、それを守り抜くことです。『NO』というべきことをはっきり拒否できる人だけが、『YES』というべきことをはっきり肯定できるということです」―

 

 「公共善」にとって代わって「公共悪」が大手をふるって闊歩(かっぽ)するいまだからこそ、「不服従の覚悟」が必要なのかもしれない。「われ反抗す、ゆえにわれら在り」(アルベ-ル・カミュ『反抗的人間』)―。将基面さんがカミュのこの言葉をあえて引用した深い意味が少し、分かったように思った。元日の朝、私は霊峰・早池峰を仰ぎ見るのを習い性としている。城跡と隣接する病院跡地からの借景がこれまた、格別である。まさに「神々しい」としか言いようがない山容である。では皆さん、良いお年を。新しい年が夢多き一年になることを祈りつつ…

 

 

 

 

 

(写真は「公共悪」の見本みたいな旧新興跡地の荒地の光景=花巻市御田屋町で)

 

●コメント欄に霊峰・早池峰の写真。キラキラと白雪をいただく眼下には廃墟の城跡が…

 

 

※「2024・1・1」地震(令和6年能登半島地震)

  ~この一年を思考する原点の日に!?

 

 

 

<署名延長のお知らせ>

 

 

 新花巻図書館の旧病院跡地への立地を求める署名運動は全国の皆さまのご協力により、4,730筆という予想以上の賛同をいただくことができました。支援者の一人として、感謝申し上げます。行政側の動向が不透明な中、主催団体の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(代表 瀧成子)は引き続き、全国規模の署名運動を続けることにしました。締め切りは2024(令和6)年1月末必着。送付先は:〒025-0084岩手県花巻市桜町2丁目187-1署名実行委員会宛て。問い合わせ先は:080-1883-7656(向小路まちライブラリー、四戸)、0198―22-7291(おいものせなか)

 

  署名用紙のダウンロードは、こちらから。 「全国署名を全国に広げます!~これまでの経過説明」はこちらから。署名実行委員会の活動報告などは「おいものブログ」(新田文子さん)の以下のURLからどうぞ。

 

 https://oimonosenaka.com/

 

「図書館問題、みんなで考えよう」…日報論壇に投稿記事~さて、今宵は満月!!??

  • 「図書館問題、みんなで考えよう」…日報論壇に投稿記事~さて、今宵は満月!!??

 

 

 「新花巻図書館/皆で考えたい」―。12月27日付岩手日報「論壇」に花巻市在住のパ-ト従業員、高橋明子さん(68)の投稿が掲載された。「ピンポ~ン」…勇気をふるって、一軒一軒のチャイムを押しながらの“図書館”論議の結果、賛成署名をしてくれた市民は500人以上。その奮戦記の一部を同紙から以下に転載させていただく(要旨)。高橋さんはクリスマスイブにおこなわれた署名活動にも参加し、粘り強い対話を重ねた(24日付当ブログ「“夢の図書館”をクリスマスの贈り物に」参照)。

 

 そういえば、今宵は今年最後の「コールドムーン」(満月)。一年で一番高く昇るというお月さんが天上から”夢の図書館”の実現を願っているかのよう…。投稿の原文と冬の満月の表情はコメント欄から、どうぞ。

 

 

 

 花巻市では今もなお、市と市民の間で新花巻図書館の立地場所をどこにするか、話し合いが続いています。市側は花巻駅前JR所有地(スポーツ用品店)を購入し、立体駐車場を建設する方向で考えているようですが、私は市の所有地があるにもかかわらず、あえて多額の税金を投入して土地を購入する必要があるのか?と疑問を感じ、市民の皆さんの声を知りたくて新花巻図書館を考える会の署名活動に参加し、約1カ月取り組みました。実際歩いてみると、皆さんきちんと意見を持って話してくれました。

 

 その結果、「旧総合花巻病院跡地がいい」という意見に同意をいただき、524筆もの署名をいただきました。立地場所は「駅前がいい」という意見は片手ほど、「まだ決めかねている」という方もいましたが、多くの方は「市所有地で整備してある旧花巻病院跡地がよい」という意見でした。考える会の署名活動全体としては4730筆の貴重な署名が集まりました。この花巻市民一人一人の貴重な署名は会の代表から市長へお届けしました。この声をどう受け止めたのでしょうか?

 

 10年ほど前から、新図書館建設については一進一退で長い間、市民活動を続けている皆さまがいます。新花巻図書館を考える会、まるごと市民会議、イーハトーブ(図書館)をつくる会の皆さんへの敬意を表します。図書館のことを含め、今後の花巻市のあり方を考えるきっかけにしてもらいたいとも考えています。宮沢賢治が考えていた自然とともに生きることを大事に、誰もが行きたくなる魅力ある新図書館を皆で考えていきたいです。

 

 

 

 

(写真は手作りの“うちわメッセージ”を掲げて、署名を呼びかける高橋さん=
12月24日午後、イトーヨーカド花巻店で)

 

 

 

 

《追記》~「記憶の継承」…ガザの悲劇と夕張のそれと…

 

 

 イスラエル軍が今月中旬、パレスチナ自治区「ガザ地区」にあるハマスの地下トンネルに海水を注入したというニュースを聞きながら、とっさに思い出したのが42年前、北海道夕張市で起きた「北炭夕張新炭鉱」のガス突出事故だった。93人が犠牲になり、坑内にまだ生存者が残っている可能性があるにもかかわらず、会社側は坑内火災の延焼を防ぐという名目で近くの川水を注ぎこんだ。「お命をちょうだいします」と言い放った当時の社長の言葉がいまだにこびりついて離れない。

 

 そんな折しも、旧知の北海道新聞元編集委員の往住嘉文さん(69)から「先輩のこの貴重な体験をぜひ、大学生に伝えたい」と連絡があった。北星学園大学(札幌市)の「新聞活用プログラム」の一環として紹介したとして、こんなメールが届いた。「事故発生の第一報と会社の注水提案が同じ紙面に載るという異常を当時の新聞記事で見せました。今パレスチナ問題で何ができるか考えてほしいと締めくくりました。少なくとも10人はずっと顔を上げ、凝視していました。このような記事を残してくれた増子さんに感謝申し上げます」

 

 

 

 

<署名延長のお知らせ>

 

 

 新花巻図書館の旧病院跡地への立地を求める署名運動は全国の皆さまのご協力により、4,730筆という予想以上の賛同をいただくことができました。支援者の一人として、感謝申し上げます。行政側の動向が不透明な中、主催団体の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(代表 瀧成子)は引き続き、全国規模の署名運動を続けることにしました。締め切りは2024(令和6)年1月末必着。送付先は:〒025-0084岩手県花巻市桜町2丁目187-1署名実行委員会宛て。問い合わせ先は:080-1883-7656(向小路まちライブラリー、四戸)、0198―22-7291(おいものせなか)

 

  署名用紙のダウンロードは、こちらから。 「全国署名を全国に広げます!~これまでの経過説明」はこちらから。署名実行委員会の活動報告などは「おいものブログ」(新田文子さん)の以下のURLからどうぞ。

 

 https://oimonosenaka.com/

 

”夢の図書館”をクリスマスの贈り物に…ショッピングセンタ-で署名の呼びかけ~写真特集「署名アラカルト」

  • ”夢の図書館”をクリスマスの贈り物に…ショッピングセンタ-で署名の呼びかけ~写真特集「署名アラカルト」

 

 「今宵はイブ、未来の子どもたちに“夢の図書館”をプレゼントしよう」―。Xmasイブの24日、旧花巻病院跡地への新図書館の立地を求めている「署名実行委員会」(瀧成子代表)が市内のショッピングセンタ-で署名の呼びかけをした。クリスマスケ-キを抱えた買い物客が次々に署名簿に記名。わずか5時間余りでその数は318人に上り、関心の高さをうかがわせた。

 

 「でっかい、贈り物ありがとう。知り合いにも声をかけるね」「花巻は祭りと花火の時しか人が集まってこない。まちのど真ん中にど~んと図書館を作り、逆の人流を生み出さなければ…」「図書館も大事だけど、次は老人専用の市民浴場をそのそばに建ててくれや」…。図書館論議に花を咲かせるお年寄りや熱心に質問を繰り返す高校生などなど、入り口近くにはメンバーを囲んだ輪がいくつもできた。「師走の忙しい中、多くの人が足を止めてくれた。頑張ってきた甲斐があった」と長い間、図書館問題に取り組んできた山下牧子さんが感慨深げに話した。

 

 「駅前か病院跡地か」―。懸案の図書館建設はその立地場所の事業費比較をするため、さらに来年秋まで先延ばしされた。90歳台だというひとり暮らしの男性が言葉を荒げた。「一体、いつになったらできるのか。見晴らしの良い病院跡地があるじゃないか。おれはその近くに住んでいる。目の黒いうちに頼むじゃ」

 

  上田東一市長の懐刀として「駅前立地」を推進してきた元副市長の姿が目に入った。「署名をどうぞ」と声をかけると「いやいや」を手を振りながら、逃げるように通り過ぎた。と次の瞬間、花巻市議会12月定例会で、「事業費比較」予算に賛成した”是々非々”論者の市議も小走りに…。その一方で、宮沢賢治が教鞭を取った花巻農高のカップルが熱心に話しかけてきた。「学校では新図書館の説明は一切ない。このチラシを見て、病院跡地がぴったりと思った。ところで、あの新興跡地のがれきの山はどうにかならないのですか」。応対した瀧代表は「若い世代も膝をつき合わせて話せば、身を乗り出してくる。月に1,2回のペースで街頭署名を続けたい」と手ごたえを口にした。ともあれなかなか、妙味のある師走の光景ではあった。

 

 署名実行委員会では第二次署名運動を来年1月末まで継続し、図書館問題の啓発を図る各種イベントを計画している。新年1月27日には「図書館とは」をテーマにしたシンポジウムも予定されている。署名の方法などは以下にアクセスを。

 

 

 

《追記》~署名アラカルト(コメント欄に写真を7枚掲載)

 

 

 Xmasイブの買い物客でごった返す店内には、”夢の図書館”というビッグなプレゼントに「ブラボ-」の声も。写真はいずれもイトーヨーカド花巻店で。

 

 

 

<署名延長のお知らせ>

 

 

 新花巻図書館の旧病院跡地への立地を求める署名運動は全国の皆さまのご協力により、4,730筆という予想以上の賛同をいただくことができました。支援者の一人として、感謝申し上げます。行政側の動向が不透明な中、主催団体の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(代表 瀧成子)は引き続き、全国規模の署名運動を続けることにしました。締め切りは2024(令和6)年1月末必着。送付先は:〒025-0084岩手県花巻市桜町2丁目187-1署名実行委員会宛て。問い合わせ先は:080-1883-7656(向小路まちライブラリー、四戸)、0198―22-7291(おいものせなか)

 

  署名用紙のダウンロードは、こちらから。 「全国署名を全国に広げます!~これまでの経過説明」はこちらから。署名実行委員会の活動報告などは「おいものブログ」(新田文子さん)の以下のURLからどうぞ。

 

 https://oimonosenaka.com/

 

 

 

 

(写真はイブの賑わいの中、署名をする買い物客=12月24日、花巻市下小舟渡のイト-ヨ-カド-花巻店で)

相手によって、中身が違う”公文書“の怪…迷走を極める「図書館」問題!!??

  • 相手によって、中身が違う”公文書“の怪…迷走を極める「図書館」問題!!??

 

 「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の建設場所の比較調査業務の内容について、上田東一市長は20日開催の記者会見で概要を説明した。この件については先月24日、1年2か月ぶりに開催された「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」で初めて公表され、約9カ月をかけて、二つの候補地の事業費などの比較を外部のコンサルタントに委託することが明らかにされた。これを受け、花巻市議会12月定例会は賛成多数で約1,800万円の予算を可決した。この日、配布された会見資料(HP上に公開)を見て、オヤっと思った。検討会議で配布された資料との微妙な異同に気が付いたからである。なお、今月7日に開かれた議員説明会で示されたのも会見資料と同じ内容だった。以下に原文を紹介する。

 

<記者会見用>

 

①建設候補地の現況整理

②新花巻図書館整備基本計画試案の機能検討

③駐車必要台数の検討

④建設候補地全体の土地利用計画図素案の検討

⑤イメージ図の作成(外観及び内観)

⑥図書館整備事業費等を建設候補地ごとに作成

 

<検討会議用>

 

①建設候補地の現況整理

②新花巻図書館整備基本計画(試案)の検証(機能別規模、諸室配置相関図作成)

③駐車必要台数の検討

④土地利用計画案(ゾーニングプラン)の作成

⑤建設整備プラン図案を作成し、必要な面積の概算整理

⑥図書館整備事業費等を建設候補地別に作成し、比較資料作成

⑦建物外観及び建設内部のレイアウトイメージ図の作成

 

 当初の公表時から1項目(⑤)少なくなっているのがちょっと気になるが、表現の訂正や簡略化のためなのだろうと思い、あえて詮索はしない。ただ、図書館問題をめぐる“迷走”の原因はこんなところにも見て取れるということである。

 

 会見資料にはこんな記述もあった。「業者の選定にあたっては、一般財団法人日本建設情報センターが運営する『業務実績情報システム(テクリス)』に登録される図書館などの公共施設の基本計画策定業務に豊富な実績を有するコンサルタント、概ね実績上位10社程度による入札を予定している」ー。なぜ、これほどまでに「駅前立地」にこだわるのか。首を長くして、9か月先の調査結果の報告を待つことにしようと思う。なぞ解きのカギがそこに隠されているような気がするからである。

 

 

 

 

(写真は身振り手振りで「駅前立地」の正当性を力説する上田市長=花巻市議会12月定例会で。議会中継の画面から)

 

 

 

 

<署名延長のお知らせ>

 

 

 新花巻図書館の旧病院跡地への立地を求める署名運動は全国の皆さまのご協力により、4,730筆という予想以上の賛同をいただくことができました。支援者の一人として、感謝申し上げます。行政側の動向が不透明な中、主催団体の「花巻病院跡地に新図書館をつくる署名実行委員会」(代表 瀧成子)は引き続き、全国規模の署名運動を続けることにしました。締め切りは2024(令和6)年1月末必着。送付先は:〒025-0084岩手県花巻市桜町2丁目187-1署名実行委員会宛て。問い合わせ先は:080-1883-7656(向小路まちライブラリー、四戸)、0198―22-7291(おいものせなか)

 

  署名用紙のダウンロードは、こちらから。 「全国署名を全国に広げます!~これまでの経過説明」はこちらから。署名実行委員会の活動報告などは「おいものブログ」(新田文子さん)の以下のURLからどうぞ。

 

 https://oimonosenaka.com/