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岩手県知事選の“狂気の沙汰”(上)…まるで、独裁者のアジテ-ション!?~賢治と清衡の嘆き節が聞こえてくる!!??~「千葉」語録の録画公開へ、

  • 岩手県知事選の“狂気の沙汰”(上)…まるで、独裁者のアジテ-ション!?~賢治と清衡の嘆き節が聞こえてくる!!??~「千葉」語録の録画公開へ、

 

 「岩手県の財政力は非常に厳しい。国に忖度(そんたく)しないで、基盤整備できますか」、「(国に対し)お願いに行けるリ-ダ-を選んでいただかなくては、岩手県の皆様の幸せにつながらないということを私は今日、布教するために参りました」―。今次の岩手県知事選は立憲民主党など野党が押す現職の達増拓也氏と自民党の全面的な支援を受けた前県議の千葉絢子氏の与野党対決となっているが、冒頭は24日当地花巻で開かれた千葉氏の総決起大会おける本人の発言要旨である。いまや、口にするのも憚(はばか)られる“忖度”とか“布教”という言葉が何のためらいもなく、しかも確信めいた口調でポンポンと飛び出す…そのことに私は心底、怖気(おじけ)づいてしまった。

 

 宮沢賢治は岩手県を「イ-ハト-ブ」と名づけ、こう書いている。「実にこれは著者の心象中にこのような状景をもって実在したドリ-ムランドとしての日本岩手県である」(『注文の多い料理店』広告チラシ)。まさか、“夢の国”のど真ん中でこんな時代がかった、上から目線の言葉を聞くとは思っていなかった。さらに、この候補は「仏国土」―平泉の出身だという。「この鐘の一音が及ぶ所は、世界のあらゆる所に響き渡り、苦しみを抜き、楽を与え、生きるものすべてのものにあまねく平等に響くのです…」(中尊寺建立供養願文=口語訳)―。初代藤原清衡はこの願文に“万物平等”の浄土思想を託した。一体、この人はこうした風土や歴史が培ってきた過去のレガシー(遺産としての記憶)をどう体に刻みこんできたのだろうか。

 

 そいう言えば、イ-ハト-ブの盟主を自認する花巻市の上田東一市長は口先では「中立」を装いながら、千葉候補と二人三脚の蜜月ぶりである。補助金行政にどっぷりと浸かったその手法を是とする二人はきっと、ウマが合うのだろう。そんな中、千葉候補の地元・平泉町長が達増支持を明言したというニュ-スが耳目を集めている。「来年(2023年)はどんな年になるか」と黒柳徹子から問われたタモリはこう答えている。「新しい戦前になるんじゃないですか」

 

 いま全国から注目されている岩手県知事選―。賢治や清衡の「平和思想」を継承する戦いになるのか、あるいはまた「新しい戦前」…あのファシズムの世界へ後戻りするのか。原発の汚染水の放出にはそっぽを向き、五体満足な子どもを産み育てたと自慢気に語るその言葉がそのまま、「障がい者」の心を傷つけていることに気が付かない無自覚性…。この種の人物に対しては「政策」より先に、まずその「資質」こそが問われるべきであろう。将来の国運さえも占いかねない重大な選挙戦の様相を見せつつある。今回の選挙は真の意味で、「夢の理想郷」(イーハトーブ花巻)と「仏国土」(平泉)の真価が試される戦いでもある。

 

 

 

(写真は千葉候補の選挙風景=インタ-ネット上に公開の写真から)

 

 

 

●《知事選特集》

 

 ~千葉候補の発言「全記録」のリンク先を以下に掲載します。政治家の命は「言葉」です。アナウンサーを生業にしてきた千葉候補の口からどんな言葉たちが語られているのか。本当の言葉には魂が宿るー“言霊“(ことだま)と言ったのは作家の故石牟礼道子さんでした。

 

https://x.com/meguken0714/status/1694859872406536685?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694992378606616769?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694977179279646986?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694710900354322461?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg

 

https://t.co/ciRPiu3aDT https://x.com/makimakiia/status/1693641660914081858?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg

 

・ https://t.co/ciRPiu3aDT

 

 

 

 

《9月3日投開票の岩手県知事選まで固定掲載》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内で花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田文子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉絢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出した。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。

 

岩手県知事選候補者に公開質問状と回答8頁(pdf)

・候補者早わかり版チラシhttps://oimonosenaka.com/wp-content/uploads/hayawakari-rotated.jpg

 

おいものせなか | Organic, Ecology and Fair Trade (oimonosenaka.com)

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《追記ー1》~現職の達増氏が一歩リード。岩手県知事選

 

 

 共同通信社は26、27両日、任期満了に伴う岩手県知事選(9月3日投開票)の電話調査を実施し、取材結果を加味して情勢を探った。5選を目指す現職達増拓也氏(59)が幅広い支持を得てリードし、元県議の新人千葉絢子氏(45)が追う展開となっている。回答者の1割強は投票先を決めておらず、情勢は変わる可能性がある。  

 

 両氏とも無所属で、立憲民主など野党が達増氏を支援し、自民、公明両党は千葉氏を推す事実上の与野党対決。政党別では、立民、共産、社民を支持すると答えた人のそれぞれ8割を達増氏が固め、千葉氏は自民支持層の6割に浸透した。「支持する政党はない」とした無党派層からの支持は達増氏が6割弱で、千葉氏は2割台にとどまった。男女別で見ると、達増氏は男女それぞれ5割台の支持を得たのに対し、千葉氏は男性3割台、女性2割台だった。電話調査は、岩手県の有権者と答えた人を対象に実施。固定電話で723人、携帯電話で314人の有効回答を得た(27日付共同通信「電子版」)

 

 

 

《追記―2》~シモ-ヌ、フランスに最も愛された政治家

 

 「仙台から」という奇妙な差出名の以下のようなコメントが寄せられた。時節柄から吸い寄せられるような気持で一気に読んだ。早く、映画を観てみたいと思った。

 

<シモ-ヌ フランスに最も愛された政治家>

 

 今仙台市内ではシモ-ヌ・ヴェイユ(1927‐2017)というアウシュビッツを経験し、女性初の欧州議会議長を務めたフランス人の生涯の描く映画が上映されています。ナチスの独裁政治によってもたらされた最悪の状況と戦い、戦後はその悲惨な現実の記憶に苛まれながら、世間から見捨てられていた人々の人権を本来あるべき姿に戻す様子が描写されています。

 

 今、岩手県内で行われている政治活動は、独裁主義と民主主義、中央集権と地方自治との違いを明らかにするものです。岩手県での結果が今後の日本における民主主義とそれを裏打ちする地方自治の将来を決定する可能性があります。どうか候補者の主張に耳を傾け、ふさわしい人を選ぶことに繋がりますよう隣県から切に祈っています。

 

https://simonemoviejp.com/index.html

 

 

 

 

 

新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(中)…えっ、立地場所が鉄道用地内という“怪”!?、そして、利権の“人質”になった若者待望論の虚実!!??

  • 新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(中)…えっ、立地場所が鉄道用地内という“怪”!?、そして、利権の“人質”になった若者待望論の虚実!!??

 

 「騒音や振動の心配はないのか。万が一の事故でも起きたら…」―。上田東一市長が新花巻図書館の駅前立地を初めて公表した際のある市民のこの言葉をノドに刺さった小骨のように引きずってきた。環境面から懸念を表明した意見だったが、駅前立地への異常なこだわりを目の当たりにしているうちに「何か裏があるな」という“嗅覚”が働いた。念のため、立地場所とされる「スポ-ツ用品店」の土地登記簿を取り寄せてみた。地目は「鉄道用地」で、建物ともにJR東日本の所有になっていた。地目変更をしない限り、鉄道用地内に図書館が出現するという“真夏の世の夢”!!??少しずつ、そのからくりが見えてきた。

 

 「鉄道又は軌道の用に供する土地(以下「鉄軌道用地」という)の価額は、その鉄軌道用地に沿接する土地の価額の3分の1に相当する金額によって評価する」―。国税庁通達(「雑種地及び雑種地上に有する権利」)は「鉄軌道用地の評価」について、このようなル-ルを定めている。電車による振動や騒音被害は全国で相次いでおり、国税「不服審判所」での裁決事例でも土地評価額の減額を妥当とする判断が定着している。たとえば、東京国税不服審判所(平成15年9月5日)の裁決はこう述べている。「鉄道から20㍍の範囲内の部分について、10%減額するのが相当である」

 

 一方、今回のように土地と建物の所有者が同一(JR東日本)の場合、国土交通省の「不動産鑑定評価基準」によれば、建物の解体費用などは所有者が負担すべきとした「建付減価」方式が通例の土地取り引きとされている。ところが、6月13日付でJR側から提示された回答書(8月17日付当ブログ)では「建物付き譲渡と市側による解体、その際の施工方法のJR側への確認」など前例を無視したJR側の高飛車な姿勢が目立っている。「駅前に図書館を建てないなら、まず当方の条件を呑むべきだ」という態度がミエミエである。

 

 「当該用地が現在当社にとって、継続的な収益を生みだしていることや、安全な鉄道事業運営に必要な用地である」(JR回答)―。この発言の中に買い手の市側の足元を見透かした“恫喝”まがいの交渉術が透けて見えてくる。そもそも、鉄道の安全運営に欠かせない土地(鉄道用地)を公共用地(図書館)として譲渡しようとする意図は一体、どこにあるのか。他方、市側はなぜこれほどまで頑(かたく)なに駅前立地にこだわるのか―。ちなみに、鉄道用地については固定資産税が3分の1に減額される特例も設けられているが、地目変更をしないまま現在も「商業施設」(スポ-ツ用品店)が営業を続けていること自体に法的な疑義を覚えざるを得ない。ことほど左様に新図書館の駅前立地というからくりの全体像は以前、“闇”の中に隠されたままである。

 

 こうした“不都合な真実”は黒塗りされた3項目の中に目隠しされているはずだが、開示された部分にも例えば、対等な土地取り引きでは想定されない「土地収用法(今回は譲渡益の課税繰り延べが理由)」の適用や譲渡した土地・建物の第三者への譲渡禁止など通常では考えられない留保条件が付されている。これを裏返せば、買う側(市側)の「利権」の実態も相対的に浮かび上がってくるという構図である。双方の思惑がこんな形で一致する時に「利権の構図」が成立することを私は肌で知っている。私事で恐縮だが、現役記者時代にハマコ-こと故浜田幸一代議士の“金権”問題を追及したことがある。買い取った土地を翌日には転売(土地ころがし)して“利ザヤ”を稼ぐ手法は日常茶飯事だった。以来、土地取り引きの背後には「利権」が付きものだという職業意識を持つようになった。

 

 ハマコ-の時代だけではない。当地でも旧新興製作所跡地をめぐって、土地を取得した不動産会社が翌日にその一部をパチンコ店に転売するという出来事があった。この会社はその後倒産に追い込まれたため、“うま味”にあずかることはできなかったが、由緒ある城跡が土地ころがしの舞台となった前代未聞の不祥事だった。旧新興跡地や旧料亭「まん福」跡地、旧花巻病院跡地、加えていま渦中の「スポ-ツ用品店」跡地問題…。法外な要求を突きつけようとするJR側とズルズルと後退を余儀なくされる市側と―。上田市政が今後どんな、手法を繰り出すのか。そこにいかなる「利権」がからんでいるのか、あるいはいないのか―じっくりと観察させていただこうと思う。

 

 いま思うに、高校生たちが駅前立地を望んでいるという”若者待望論”も結局は利権行政の”人質”ー若者の政治利用を目論んだ”フェイクニュース”だったのではないかという虚しさだけが澱(おり)のように沈殿している。これって、ある意味で悪質な”犯罪行為”ではないのか…

 

 

 

(写真は「鉄道用地」の中に建っているスポ-ツ用品店。新図書館の「駅前立地」とは厳密には「“駅中”立地」のことだった。右側の高層ビルはホテル=花巻市大通りのJR東北本線側から)

 

 

 

《9月3日投開票の岩手県知事選まで固定掲載》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内で花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田史実子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉詢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出した。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。おいものブログにはひと目でわかるダイジェスト版も。

 

岩手県知事選候補者に公開質問状と回答 修正版8頁(pdf)

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《追記ー1》~慶応が107年ぶりに優勝、歴史を塗り替える快挙!!??

 

 全国高校野球大会の決勝戦が23日に行われ、慶応義塾高校(神奈川)が昨年の覇者・仙台育英高校(宮城)を破り、107年ぶりに優勝した。思えば、世紀を超えるこの快挙の前史を知る人はほとんど存命していないわけであり、歴史に新しいページを印した高校球児に心からの感謝を伝えたい。陰湿な「イーハトーブ”図書館戦争”」が続く中、すがすがしい風を送ってくれた”陸の王者”よ、ありがとう。

 

 

《追記ー2》~「理解不能」(通りすがりの市民を名乗る方からのコメント)

 

 「当該用地が現在当社にとって、継続的な収益を生みだしていることや、安全な鉄道事業運営に必要な用地である」(JR回答)

 

~ 「安全な鉄道事業運営に必要な用地」なのに、なぜ「当該用地が現在当社にとって、経常的な収益を生みだ」すような使われ方がなされているのでしょうか?スポーツ用品店とその駐車場場が「安全な鉄道事業運営」に資するものなのでしょうか?意味不明なJR東日本の回答ですが、交渉している市の人は理解しているのでしょうか?市の職員と違って頭の悪い私には理解不能です。

 

 

《追記ー3》~あれっ、やっぱり”中立”じゃなかったんだ!!??

 

 県知事選への意向調査(17日付当ブロブ「あれっ、”中立”だっけ」参照)で、「中立」の立場を表明していた花巻市の上田東一市長が24日、当地で開かれた千葉絢子候補の総決起大会に出席していたことがSNS上で分かった。「国に忖度しないで、基盤整備できますか」ー。自民党の全面支援を受ける千葉候補はこう言ってのけ、この日の原発汚染水の放出にも結局、触れずじまい。先輩格の”忖度”市長はきっと、感涙(かんるい)にむせんだにちがいない。さ~て、上田市長が対立候補のこの種のイベントに顔を見せるかどうかが、その「中立度」を測定するカギになりそう。舌が一枚か2枚か…当分、この人の一挙手一投足から目を離すことはできそうにない。

 

 

新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(上)…上田流「ダブルスタンダ-ド」~JR交渉は”全面降伏”か!?税金の使途が闇の中に!!??

  • 新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(上)…上田流「ダブルスタンダ-ド」~JR交渉は”全面降伏”か!?税金の使途が闇の中に!!??

 

 「安物買いの銭失いをしないことが私の行政運営の鉄則」―。花巻市の上田東一市長が誇らしげに掲げてきた“錦の御旗”が新花巻図書館の駅前立地をめぐるJR交渉で一挙に後退を余儀なくされつつある。開示請求して入手した文書には「(この件に関し)議会で答弁される際は情報を前もっていただきたい」と記されるなど舞台裏での生々しい駆け引きの様子がうかがわれる。難航を続けるJR用地の土地交渉について、市側は6月市議会で「交渉に応じるとの前向きの回答があった」と報告。対象面積は立地場所のスポ-ツ用品店敷地を含めた約3,664平方㍍に上ることを明らかにした。

 

 「当該用地が現在、当社にとって継続的な収益を生み出していることや、安全な鉄道事業運営に必要な用地であることも考慮いただき…」とするJR側の回答書(6月13日付)には用地譲渡の条件として、8項目が列挙されているが、うち5~7項は黒く塗りつぶされたおなじみの“ノリ弁”状態。ということは、この非開示の部分こそが双方にとって、それを公にすることが”不都合な真実“であるということを如実に暗示していると言える。

 

 そんな中、この譲渡条件でとくに目を引くのは「建物(スポ-ツ用品店)付きで花巻市に譲渡する」、「建物の撤去については、花巻市にて施行する」―という項目。つまり、「是非ともほしいのであれば、建物ごと買い取ってもらい、店舗補償や更地化もそちらで…」とまるで“足元”を見透かすような交渉術である。市側が駅前立地の合理的な理由を示さないまま、仮に“全面降伏”に追い込まれたとなれば、「なぜ」という市民の疑惑はさらに深まるのは必須である。

 

 市中心部にいまも無残な姿をさらけ出す旧新興製作所跡地(旧花巻城址)の譲渡交渉をめぐって、上田市長は就任直後の8年前「利用目的がはっきりしない土地の購入に税金を投入するわけにはいかない」と跡地の取得を断念した。当時の譲渡価格はわずか100万円だったが、建物の撤去費用に数億円を要することが断念の理由で、議員の大半もこれに同調した。その後、当該跡地は不動産会社の手に移ったが、建物を撤去した段階で倒産に追い込まれた。がれきの荒野と化してすでに5年以上。「いちばん問題だったアスベストやPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有毒物質が撤去されたのは良かった」と当時、上田市長はこんな屁理屈を並べ立てて平然としていた。そこには、いまも景観を損ね続けていることへの行政責任のひとかけらもない。

 

 いま新図書館の立地場所として、駅前とともに有力視されている旧総合花巻病院跡地―。当時の協定書(平成29年3月)によれば、「新病院の開業後、現在の病院敷地内の建物・施設はすべて解体撤去し、土壌汚染対策法上の処置をしたうえで譲渡する」と明記されており、すでに一連の作業は終わり、正式な市有地化の契約手続きを待つばかりとなっている。

 

 上田市長はこの間の経緯について「旧新興跡地の教訓を旧病院跡地の取得条件に生かすことができた」と鼻高々だが、その伝(でん)で言うなら、駅前用地の所有者であるJR側に対しても、建物の撤去や更地化を求めるのが本来の「上田」流儀ではないのか。ところがどうも「安物買いの銭失い」というあの時の勢いが感じられない。それどころか、あえて”高物買い”に手を出そうとする愚(ぐ)に戦慄さえ覚えてしまう。何が何でも駅前でなくてはならないという“裏の事情”があるのではないか―。市民の間にこんな行政不信が高まるのはある意味、当然であろう。

 

 駅前に立地する場合、図書館本体を除く駐車場建設の整備費用などとして10億円以上が見込まれ、この中にはスポ-ツ用品店の建物解体や営業中止に伴う補償など約6千万円が含まれている。「新興のケ-スをまるで“成功事例”みたいに言い募るが、旧病院跡地が市有地になることが決まっているのに、駅前用地を新たに取得するのはそれこそ税金のむだ遣いではないのか」―。当分、上田流「ダブルスタンダ-ド」の成り行きから目を離すことができない。「JR側はスポ-ツ店の営業継続もほのめかしている…」―。担当現場からはこんな恨み節も聞こえてくる。上田市長の”二枚舌”…「パンドラ」の箱には一体、何が隠されているのかー

 

 

 

 

(写真はふたたび肝心の部分が隠されたJR回答書)

 

 

 

 

《追記ー1》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田史実子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉詢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出。このほど、その回答を得た。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。

 

岩手県知事選候補者に公開質問状と回答 修正版8頁(pdf)

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おいものブログ:SSブログ (ss-blog.jp)

 

 

《追記―2》~花巻東が準々決勝へ進出、大谷選手も祝砲!!??

 

 花巻東高校が17日、強豪の智弁学園(奈良)を5:2で破り、準々決勝への進出を決めた。19日、昨年初めて全国制覇を果たした仙台育英(宮城)との初の“みちのく”対決が実現する。失点の危機を救った広内駿汰・外野手のスーパーキャッチにSNS上では「広内君の守備範囲、広ない?」などの賛辞の言葉が飛び交った。一方、海の向うでは同校の先輩である大谷翔平選手がこの日(日本時間17日)、リーグトップとなる42号ホームランを放った。

 

 ところで、”エッフェル”騒動の渦中にある広瀬めぐみ・参院議員は弁護士の資格も持っているらしい。どうも、人を弁護する際の基本中の基本である「コンプライアンス」(法令遵守)や「ガバナンス」(内部統制)のあり方が分かっていないらしいこの人にはこの際、堂々の勝利行進を続ける東高校ナインにその精神を学んでほしいものである。いや、大雨に伴う「災害警戒本部」(7月21日付当ブログ参照)が開設されていたにもかかわらず、県議選候補者の選挙応援にノコノコ出かけた上田市長にもぜひ…

 

 

《追記ー3》~祝健闘、花巻東ナイン!!??

 

 花巻東高校は19日、昨年の覇者仙台育英(宮城)と4強を目指して対戦したが、9:4で惜しくも敗れた。しかし、この間のガンバリは閉塞感が漂うイーハトーブ(賢治の理想郷)にさわやかな風を送り続けた。さらに同校出身の大谷翔平選手はこの日、43号となるグランドスラムを放ち、雨天下で行われた花火大会に花を添えた。

 

 

《追記―4》~上田流「危機管理」のチグハグさ、ここにあり!!??

 

 「今後強い雨による急な増水や土砂災害が発生するおそれが高いため、河川や用水路、山や崖など急な斜面には近づかないようにしてください」―。花巻市は19日午後4時22分、大雨警報(土砂災害)と洪水警報の発表に伴い、災害警戒本部を設置した。一方で、警戒本部がまだ解除されない午後6時30分、北上川河川敷を会場とした花火大会(2023花火ファンタジ-)の実施をHP上で告知した。「観覧席や駐車場は、雨の影響により地面がぬかるんでいる箇所や水溜まりがございますので、ご注意ください」という呼びかけが振るっているではないか。

 

 「川に近づかないように呼びかける一方で、その河川敷での花火大会を強行する」―。「危機管理」の難しさがここに浮き彫りにされているが、私が危惧するのは当ブログで再三、触れて来た上田東一市長のその判断のチグハグさである。雨天による延期日として、8月26日(土)が設定されていたが、打ち上げ時間の午後7時半前後に雨が上がったため、予定通りに豪華な花火が夜空を彩った。ホットする気持ちと同時に雨天によって1時間半以上も試合が中断した花巻東高校のあの壮絶な試合を思い出した。政治とは実に「有事の際の決断」と言っても過言ではない。上田市長に果たして、その覚悟はあるや否や?なお、警戒本部が廃止されたのは深夜(午後11時15分)になってからだった。

 

 

《追記ー5》~あれっ、”中立”だっけ!!??

 

 岩手日報(21日付)が県内32市町村(盛岡市を除く)の首長を対象に次期知事選に対する動向調査を行った結果、「中立」を表明したのは25人。当花巻市の上田東一市長もその一人で、理由についても「コメントしない」と回答した。いゃぁ、これって”虚偽”回答じゃないの。大雨による「災害警戒本部」が開設されていたさ中、ある自民党県議の選挙応援に出かけたのは誰だっけ?(7月21日当ブログ参照)。今回、自民党の全面支援を受けた知事候補、いまや”エッフェル女王”の名をほしいままにする自民党所属の参院議員…。彼女らと席を同じくしていたのはたしか、貴殿だったはず。もはや「リスク」感覚の欠如だけではなく、「政治決断」の度量さえも消え失せってしまったみたい…。あぁ、「悲しき口笛」

 

 

 

 

 

 

危機管理ゼロ人間が全員集合…自民党女性局とイ-ハト-ブの懲りない面々~お盆の“悪夢”が再来!?花巻東ナインの「雨ニモマケズ」精神に学べ!!??”エッフェル”騒動が知事選に思わぬ波紋!!!???

  • 危機管理ゼロ人間が全員集合…自民党女性局とイ-ハト-ブの懲りない面々~お盆の“悪夢”が再来!?花巻東ナインの「雨ニモマケズ」精神に学べ!!??”エッフェル”騒動が知事選に思わぬ波紋!!!???

 

 自民党女性局のパリ“観光旅行”が全国民的な批判を浴びているが、その中のひとり地元岩手選出の広瀬めぐみ参議院議員(当選1回)のもうひとつの「危機管理」のなさぶりが新たな”火種”になりつつある。まるで、美食ツア-並みの今回の大名旅行が行われた10日ほど前の7月20日、広瀬議員は花巻市内で開かれた地元県議の総決起集会に来賓として、出席していた。当日は同市内に大雨による洪水や土砂災害への警戒を呼びかける「市災害警戒本部」が開設されていたが、集会はその真っただ中で強行された。

 

 まずは7月21日付の当ブログ「『危機管理』なんて、クソくらえ」の写真の面々をとくと見てほしい。危機管理のトップに立たなけれなならない首長や議員が全員集合という記念碑的な写真である。広瀬議員のほか、個人名はあえて控えるが、その肩書はこの秋の知事・県議選(9月3日投開票)の立候補予定者、それに地元・イ-ハト-ブ花巻の市長と市議会議長などなど。ベルサイユ宮殿などの観光地をめぐった後、よだれが出そうな美味を味わったらしい広瀬議員に限らず、この写真のご仁たちにとってはそもそも「市民の安心・安全」などは口先だけのことらしい。

 

 こんな”低俗”議員を国会に押し上げた責任の一端はむしろ、選んだ側にある。そう、旧統一教会がらみのあの選挙である。そして、まだ1年生のこのひよっこ議員の驕慢(きょうまん)ぶりの中に政治の腐敗のすべてが凝縮されている。あの時の余韻を引きずるようにして、またぞろ選挙の季節が近づいてきた。今度こそ、オメオメ騙(だま)されないように…。以下に戦前の著名な映画監督、伊丹万作の「戦争責任者の問題」(昭和21年8月)の一節を引いておく。

 

 「つまりだますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。『だまされていた』といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである」―

 

 

 

 

(写真は豪華なフルーツの盛り合わせ。広瀬議員のツイッタ-に一時掲載されたが、今回の騒動の後に削除された=インターネット上に公開されていた写真から)

 

 

 

《追記ー1》~あぁ、あの“事件”は2年前のお盆の入りの日ー本日「8月13日」のことだった!!??

 

 そういえば、同上総決起大会に選対総括責任者として名を連ねていたのは2年前、岩手県がコロナ緊急事態宣言を発出した盆入りの8月13日、親族らと飲食を共にしていた当時の副市長(その後、辞職)だった。因果はめぐる。いまこの人物、あの時の飲食先の焼き肉店が入居する道の駅の社長の座にちゃっかり、納まっている。ミソもクソも一緒くた。これがイ—ハト-ブ花巻(賢治の理想郷)の実態であることを改めて肝に銘じておきたい。

 

 

《追記―2》~雨ニモマケズ…花巻東高校が接戦を制し、3回戦へ

 

 ”悪夢”の盆入りの13日、花巻東高校が雨による1時間34分の中断をはさんだ末、郷土の詩人、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」精神を見事に発揮。北北海道代表のクラーク記念国際高校を2対1の接戦で制した。応援に駆けつけた上田東一市長ら上記の「危機管理ゼロ」集団の面々にはこの高校球児の「爪の垢」のひと匙でも煎じて飲んで欲しいものである。その純粋なこころの中には「リスク」回避の要諦がいっぱい、詰まっているはずである。菊池雄星や大谷翔平ら同校卒業生の海の向こうでの活躍ぶりがそのことを見事なまでに証明している。大谷選手はこの日(日本時間14日)、9試合ぶりとなる41号ホームランを放ち、母校の勝利に花を添えた。

 

 

《追記ー3》~自民党”エッフェル騒動”余話

 

 自民党女性局の浮世離れしたフランス旅行が17日に告示される岩手県知事選に思わぬ波紋を起こしている、と15日付の日刊ゲンダイが伝えた。次期知事選には現職で5選を目指す達増拓也知事(59)と元県議の千葉詢子氏(45)がすでに出馬表明。野党各党が達増知事を支持する一方、自民党県連は千葉氏を全面支援、与野党による一騎打ちの構図となっている。

 

 千葉氏と二人三脚の形で動いてきたのが、渦中の広瀬めぐみ・参院議員。「自民党”エッフェル騒動”が岩手知事選を直撃」という大見出しの記事は、広瀬議員がSNSをストップし、”雲隠れ”していると報じている。さ~て、告示日にこの人は姿を見せるのか…選挙の関心を別の方向から高めてくれたという点ではある意味、貢献者と言えなくもない(その二人三脚ぶりは7月21日付当ブログをとくと、ご覧じあれ。右の人物にも注目)

 

 

《追記―4》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田史実子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉詢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出。このほど、その回答を得た。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。

 

・岩手県知事選候補者に公開質問状と回答①原文9頁(pdf)

https://oimonosenaka.com/wp-content/uploads/20230816-1.pdf

おいものせなか | Organic, Ecology and Fair Trade (oimonosenaka.com)

おいものブログ:SSブログ (ss-blog.jp)

 

 

 

 

 

 

 

『男やもめの七転び八起き』…コロナ禍の放浪の日々、そして「記憶と祈り」の8月

  • 『男やもめの七転び八起き』…コロナ禍の放浪の日々、そして「記憶と祈り」の8月

 

 妻との死別、コロナパンデミックの直撃、老人施設への緊急避難と脱出、そして市議選での惨敗…。この5年間、地べたをのたうち回った老いぼれの足跡(そくせき)を『男やもめの七転び八起き―イ-ハト-ブ敗残記』(論創社)というタイトルでまとめた。第1部「男やもめの“七転び”―妻の死とコロナパンデミック」、第2部「男やもめの“八起き”―叛逆老人は死なず」―の2部構成で、発行日は妻の没後5年の月命日に当たる「7月29日」。定価は1800円(税別)で、8月11日以降、全国の書店で随時店頭販売されるほか、Amazonなどのショッピングアプリで電子書籍も購入できる。

 

 正直、こんな惨めな姿をさらけ出すことにはためらいもあった。しかし、未知なるウイルスに翻弄(ほんろう)されたひとりの人間の”カルテ”として残すことにはそれなりの意味があるのではないかと考え直した。足元のイ-ハト-ブでは海の向こうの独裁者顔負けの強権政治がまかり通っている。余命が許してくれるなら「イ-ハト-ブ“図書館戦争”」(従軍記)なるタイトルで、稿を改めたいと思う。「思考停止」というもうひとつのウイルスが蔓延中である。これにどこまで抗うことができるのか、人生最後の勝負どころだと考えている。

 

 

 

<縁(えにし)の不思議―その1>

 

 拙著が発行された翌日の7月30日、畏友のノンフィクション作家、鎌田慧さん(85)の『叛逆老人 怒りのコラム222』が同じ出版社から刊行される運びになった。実は第2部の執筆を促したのは鎌田さんの前作『叛逆老人は死なず』(岩波書店、2019年12月刊)だった。「戦争に傾斜するグロテスクな時代を招くにいたったのは、われわれ老人が、平和の恩恵のなかに安閑と暮らしてきたからだ」―。この過激な檄文にそそのかされて市議選出馬を決断したことをこの場で白状しておきたいと思う。

 

<縁の不思議―その2>

 

 朝日新聞のオピニオン欄「耕論」(7月25日付)に「『帰れ』という言葉」と題する特集が掲載された。その地の国籍を持たない人や在留資格のない人に向けられる排外主義的な言葉の背景を論じた論考で、私はとっさに東日本大震災の際、当地花巻に避難していた被災者に向けられた「さっさと帰れ」発言を思い出した。被災者支援を審議する議会のさ中、ある議員が傍聴席を埋めた被災者に向かって「帰れ」と暴言を浴びせるという信じられない出来事が起きた。「着のみ着のままで投げ出された私たちには、帰る場所はないんです」という悲痛なうめきがまだ、頭の奥深くでこだましている。

 

 今回の特集で、北米先住民研究者で亜細亜大学教授の鎌田遵さん(50)はこう語っていた。「しばしば白人から『Go home(家に帰れ)』という言葉を投げつけられました。私には帰る国がありましたが、帰れない事情を抱える人が大半でした」。市議1年生の時に目の当たりにした「暴言」事件と構図は同じだと思った。

 

 鎌田さんは学生時代、カリフォルニア大学バ-クレ-校に留学していた。米国を訪れた際、同大学ネイティブ・アメリカン学科の図書館の案内をお願いした。『コタンに生きる』(岩波書店、1993年11月)という懐かしい本を先住民コ-ナ-の片隅に見つけた。現役記者時代、仲間とチ-ムを組みアイヌ民族を生きざまを追った渾身のルポだった。「おじさん、僕がネイティブ・アメリカンなど先住民の研究に入るきっかけは実はこの本と遭遇したからですよ」とその時、遵君は言った。実は鎌田慧さんとは親子の関係である。

 

 私が遵君の父親に背中を押される形で市議選に挑戦したかと思えば、遵君は私たち取材班が手がけた一冊の本がきっかけでその道の研究者へ。まこと、「縁は異なもの味なもの」―である。

 

 

 

 

(写真は時を同じくして出版された“叛逆”シリ-ズ)

 

 

 

《追記》~「記憶と祈り」の8月…拙著『男やもめの七転び八起き―イ-ハト-ブ敗残記』より

 

 「6日(広島原爆)・9日(長崎原爆)・15日(敗戦)…また、『記憶と祈り』の8月がめぐってきた。コロナ禍の中での“五輪狂騒曲”の陰にかすんで、その輪郭はまるで漂白されたかのように定かではない。…戦前、知性派の映画監督として知られた伊丹万作のあの有名な檄(げき)『戦争責任者の問題』(昭和21年8月)の一節が耳の奥ではげしくこだました」(2021年8月8日付、210ページ)