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岩部山三十三観音めぐり紀行10

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第10番 「明星山 三室戸寺 千手観世音菩薩 」

 

夜もすがら 月を三室戸 わけゆけば 宇治の川瀬に 立つは白波

 

夜通し、月の明かりを見ながら三室戸寺への道を分けて行くと、宇治川の瀬に白波が立ち騒いでいる。

 

◇月を「見よう」と「三室戸(みむろと)」をかけています。

月は「真如の月」※とし、白波は観音浄土の補陀落を表しているとすると、

「煩悩の闇の中、明月に照らされ、浄土のような三室戸寺で心の迷いが晴れわたる」

と解釈できます。

※明月が闇を照らすように、煩悩の迷いが晴れること。

2020.06.03:nakagawako:コメント(0):[◇岩部山三十三観音]

岩部山三十三観音めぐり紀行9

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第9番 「興福寺南円堂 不空羂索観世音菩薩」

 

春の日は 南円堂に 輝きて 三笠の山に 晴るるうす雲

 

暖かい春の日※のように、観音様の慈悲の心が南円堂を輝かせている。

三笠山の薄い雲もやがて晴れるであろう。

 

◇三笠山を法皇自身になぞらえ、「私の心の曇りも、観音様の光明で晴れることだろう。」と解釈できます。

※江戸末期まで、興福寺が春日大社を支配していたため、「春の日」と「春日大社」をかけています。

 

2020.06.02:nakagawako:コメント(0):[◇岩部山三十三観音]

岩部山三十三観音めぐり紀行8

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第8番 「豊山 長谷寺(初瀬寺※) 十一面観世音菩薩」

 

いくたびも 参る心は はつせ寺 山もちかひも 深き谷川

※長谷寺は奈良県桜井市初瀬にあるので初瀬寺とも云われています

 

初瀬寺は景色がよく、幾度訪れても初めての心地となる。

観音様の「全ての人を救う」ご請願は、長谷の山や谷川のようにとても深い。

 

◇上の句「心ははつ(初)」にするため、長谷寺ではなく、あえて「はつせ寺」(初瀬寺)にしたと考えられます。

観音経は「弘誓深如海」(広き誓願は海のように深い)と申されています。

 

遊歩道からは岩陰にあるので見つけにくいかもしれません。

2020.06.01:nakagawako:コメント(0):[◇岩部山三十三観音]

岩部山三十三観音めぐり紀行 番外編

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見送り観音

 

「安全地蔵尊」と表示されていますが、そのお姿は「十一面観音」のように複数の顔を持つ像容を表していることから、「安全観音」と云った方が良いかもしれません。

40年前には「見送り観音」と云われていた記憶があります。どちらにせよ参拝者の安全を願っていただける、ありがたい仏様に変わりはありません。

 

2020.06.01:nakagawako:コメント(0):[◇岩部山三十三観音]

岩部山三十三観音めぐり紀行7

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おはようございます。連日良い天気が続き気分も上々です!

この天気は来週の月曜日まで続きそうです、気持ちの良い週末になりそうですね!

 

第7番 「東光山 岡寺(龍蓋寺) 如意輪観世音菩薩」

 

けさ見れば つゆ岡寺の 庭の苔 さながら瑠璃の 光なりけり

 

今朝、目にした岡寺の庭の苔は置く露に濡れて、さながら瑠璃の輝きのよう。

 

◇「置く」と「岡」をかけています。

「置く露の」は枕詞です。「露たなびく」のように「露は置く」となります。

瑠璃は仏教の七宝※の一つであることから、「岡寺は観音浄土である。」と称えた歌と解釈できます。

 

※七宝は経典により種類が異なるが、瑠璃はいずれの経典にも入っています。

法華経では金・銀・瑪瑙(めのう)・瑠璃・蝦蛄(しゃこ貝の貝殻)・真珠・?塊(まいかい・中国産の赤い石)の七種。

2020.05.29:nakagawako:コメント(0):[◇岩部山三十三観音]