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特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑨

特別展「上杉鷹山の生涯」後期では、3振の刀剣を展示中。

1 太刀 銘 国宗

 鎌倉~南北朝時代(13~14世紀)

 重要文化財渡辺家保存会蔵

 備前三郎国宗の作と鑑定される。米沢藩への融資に応じた謝礼として、享和2年(1802)に上杉家から関川村渡邉家に贈られた名刀。

 

2 脇指 銘 兼辰室町時代(16世紀)

  重要文化財渡辺家保存会蔵

美濃伝の脇指で、上杉家からの拝領と伝わる。1の国宗の太刀と合わせ、米沢藩の職人が手掛けた大小拵(展示中)に収まる。

所蔵者である重要文化財渡辺家保存会のご厚意で、今回の展示に合わせ研磨され、美しい姿で公開。

 

3 山形県指定文化財

刀 銘(表)以五郎入道正宗末孫源綱広嫡伝正秀作之

寛政2年(1790) 当館蔵

米沢藩領出身の名工水心子正秀と、弟子2名による合作。相州伝の作風はほとんど正秀のものとされる。

水心子のもとには米沢藩の刀工も数多く弟子入りし、大きな影響を受けた。

 

特別展「上杉鷹山の生涯」、会期はいよいよ明日(6/20)まで!お見逃しなく。

 

展覧会の詳細はこちら

 

図録はWebショップでも販売中

 

【お問い合わせ】

 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2021.06.19:denkoku:[博物館情報]

特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑧

  • 特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑧
  • 特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑧
  • 特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑧

開催中の特別展「上杉鷹山の生涯」では、本草学者佐藤中陵(平三郎)の資料を公開中。

中陵は江戸の本草学者です。寛政改革に際し、領内の特産品開発のため米沢に招かれました。

中陵の著作「山海庶品」(水戸市立図書館蔵)は巧みな挿絵も見どころです。動物は緻密で少しかわいらしく!

この他、中陵と教えを受けた米沢藩医の子弟の交流を示す漢詩や、干しシイタケの栽培法を伝えた中陵の著作「驚蕈録」を展示中。

「驚蕈録」…蕈=キノコ(シイタケ)の驚くべきすばらしさを伝えた著作。美味しく、保存でき、商品にもなる!水戸、白河、米沢、会津と栽培技術が広めた経緯も分かります。

中陵は後に水戸藩に仕官し、その蔵書や著作は現在水戸市立図書館に所蔵されています。

中陵の年譜は

https://www.library-mito.jp/archive/overview/?id=1

山海庶品の一部は国会図書館デジタルコレクションでも閲覧できます。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1288354

 

 

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 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2021.06.19:denkoku:[博物館情報]

特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑦

  • 特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑦

開催中の特別展「上杉鷹山の生涯」で初公開の資料の一つが

(延享元年・1744)御城下絵図1鋪

約2m×2.5mの絵図を平置きで展示し、四方からご覧頂けます。

昨年新たに確認され、今回が初お披露目になります。

 

鷹山時代の米沢城下絵図のうち明和6年(1769)の絵図は

「明和六年 米沢城下絵図」デジタルマップ

としてweb閲覧が可能です。

 

展示中の絵図の年代を推定する際は、このデジタルマップを活用しました。

人名検索ができるので、代替わりした人物を抽出、比較し、系図類と突き合せ、延享元年の年末か翌2年の正月~2月頃の内容を記したようです。

鷹山より前、7代藩主宗房時代の、家臣の屋敷割を主題にしており、状態はきれいです。

5000名以上と、藩の規模に比べて過大な家臣団を抱えた、上杉氏の城下町米沢の様子がよく分かります。

 

企画展示室に入ってすぐ、右手に展示中です!

 

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 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2021.06.07:denkoku:[博物館情報]

特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑥

  • 特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑥

開催中の特別展「上杉鷹山の生涯」では、

有名な「なせばなる なさねばならぬ 何事も…」の和歌が記された

上杉鷹山書状(国宝「上杉家文書」)を展示中。

特徴のある丸みを帯びた文字をご覧ください。

 

この和歌は、天明5年(1785)に鷹山が実子顕孝に仕える家臣たちに贈った教育方針に記されています。

実際は教育方針として、顕孝に聞かせたい話と聞かせたくない話を七種類上げ、その最後に「なせばなる…」の和歌が来ます(写真は後半)。

教育係の家臣に、顕孝に好影響を与えるため、日頃から言動に気を付けるよう注意したのです。

お金の話や人の悪口、おいしい食べ物、軽口などなど。こんな話をしないよう、日頃の言動に気を付けるのは、難しいけれど、「なせばなる!」と伝えています。展示の初めの部分で紹介しているのでお見逃しなく!

 

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 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2021.06.04:denkoku:[博物館情報]

特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑤

  • 特別展「上杉鷹山の生涯~藩政改革と家臣団~」展示紹介⑤

開催中の特別展「上杉鷹山の生涯」では、山形大学附属博物館さんからお借りして

小鵜飼船の模型を展示中です。

鷹山の時代に、最上川の上流域で利用された小型船です。普段は同館で常設展示されています。

小さな船ですが、だからこそ浅く川幅の狭い上流域でも利用可能でした。

模型では、帆や船室も丁寧に再現されています。

鷹山の時代と言えば、飢饉、食糧不足のイメージがありますが、実際は多くの年は領内では米は余り気味。

輸送力を強化して領外に米を売り払い、藩の収入にするために、小鵜飼船の導入などが進められました。

重要な輸送拠点だった正部(白鷹町)の船着き場周辺を描いた絵図パネルとあわせて展示中です。

 

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 米沢市上杉博物館  0238-26-8001

2021.06.04:denkoku:[博物館情報]