2月25日(日))
いつ来てもこの駅は変わらない。国鉄時代の運賃表、荷主不明荷物のお知らせ・・・。ずっとこのままでいて欲しい。まるで時が止まったかのように。(鎌倉市 田中)
2月27日
この駅は心落ち着きます。私も大好きです。やさしかった自分に戻れるから・・・。ずっとこのままでいて欲しい。
3月17日のテレビ放映の4日後、長井線利用拡大シンポジウムがあり、村川透監督の講演がありました。「映画を作る人は口下手なんだよ。」と笑わせながら、今回のドラマ制作にかけた思いを語ってくれました。お話は次のような内容だったと思います。
幼い頃、戦地からの引揚者が列車で帰って来た。3男坊で自立しないといけない監督は、映画の道に入るために故郷を離れた。親を想う、故郷を想う、そんな人間ドラマを作りたかった。フラワー長井線は、美しい山並みも含めて故郷の宝物、日本の宝。一人一人の宝物、自分の哲学として考えて欲しい。一度失ったら再生できない。しんどい雪に勝つ気概を持って、自分たちが動いていこう。「フラワー長井線は宝物だ」と思ってくれる作品を一年がかりで作りたい。などなど
ドラマの中で、「お前は父さんの子だ。誰よりも一番大切な宝物だ。」と語る場面が何回も映し出されていた。そして思い出の駅舎の前にはお地蔵様も映し出される。「宝物」という言葉は、監督自身が家族と故郷に伝えたかったものだったのではなかろうか。そして長井駅で最後に語らせたセリフが、「どんな嵐が来ようが停まることはない。」だった。
日本各地で先を競うように開花宣言のニュースが流れていますが、ここ羽前成田駅も開花しました。といってもソメイヨシノではなく十月桜です。昨年の11月にも咲いていたので、4カ月後にしてまた花を咲かせたことになります。3月中に桜を見た記憶はありませんでした。今年の花見は急がないといけないかなぁ。今年の春は妙に気ぜわしい春です。 ⇒ 秋空の十月桜はこちら http://samidare.jp/orada2/note?p=log&lid=462619
さてさて、美術と小道具のスタッフが準備したものが、しっくりと映像の中に映し出されていました。15年前の回想シーン。待合室の父親の手には火ばさみ。黄昏色に包まれた駅長室。机の上には2色の手旗、ちゃぶ台にはミカンと笹巻。益岡さんは、さりげない演技の中で火ばさみを使い、手袋をはずす。小道具、俳優、映像が一つになった世界が広がっていた。この映像を見て、木造駅舎が持つ空間の魅力を改めて感じることができたような気がします。
「西村京太郎トラベルミステリー」が17日、放送になりました。益岡徹さんの演技が素晴らしくて、「山形鉄道が結ぶ『愛と哀しみの絆』」のテーマにふさわしいドラマでした。また葉山連峰の雪景色と紅花号のコントラストなど、山形鉄道の魅力を最大限に表現してくれたように思います。特に羽前成田駅での回想シーンは、とてもいい味を出していました。裏方さんの仕事を紹介した「ドラマのドラマ」の検証は、次の機会に譲ることにして、最も記憶に残ったセリフを紹介します。
長井駅のホームで、親子を乗せた列車を見送りながらのシーンで。
亀 井「走り続けますよね、あの列車」
十津川「ああ、どんな嵐が来ようが停まることはない」