半年後、こうして羽前成田駅は、白い傘を持ってホームに立っていると恋人に巡り合えるという、「愛の聖地」になったのでした。そして、またこの日、羽前成田駅を二人の娘さんが訪れたのでした。
「鮎子ちゃん、写真撮るよ。合言葉はnarita-en(成田縁)よ」「はーい、narita-en!」
「ねぇ、リンゴちゃん、今度は私に傘を貸してー。」「いいよ鮎子ちゃん、じゃ私が写真撮ってあげるね。はーい、narita-en!」
そしたら不思議、不思議、摩訶不思議。どこから現れたのか二人の男性が現れました。脇で羨ましがっている女性をよそに、「はーい、narita-en!」。めでたし、めでたしでした。