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停車場憧憬 朽ちた基準杭

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俺だって都会に憧れていた

でもここから出ることはできなかった

家族を捨てられないとか

故郷で生きるんだとか

そんなカッコ良いものじゃない

でも今 俺はここで生きている

朽ちた基準杭のようにここで生きている

 

祭り終え帰る友垣見送りて 吾は朽ちたる杭のごと在る

2017.01.12:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬 若き旅人達へ

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停車場で若者達と酒を酌み交わしたものだ。カフェをやりたいとか、それぞれの夢を語ってくれた。いつか彼らは、それぞれの道に向かって飛び立って行った。「大きくなって顔を見せに来るよ。」などと、生意気なことを言っていたものだ。

現実は決して楽なものではない。元気でやっているだろうか。平凡な幸せをつかんでほしい。我が子と同じように彼らのことが気にかかる。いつかまた、彼らと酒を酌み交わす日が来ることを願っている。

 

 いつかまた彼の旅人に会う時を我は待つらん小春日和に

 残心の時を過ごせし君なれば背なに祈らんささやかな幸

 

2017.01.10:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬 会いたい人に

  • 停車場憧憬 会いたい人に
  • 停車場憧憬 会いたい人に

会いたい人に逢えそうな場所だね

と彼女は言った

そんな人がいる人生は 幸せなのだと思う

たとえその人が 今は亡き人であったとしても

2017.01.06:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬 集団就職の頃

  • 停車場憧憬 集団就職の頃

一緒に遊んでくれた近所の兄ちゃんが

就職で東京に行った

その前の日 呼ばれてご馳走をいただいた

ホームから列車が出る時 涙が出て

最後の声も出せず ずーっと下を見ていた

雪が降っていた

山間の村の貧しさが悔しかった

2017.01.05:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬 途中下車もいい

  • 停車場憧憬 途中下車もいい

途中下車をしても良いではないか

ゆっくりと流れる時間の中で

忘れていたものに気づくこともある

列車を見送るのも勇気のいることだ

2017.01.04:orada:コメント(0):[停車場憧憬]