HOME > 停車場憧憬

おじいさんがくれた宝物

  • おじいさんがくれた宝物
  • おじいさんがくれた宝物

 今年がフラワー長井線開業30周年だと知ってから、机の引き出しの奥にしまっていた切符を思い出した。昭和63年10月24日、最後のJR列車におじいさんと一緒に乗った時に、おじいさんが買ってくれたものだ。

 おじいさんは生粋の職人で、仕事には厳しかったけど、僕にはとても優しかった。おじいさんからは大事なことをたくさん教えてもらったような気がする。この切符は、そんなおじいさんとの思い出がいっぱい詰まった、とっても大切な宝物だ。

 じっと見ていると、「どうだ、仕事はちゃんとやってるか。モウマイしてないか。たまには顔を見せに来いよ。」という声が聞こえて来るようだ。今年のお彼岸には久し振りにお参りして来ようと思う。   【S.Kさんよりの投稿】

2018.03.16:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬 ふるさとの山に

  • 停車場憧憬 ふるさとの山に
  • 停車場憧憬 ふるさとの山に
  • 停車場憧憬 ふるさとの山に

ふるさとの山は

何も語らずいつもそこにあった

雲と虹と霧と風を遊ばせ

遠い彼方を見つめていた

 

この景色はいつも私の心の中にあった

私はその存在の意味を

ずーっと問い続けていたのかもしれない

 

齢を重ねて改めて問わなければならない

私は何のために生きるのか

私はこの景色(うちゅう)の中のどこにあるのか

私はふるさとの山に

向き合うことができるのかと

 

 

 

 

 

 

 

()

 

 

 

 

2017.11.21:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬  秋の夕暮

  • 停車場憧憬  秋の夕暮
  • 停車場憧憬  秋の夕暮

刈り入れが終わった頃

父は畦道に腰を下ろして 

切り株だけになった田んぼを見ながら

煙草をプカリとふかす

手塩にかけた稲が手を離れる時だ

嬉しいような 寂しいような気持ちだ

と父は語った

秋の夕暮時になると想い出す光景だ

2017.10.12:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬 西の山から

  • 停車場憧憬 西の山から
  • 停車場憧憬 西の山から

西の山から 差し込む光を受けて

私はひと時 黄金の中に遊ぶ

 

やがて光は 西山の光背となり

そして 全ての光は消え去るだろう

 

人生の最期の時も こんな光の中を

歩めたらいいのにと思う

 

私は今日一日を 

精一杯生きただろうか

2017.09.27:orada:コメント(0):[停車場憧憬]

停車場憧憬 蝉しぐれ

  • 停車場憧憬 蝉しぐれ
  • 停車場憧憬 蝉しぐれ
  • 停車場憧憬 蝉しぐれ

蝉の亡骸があった。地上で許された短い時間に、ひたすら哭いていたであろう最期の姿である。思えばこんなにも身近に、こんなにも多くの生命のドラマが繰り返されていたのだ。生命に終わりというものはない、と語った人がいたが、それでもここには行く夏の風景があった。

停車場憧憬 人生をいかに生きるや蝉しぐれ

2017.08.22:orada:コメント(0):[停車場憧憬]