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ある「FB」記事に見る……市議会議員の「思想と行動」、いや「資質とレベル」~ブログが炎上の気配に!!??

  • ある「FB」記事に見る……市議会議員の「思想と行動」、いや「資質とレベル」~ブログが炎上の気配に!!??

 

 「あれっ」と腰を抜かしそうになった。市長与党と目される花巻市議会の最大会派「明和会」所属の高橋修議員のFB(フェイスブック=11月21日付)にこんな一節を見つけたからである。「病院跡地(案)を見れば一目瞭然。赤やピンクで囲まれてますよね?こんな危険区域の境目ギリギリに、公共施設を建設すべきではない」―。「駅前か病院跡地か」という新花巻図書館の立地場所をめぐって、当市ではいま「対話型市民会議」がスタートするなど多くの市民の関心はその行方に注がれている。この“椿事”(ちんじ)はそんなさ中に起きた。

 

 外部コンサルタントに依頼して作成した二つの候補地の「比較調査」報告書には双方の「土地利用計画図」(イメージ図)が示されている。高橋議員のFBに掲載された病院跡地のイメージ図を見て、今度は本当に腰を抜かしてしまった。わざわざ、手描きで「急傾斜崩壊危険区域」や「土砂災害警戒区域」などと書き加えた上、「ここ?」とクエスチョンマークまで付ける念の入れようだったからだ。

 

 「災害リスク」をことさら強調するかのように“加工”がほどこされた画像を見た瞬間、ふと証拠物をでっち上げた「袴田事件」が頭をかすめた。「これって、手の込んだある種の“捏造”(ねつぞう)ではないのか。市側が第1候補地に挙げる駅前立地へ向けた“世論”誘導(地ならし)がミエミエ。議員としての資質が疑われる」―。もし、そうじゃないと主張するのなら、あなたの“そもそも論”じゃないけれど、“そもそも”どうしてこんな危険区域にあえて、もうひとつの図書館立地を想定したのか―当局側の行政責任を是非とも追及してほしいものである。

 

 高橋議員はこんなこともつぶやいている。「当局(市役所)と議会では役割が違うのです。当局は提案ができます。提案がない以上、我々は議決できません。ジャッジをくだせないのです」…。怒りを通り越して、吹き出してしまった。「下に~、下に~」…大名行列の“露払い”よろしく、議決(審議)をする前にもうジャッジを下しているではないか。「表現の自由」も赤面するほどの軽率かつ稚拙な、しかも「公私」をわきまえない支離滅裂ぶりに唖然とした。ちなみに、FBに寄せられたコメント数は20件で、133人が「いいね」を押していた(12月1日午前7時時点)。この中にはうっかり、押してしまった私もカウントされている。

 

 高橋議員は現在3期目で、自民党所属。前回(2022年7月)の選挙ではトップ当選を果たした。ベテラン議員に対し失礼が及ぶかもしれないが、以下に議員に課せられる関係法令と、万が一のために記録保存しておいたFBの記事も合わせて、掲載させていただく。当ブログでも再三言及してきたように当局側と議会側とが互いに監視し合うという「イーハトーブはなまき」の”二元”代表制はいま、崖っぷちに立たされている。今後に向けた事例研究(ケーススタディ)の一助になれば…。言わずもがなだが、文中の「議員」とは“公人”を指す。

 

 

<市議会基本条例>(平成22年6月制定)

 

●議会の活動原則
 

 「議会は、市政の監視及び評価並びに政策立案及び政策提言を行う機能が十分発揮できるよう、円滑かつ効率的な運営に努めなければならない」(第4条第1項)、「議会は、公正性及び透明性を確保し、市民に開かれた運営に努めなければならない」(同第2項)、「議会は、市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映させるための運営に努めなければならない」(第3項)

 

●議員の活動原則
 

 「議員は、議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員相互間の自由な討議を尊重しなければならない」(第5条第1項)、「議員は、市政全般についての課題及び市民の意見、要望等を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんに努め、市民の代表としての自覚を持って活動をしなければならない」(同第2項)、「議員は、議会の構成員として、市民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない」(同3項)

 

<市議会議員政治倫理要綱>(平成26年3月議会告示)

 

●政治倫理基準
 

 「市民の代表者として、その品位と名誉を損なう一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと」(第3条第1項)、「市民の代表者として、常にその人格と倫理の向上に努め、その権限又は地位を利用して、不正に影響力を行使し、又は金品を授受しないこと」(同第2項)


 

<FBの全文>

 

“そもそも論”

 

 移転新築が計画されている新花巻図書館。“駅前か病院跡地か”、市民の間でも大きく意見が別(ママ)れています。2つの候補地にはそれぞれ持ち味がある。お互い正論だとは思います。ただ私自身は病院跡地にはクエスチョン、現時点では後ろ向きです。理由はいたってシンプル。病院跡地は後方斜面が急傾斜崩壊危険区域、右側斜面は土砂災害警戒区域だからです。これは画像の下段、病院跡地(案)を見れば一目瞭然。赤やピンクで囲まれてますよね?こんな危険区域の境目ギリギリに、そもそも市民を集約すべきではない。公共施設を建設すべきではない!というのが私の持論です。

 

 それともう1つ。“議会も優柔不断”、“いつまで何やってんの(?)”という声を良く耳にします。これは当然の感覚、普通はそう思いますよね。ただこれにはちゃんとした理由があります。当局(市役所)と議会では役割が違うのです。議員は質問はできます。例えば、建設費は幾らですか?市民の意見を聞いていますか?等々です。当局は違います。提案ができます。例えば、“駅前にさせてください”、“病院跡地にさせてください”等々です。

 

 提案がない以上、我々は議決できません。ジャッジをくだせないのです(この部分はその後、「この提案がない以上、我々も待つしかない。議決できないのです」と表現が変わっている)。いずれタクシ-運転手(引用者の註;議員活動のかたわら、こんな副業もしているらしい)をしていて思います。高齢者の方は間違いなく歩きません。私は駅から離れれば離れるほど、利用する年代は限られる。特に冬は誰だって歩きたくない。全ての年代に影響が出ると思います(11月30日午前時点での引用)

 

 

 

 

(写真は“加工”が加えられた高橋議員のFB上のイメージ図。正確な原画は11月10日付当ブログのコメント欄を参照)

 

 

 

 

《追記ー1》~「消えたFB」、あぁ、霧の彼方に!!??

 

 念のためと思って、本日午前10時すぎに高橋議員のFBにアクセスしてみたら、ありゃ、跡形もなく消えてしまっていた。こんなこともあろうかと思って、ブログアップしたのだったが、こうなったら、当ブログは永久保存版にしなくちゃ…。兵庫県知事選でにわかに注目された「SNS」によるネガティブキャンペーンが足元にも忍び寄っていたことに無関心は禁物。それにしても、この人物には議員としての”矜持”(きょうじ)のひとかけらもないらしい。

 

 

《追記―2》~利益相反!!??


 「プロパガンダ反対」を名乗る方から以下のような長文のコメントが寄せられた。洞察の深い論考で、論点もきちんと整理されていた。さっそく、ケーススタディの貴重な教材として、全文を掲載させていただく。

 

●利益相反(りえきそうはん)とは、信任を得て職務を行う地位にある人物(政治家、企業経営者、弁護士、医療関係者、研究者など)が立場上追求すべき利益・目的(利害関心)と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益(利害関心)とが、競合ないしは相反している状態をいう。

 

 このように利益が衝突している場合、地位が要求する義務を果たすのは難しくなる。利益相反は、そこから非倫理的もしくは不適切な行為が行われなくても存在する。利益相反は、本人やその地位に対する信頼を損なう不適切な様相を引き起こすことがある。一定の利益相反行為は違法なものとして扱われ、法令上、規制対象となる。また、法令上は規制対象となっていない場合でも、倫理上の問題となる場合があり得る(ウィキペディア)。

 

 髙橋修議員のフェイスブックによると、氏は日本商工会議所青年部岩手県代表理事、花巻商工会議所青年部第27代会長を歴任したことが書かれており、背景に使われている写真は最近行われた花巻商工会議所青年部歴代会長表彰式の様子である。

 

 本年11月17日に開かれた新花巻図書館建設候補地第1回市民会議の資料によれば、花巻商工会議所議員懇談会(R2.12.23)では「駅であれば迷いなく人は来れると思う」、花巻商工会議所役員(R3.3.29)では「花巻市立地適正化計画による都市機能誘導区域内において、花巻市が説明会等で提案する花巻駅東口JR用地周辺を中心とする回答が大半を占めており、その理由として交通の利便性が良いことが挙げられています」とあり、花巻商工会議所のスタンスとしては駅前立地を主張しているように見える。

 

 人間に複数の役割があることは自然であろう。しかし、氏の言う「ジャッジ」を下す立場の市議が、「ジャッジ」を下す前に自身の属しているもう一つの役割、花巻商工会議所の一員として、花巻商工会議所と同一の意見を表明することは、利益相反と言わざるを得ないだろう。「このように利益が衝突している場合、地位が要求する義務を果たすのは難しくなる。」「法令上は規制対象となっていない場合でも、倫理上の問題となる場合があり得る。(ウィキペディア)。利益相反の中では、市議という地位が要求する義務を果たすことは難しなり、また、倫理上の問題が生ずることだろう。

 

 更に新図書館建設候補地に係る市民会議は、第1回が開かれたばかりであり、今後少なくともあと2回、場合によっては3回開かれることになっており、未だ現在進行形のものである。そもそも市議会を含めた新図書館建設候補地の意思決定に資するものとして開催されているこの市民会議の結論を待たず、「ジャッジ」を下す立場の人間が自分の意思を表明することは、この市民会議の議論に大きな影響を与えることは明らかだろう。

 

 「プロパガンダは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為の事である」(ウィキペディア)―。氏の言動は、かつての日本、ナチスドイツなど独裁国家で行われ、今もそういった国家、組織で行われているが、民主的な議会運営を真っ向から否定する危険なものである。

 

 

《追記―3》~私用文書等毀棄(きき)罪!!??


 今度は「政治カフェファン」を名乗る方から、こんなコメントが…「先生、政治カフェで政治を語る前に、都合の悪いことでもあったのでしょうか?X(旧ツイッター)ではまだ、関連記事が載っていますけど、こっちは大丈夫ですか?」

 

 

 

 

 

《追記―4》~武士道精神!!??

 

 「丘の上の雲」を名乗る方から、以下のようなメールが寄せられた。タクシー運転手のほか、予備自衛官、防災士、日本思春期学会性教育認定講師…高橋議員の活動範囲の広さには目を見張るものがあるが、武士道精神にも通じていたとは?

 

●平成29年度 花巻市市民団体等活動支援事業一覧。「武士道サミットin花巻 花巻商工会議所青年部」(会長 高橋 修)271,000 女優松本莉緒氏と㈱めんこいテレビ工藤哲人氏に、新渡戸稲造の武士道精神について対談形式で語っていただき、新渡戸稲造の新たな魅力を再確認した●ブログを読んで、高橋さんのことを調べたら、このような記事がありましたが、武士道精神ですか。補助金ももらったんですね。

 

 

《追記―5》~2地域居住?

 

 「下南米」を名乗る方から、以下のようなメールが寄せられた。「(高橋議員は)土沢駅前に居住実態があるのに、市議会のホームページの議員名簿では小山田の住所というのはもしかして選挙対策ですか?これって裏金ならぬ裏住所(虚偽記載)では?自宅の電話が携帯電話っていうのも何だかよく分からないけど。2地域居住を先取り実践してるのかしら?

 

 

 

《追記―6》~あれっ、本番はないの!!??

 

 新図書館の立地問題に関し、FB上で盛んに自説を主張していた高橋議員が本番(12月6日開会の12月定例会)ではどんな論戦を繰り広げるのか―。市民の期待も大きかったが、一般質問の通告者にその名前はなかった。FBによると、議会初日の日程は「政治カフェ」の開催とのこと。将来、出馬を考えているなど「政治・街づくりに関心のある方は、是非お気軽にどうぞ」と呼びかけている。議員としての倫理性が問われているさ中、ご本人は果たして”正気”なのか。まったくもって、「正気の沙汰」ではない。

 

 なお、図書館関連の質問をするのは本舘憲一(はなまき市民クラブ)、伊藤盛幸(緑の風)、久保田彰孝(共産党花巻市議団)の3議員で、いずれも初日の12月9日。

 

 

 

 

「正体見たり」…ついに出ました“ご飯論法”ならぬ、“東大話法”!!??

  • 「正体見たり」…ついに出ました“ご飯論法”ならぬ、“東大話法”!!??

 

 ふるさと納税に関連した「公開質問状」に対し、期限までに応答がなかった件については11月21日付当ブログで触れたが、忘れた頃(26日)になって市長名の1通の封書が届いた。「回答」(以下に掲載)なる文書を一読し、例の「ご飯論法」を真っ先に思い出した。上掲のイラストで示したように「論点ずらし」の典型的な話法として知られる。だが回答文書はもっと、ひねくれているように感じた。そういえば、“東大話法”っていうのもある。東京大学東洋文化研究所の安富歩教授が提唱した用語で、以下のように定義している。

 

 「常に自らを傍観者の立場に置き、自分の論理の欠点は巧みにごまかしつつ、論争相手の弱点を徹底的に攻撃することで、明らかに間違った主張や学説をあたかも正しいものであるかのようにして、その主張を通す論争の技法であり、それを支える思考方法」(要旨)―。今回、私が旧菊池捍邸が賢治寓話『黒ぶだう』の舞台だとする、いわゆる「モデル説」について見解をただしたのは他ならない上田東一市長がこの説に「疑義」を呈しながら、一方でふるさと納税の宣伝に使っている―という「ダブルスタンダード」(二重基準)の是非の一点だけである。

 

 「論点ずらしどころか、何も答えていない」―。東大話法の手にかかると、こんな風になるという典型例だが、議会答弁の際に好んで使う「反問権」の行使もこの話法が土台になっている。その12月定例会は12月6日に開会する。「衣の袖から鎧(よろい)が見える」…反問権の背後には“本音”もちらつくので、外野席にはたまらない。遅ればせながら、上田市長は東大話法の本家本元である「東大法学部」のご出身だった。

 

<回   答>

 

 

 ご存じの通り、現在でも多くの方が宮沢賢治作品を研究し、その成果を新たな説として提唱しているところであり、作品のモデルなどについてもいろいろな説が提唱されているところです。多くの方が宮沢賢治作品を研究することはそれだけ宮沢賢治の世界を豊かにすることであるとも考えられ、それらの説は研究の成果として尊重されるべきところだと考えております。

 

 しかしながら、市として個々の研究の成果についてその当否を判断すべきとは考えていないところであります。実際、増子様以外の研究者の方からも他の方が提唱している説に対し市として賛成または反対をはっきりさせるべきではないかとの意見を頂くこともありますが、市としてはそのような意見は述べていないところです。増子様ご指摘のモデル説についても同様ですので、ご理解を賜りたいと存じます。

 

 

 

 

(写真は「ご飯論法」のイラスト。法政大学の上西充子教授がネーミングのきっかけを作った=インターネット上に公開の画像から)

 

 

 

 

《追記》~市のHPにはこう記されていますけど?

 

 

 「市としてはそのような意見は述べていないところです。」と回答にはありますが、ふるさとチョイスにはこのように書かれています。市として意見を述べていますよね。東大話法であるとともにダブルスタンダードですね」―こんなコメントとHPの記事が送られてきた。これって、ダブルどころかトリプルスタンダードではないのか。

 

 

 

 

 

「アウトソーシング」(外部委託)という闇…兵庫県知事選をめぐる余波が足元にも~図書館立地の市民会議の行方に関心!!??

  • 「アウトソーシング」(外部委託)という闇…兵庫県知事選をめぐる余波が足元にも~図書館立地の市民会議の行方に関心!!??

 

 奇跡的な逆転勝利をおさめた兵庫県の斎藤元彦知事をめぐって、今度は公職選挙法違反(買収)が取り沙汰されるなどその成り行きに全国の注目が集まっている。今回の選挙戦では「SNS」(ソーシャルネットワーキングサービス)を最大限に駆使したことが勝利につながったとされている。この選挙戦略の企画・立案を委託された地元のコンサルタント会社と斎藤知事の間に法を逸脱した“金銭授受”があったかどうかが今後の焦点になる。選挙期間中の買収行為は公選法で禁じられているからである。

 

 一方、「アウトソーシング」(外部委託)という手法は今回のような選挙戦に限らない。むしろ、行政手法としては一般的とも言える。「駅前か病院跡地か」という新花巻図書館をめぐる双方の「比較調査」も外部コンサルタントに委託され、この資料をもとにした「対話型市民会議」の初会合が11月17日に開催された。4時間にも及ぶ長丁場にヘトヘトになりながら、私は目の前の光景に強い憤(いきどお)りを抱いた。

 

 無作為抽出した15歳以上の3,500人の中から参加希望のあった75人で構成されたというのが市側の説明だった。しかし、70歳以上の高齢者はわずか6人で、その「世代偏重」にも何となく恣意(しい)を感じていた。そして、肝心の初日の参加者は10人も少ない65人。たったこれだけの数が全人口90,102人(10月31日現在)の“民意”を反映していると言えるのか。言えるはずがないではないか。一方、「病院跡地」への立地を求める署名は最終的に10,343筆に達したことも明らかになった。まるで「アリバイ」工作みたいな“茶番劇”ではないか、とそう感じたのである。

 

 「この会議は立地場所をどっちかに決めるという場ではない。双方のメリットとデメリットを出し合い、それを集約していくというのが私の役割だ」―。メインファシリテーター(進行役)の山口覚・慶応義塾大学大学院特任教授は冒頭、こうあいさつした。「政策・メディア研究科」という長たらしい肩書を聞きながら、私は腑に落ちない気持ちになった。本来、公平性を担保するために「公募」するはずだったプロポーザル方式は適格者の応募がなかったために不調に終わった。代わって指名されたのが山口教授だった。同大学と当市との間で2018年7月、「地域おこしに関する研究開発の連携協力にかかる覚書」が交わされている。今回の指名はこの、いわゆる「連携協定」を根拠にしたというのが市側の言い分である。「公募」から一転、余りにも安易な選定ではないのか。

 

 「LOCAL&DESIGN株式会社」代表取締役―。山口教授のもうひとつの肩書である。平成22年に福岡市に設立された会社で、HPなどによると都市計画やまちづくりに関連するWS(ワークショップ)やコンサルタント業務など幅広い分野での活動が目立っている。山口教授自身、大手建設会社の勤務経験があり、1級建築士の資格を持っている。また、もう一人の共同経営者は「博多駅前」開発で知られた人物である。山口教授には豊富な知見を活かした進行役を期待したいと思う。今後の日程は12月21日と来年1月26日で、予備日として2月15日が設定されている。

 

 初回の傍聴者は私を含めて15人。停止線の内側に閉じ込められ、写真撮影はわずか1分間。WSの様子もじかに聞き取ることが許されない異様な空間。思わず「まるで、ゲットー(ユダヤ人の強制隔離地区)ではないか」とつぶやいてしまった。市民を排除する”対話型市民会議”とは一体、何であろうか…

 

 

 

 

 

 

(写真は戒厳令下の空気が漂った「対話型市民会議」。たった1分間の写真撮影だったため、若干ピンボケになってしまった=11月17日午後。花巻市のまなび学園で)

「公開質問状」へ応答なし…上田市政の“ダブルスタンダード”が浮き彫りに~新図書館の「病院跡地」への立地署名は10,343筆に!!??

  • 「公開質問状」へ応答なし…上田市政の“ダブルスタンダード”が浮き彫りに~新図書館の「病院跡地」への立地署名は10,343筆に!!??

 

 ふるさと納税に関連し、10月11日付で花巻市の上田東一市長に対し「公開質問状」を提出していたが、応答を求めた11月21日(閉庁時)までに回答はなかった。これにより、当方としては上田市政が“ダブルスタンダード”(二重基準)という手法を自ら容認したものと解釈することにする。いわば、“二枚舌”とも呼べるこの論法は図書館論議における高齢者“排除”発言(17日付当ブログ参照)にも通じるものがある。なお、本日現在、宣伝文に変更はない。公開質問状に関するこれまでの経過を以下に再掲する。

´◇

 

 「ダブルスタンダードは行政運営上、絶対に許されない禁じ手ではないのか」―。イーハトーブ花巻応援寄付金(ふるさと納税)の総額が90億円(令和5年度)を超え、全国自治体で第13位にランクされた当市で、見方によっては“虚偽宣伝”とも受け取られかねない事態が起きている。その実態については当ブログでその都度、明らかにしてきたが、肝心の行政サイドは見て見ぬふりの体(てい)である。そこで直接、上田東一市長にその胸の内を問いただすため、11日付で以下のような公開質問状を提出した。回答があり次第、公開する。
 

花巻市長 上田 東一 様
2024年10月11日
                         花巻市桜町3-57-11
                                 増子 義久
 

 

公 開 質 問 状
―ふるさとチョイスの宣伝広告について
 
  貴殿は市内御田屋町に現存する旧菊池捍邸が賢治寓話『黒ぶだう』の舞台だとする、いわゆる「モデル説」に関連し、令和5年3月の定例記者会見でこう述べています。「宮沢賢治の寓話『黒ぶだう』の舞台になったということを仰(おっしゃ)る方もいますが、それが正しいかどうか分かりません」。その一方で、イーハトーブ花巻応援寄付金(ふるさと納税)の返礼品のひとつである「花巻黒ぶだう牛」の宣伝広告には以下のように記されています。
 

●「花巻黒ぶだう牛」は、花巻が世界に誇る株式会社エーデルワインが製造するワインのぶどうの搾りかすを飼料として給与しており、さらりとした脂と豊かな風味が特徴です。花巻出身の詩人で童話作家の宮沢賢治の寓話(ぐうわ)「黒ぶだう」で仔牛がぶどうを食べる描写があることから名づけられた、花巻ならではの「ブランド牛」です。
 
●寓話「黒ぶだう」は、花巻市御田屋町の旧菊池捍邸が舞台とされ、赤狐に誘われた仔牛が、留守の人間の別荘に入り込み勝手に「黒ぶだう」を食べていたところに住人の公爵一行が帰宅し、逃げ遅れた仔牛は見つかってしまいますが、怒られもせず、逆に黄色いリボンを結んでもらうというものです。物語の中で、赤狐はぶだうの汁ばかり吸って他は全部吐き出しますが、仔牛は「うん、大へんおいしいよ」と種まで噛み砕いて食べてしまいます。賢治は当時すでに、ぶどうの搾りかす(皮と種)が家畜の餌として使えることに気づいていたのかもしれません(2024年10月11日現在の市HP「ふるさとチョイス」から)
 

 

 以上の観点から次の諸点について、見解を伺います。選挙をはさんだ多忙な時期に重なりますが、11月21日までに文書(メール可)での回答をお願いします。
 

 

1)モデル説に疑義を呈するようになった根拠はどこにあるのか。その一方で、返礼品の宣伝広告では逆にそのモデル説を強調しているのはなぜか。「ダブルスタンダード(二重基準)」は行政運営の基本原則に反する行為だと言われる。この間の経緯を納税者も納得できるように説明願いたい。
 
 2)モデル説について、当方(増子)が提唱者に問いただしたところ、「賢治と旧菊池捍邸や本人を結び付ける接点は最後まで見つからなかった。モデル説だけがひとり歩きしてしまった」として事実上、自説を撤回した。ふるさと納税に財源の多くを依存している行政としても、提唱者本人に真意を確かめた上で、今後の対応を再考すべきではないか。

 


 

(写真は議会答弁に立つ上田市長=花巻市議会議場で)

 

 

 

 

 

《追記ー1》~新図書館の「病院跡地」への立地署名が1万人超え!!??

 

 「花巻病院跡地へ新図書館をつくる署名実行委員会」(瀧成子代表)の最終署名数が10,343筆にのぼったことが分かった。三つの市民団体でつくる実行委員会は昨年秋から全国署名を展開していた。一方、17日に開催された「対話型市民会議」の構成員75人(1人が辞退したため、実質74人)は無作為抽出した15歳以上の3,500人の中から参加を希望した市民が選ばれた。全人口比(90,102人=10月31日現在)は前者が8・7%、後者が1・2%で、どちらが民意を反映しているかは一目瞭然である。なお、第1回目の市民会議への出席者は構成定員を大幅に下回る65人だったことも明らかになった。

 

 

 

《追記―2》~「二元代表制」など何のその…場外論戦に飛び火!!??

 

 「駅前か病院跡地か」という新花巻図書館の立地論争にからんで、議員説明会の場などで盛んに「駅前」立地への誘導を展開してきた高橋修市議(明和会)が今度は自らのFBでその持論を外部に発信し始めた。「当局側の提案(議案)を受け、我々(議員)は初めて審議を行うことができる」―二元代表制のこの原則を口にしつつも、その実態は当局側の“露払い”に徹しているのがミエミエ。

 

 念入りにも「土地利用計画図」(イメージ図)を示しながら、いわく…「こんな危険区域の境目ギリギリに公共施設を建設すべきではない」ー。この点については当の当局側がその安全性は担保されていると述べている。兵庫県知事選の「SNS」効果に便乗するのは結構だけれども、まずは来るべき12月定例会で丁々発止の議論を繰り広げて欲しいものである。あなたの真価は外野席ではなく、二元代表制を掲げる神聖な議場内で試されることを忘れることなく…

 

 

 

《追記―3》~花巻市まちづくり基本条例

 

 「ダブルスタンダード」を名乗る方から以下のようなコメントが寄せられた。

 

●守れない条例は改正した方がいいんでは?(説明責任・応答責任)―第22条「 市の執行機関は、市民に対し、市政に関する事項を分かりやすく説明するものとします」(第1項)、「市の執行機関は、市民からの意見・要望等に対し、速やかに誠実に応答するものとします」(第2項)

 


 
 
 

 

 

気掛かりな「世代」偏重…「対話型市民会議」がスタート!!??

  • 気掛かりな「世代」偏重…「対話型市民会議」がスタート!!??

 

 「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の立地場所にかかる市民の意見集約をするための「対話型市民会議」が17日にスタートした。慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の山口覚大学院特任教授がメインファシリテーター(進行役)を務め、WS(ワークショップ)形式で進められた。参加者75人(この日になって1人が辞退)は11のグループに分かれ、意見交換をした。第1回目のこの日は二つの候補地について、それぞれのメリットとデメリットを出し合い、残る2回(予備日として1回)の会議で、意見集約につなげたいとしている。

 

 駅前については「駅に近く、公共交通の便に恵まれている。最近は全国的に駅前図書館が増えている」といったメリットが出された反面、「騒音や防犯上の問題が心配だ」という声も聞かれた。病院跡地については「景観がすばらしく、文教施設とも隣接している」という意見が出された一方で、配布資料に示された「災害リスク」との近接を懸念する声もあった。若々しい声が飛び交う会場の顔ぶれを見ながら、「おやっ」と思った。高齢者の姿がほどんど見当たらなかったからである。ふいに、2年前の議会論戦の光景を思い出した。

 

 「高齢者のためだけの図書館で良いのか。それなら今の図書館で十分。若い人は圧倒的に駅前を希望している」―。その年の12月定例会で上田東一市長は立地場所にからんで、“高齢者”排除とも受け取られかねないこんな暴言を口にした。質問者は檄した口調で迫った。「看過できない重大発言だ。世代間の分断を促しかねない。取り消しを要求したい」。上田市長はこう応じた。「私も現在68歳の老齢世代。だからこそ、将来を見すえて若者を含めたあらゆる世代に開放された図書館を目指したいと思っている。言葉が足りなかったとしたら、訂正したい。ただ、分断だとは決して思っていない。表現が不適切だとしたらお詫びをしたいが、取り消す必要はない」―

 

 今回の市民会議の構成を知ってまた、ビックリした。若年層(10代~30代)が35人、中高年層(40代~60代)が34人に対し、高齢者層(70代以上)はわずか6人だったからである。性別は男性37人、女性38人で、15歳から81歳までの75人で構成されていた。一方、この日の会議で当局側から病院跡地への立地を求める署名が1万筆を超えたことが報告された。

 

 夏の猛暑に耐え、厳寒の寒さに震えながら、この活動を担ったのはほとんどが後期高齢者のお年寄りたちだった。その先頭に立ったメンバーが傍聴席から身を乗り出すようにして、会議の成り行きを見守っていた。「市側は無作為抽出で公平に選んだ市民の中から参加希望を募ったと言っている。私たちにも訴えたいことは山ほどあるけど、(抽出に)外れてしまった。でも万が一、当たったとしても4時間という長丁場に耐えられるかどうか。私たちの署名運動も健康を考えて、(街頭活動の際は)1時間に制限した。高齢者に配慮した時間設定はできなかったのか」―。こんなうめきにも似た声が耳に届いた。

 

 この“難行苦行”に辛うじて耐えた不肖84歳も同調したい気持ちになった。「市長の暴言に抗(あらが)い、真摯な図書館論議を続けて欲しい」―と

 

 

 


 

(写真は会場を埋め尽くしたが会議参加者たち=11月17日午後、花巻市の「まなび学園」で)