春の光の中で
遥か彼方の
山の残雪が眩しかった
南の空に聳えるその姿は
未知なる世界がここにある
まどろみに抗して起き上がれと
言っているようだった
立ちのぼる陽炎の中で
彼方と此方を繋ぐ軌道が
逡巡する心のように
揺れていた
花と草の違いもわからず
どうすれば良いかわからない私に
ガーデニングのお師匠さんが教えてくれた
強い花より弱い花を大事にすればいい
弱い花の居場所を作ってあげればいいんだよと
私は強い花なのか、弱い花なのかと
自問している間に、お師匠さんは言葉を重ねた
この花を守ってあげてくださいねと