3月は卒業式のシーズンです。自分の子供が小学校に入学した時、妻と並んだ記念写真には、桜の花が満開でした。あんな小さな子供が、この春、卒業を迎えました。キロロの「未来へ」という歌が流れていました。そんな時、ふと恩師の言葉を思い出しました。
女性の先生:卒業式の時にどういう訳か、父を思い出すんです。父は、秋の刈り入れが終わった田んぼの畦道に腰をかけて、タバコを吸いながらぽそっと言っていたのです。「春から育ててきた稲がなくなった田んぼを見るのは、本当に寂しい。でもな、行ってしまった米に言うんだ。お前らな、もらわっちぇった家で、『うんまえ米だなあ』って褒めでもらえよな。」
高校の先生:卒業式の日に、流雪溝を思い出すんだよな。流雪溝の中を、雪がどんどんどんどん流れて行くんだ。卒業していくお前たちと同じように。お前らともっと一緒にいたいのに、お前らは行ってしまうんだよ。寂しいけど、最後にお前たちに伝えたい。『大きくなって帰って来いよ。その日を楽しみにしています。一期一会・出会いは必然』」
若者達へ ⑬卒業式に思うこと
2013.03.22:orada:[変な民族学4巻 若者達へ]
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