「あれっ、今さらながら相手側の“意向”って。振り上げたこぶしは一体、どこに!?」―。花巻市議会内に設置されている「新花巻図書館整備特別委員会」(伊藤盛幸委員長)が約3ヵ月ぶりに開かれ、市側の新図書館構想について、改めてその真意をただす“意向書”なる文書を開会中の6月定例会で小原雅道議長を通じて、上田東一市長へ提出することを決めた。市側が市民や議会側の頭越しに集合住宅付きの新図書館を、JR花巻駅前に建設する意向を示したのは今年1月29日。「議会軽視もはなはだしい」という反発を受け、3月定例会に上程予定の図書館関連予算を急きょ、撤回。3月18日付で議会内に特別委が設置された。
この日、決まった「新花巻図書館の整備に関する特別委員会意向書」について、伊藤委員長は「(市の原案は)市民参画の手順を踏んでおらず、市民から疑問の声が寄せられている。最初から駅前立地ありきで、公平性が担保されていない」などとして、①候補地選定の再精査、②図書館機能の検討、③市民参画の推進などを盛り込むことにした。「あれっ」と思った。こうした“意向”を実行に移すために特別委が設けられたのではなかったのか。「図書館とはかくあるべき」という理念論を掲げたあの時の熱い思いはどこに消えてしまったのか―。いったん土俵を飛び出したものの、また元の土俵に引き戻されていたというわけである。一方で、市側は当初案の正当性を関係審議会などで説明している。ナメラレタもんである。
「新型コロナウイルス感染症予防対策の対応に当たられている市当局に敬意を表しつつ…」という一文が“意向書”の中に見える。今回のコロナ禍は「二元代表制」という地方議会の大原則にも微妙に影響を与えている。宮古市議会は市職員のコロナ業務の負担軽減と出席者の感染防止のため、6月定例会での一般質問を取り下げることを決めた。議会としてのチェック機能の放棄につながりかねないという批判もあり、国会でも閉会中審査を実施するなど“有事”の際の対応の難しさを浮き彫りにした。折しも、開会中の当市議会の一般質問で「質疑時間」を短く切り上げたことを“手柄話”みたいに語る唐変木(とうへんぼく=まぬけ)が現われ、失笑を買っている。
「“最短17分” 一般質問も終わり、ホッと一息。私は今回,“今はしなくてもよい良い質問”はすべて省きました。コロナ以外はすべてバッサリ(ご丁寧にハサミ印も)。おそらく最短記録だろうと思います」―。その議員(男性)のフェイスブックにはこう記されていた。質疑応答を含めて、60分の時間が与えられている“質問権”を放棄するという自殺行為に痛痒(つうよう)のひとかけらもないらしい。「私の記録を破りましたね」と“質問最短”レ-スに挑んだことのある同僚議員(女性)が今度は「いいね」のサイン。この議会は一体、どうなっているんだろうね。ちなみに投稿の主は新図書館整備特別委員会の下に設けられた小委員会の委員だというオチも。納得だなぁ!?
沖縄は本日(23日)、戦後75年の「慰霊の日」を迎えた。「辺野古新基地」建設反対の抗議行動を続けている作家の目取真俊さん(59)は自らのブログにこう書きつけている。「辺野古の島袋文子さんが連日、ゲ-ト前の座り込みに参加し、先頭で抗議を続けている。90歳を超える沖縄戦体験者が、今もこうやって新基地建設反対の行動をとらないといけないのが沖縄の現実だ。この現実を作り出しているのは誰か?それを黙って見ていていいのか。傍観者であっていいのか」
(写真は“意向書”の提出を決めた新図書館特別委員会=23日午前、花巻市役所で)