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◆酒と料理の相性◆その2

  • ◆酒と料理の相性◆その2
私事で恐縮ながら体調が優れなかったり用事で外出する日以外は外飲みも含め365日晩酌は欠かせない。

自慢じゃないが滅多な事では急肝日など取った試しが無いが50を過ぎても到って健康である。

その訳は余りアルコールに強くない事もあり毎晩の摂取量が程々である事から酒の効能である‘百薬の長’としての恩恵を享けているのだと勝手に自負している。

増して食事時にしか飲む習慣が無い為に極端な話しが食中酒としての酒しか口にしないという事になる。

そんな自分が食べながら楽しむ酒の中心はやはり日本酒なのだが普段はご多分に漏れず先ずはビールから。(^^ゞ

この時点では長年の経験からビールに合わない惣菜は勿論口にしないが、例えば‘鶏の唐揚げ’などはビールとの相性が抜群なのでついつい飲み過ぎてしまう事もしばしば。

そして日本酒の出番ともなればもう安心、料理を気にせず口にできる。

どんなタイプの酒であれ添えない料理が無い究極の食中酒が日本酒であり、その香味の複雑味と奥の深さは世界のどんな酒にも引けを取らない。

当に世界に冠たる並行複醗酵の面目躍如、大和民族が生んだ食文化の傑作なのである。

と、ここまでかなり力が入った物言いになってしまったが、そんな日本酒でもやはり特に相性が良い料理というのは勿論あるわけで、やはり味の濃淡は相性に正比例すると云えるのではなかろうか。

今の季節ならば‘鱈チリ’や‘湯豆腐’に〆張鶴の純なんていうのは最高だし‘鴨鍋’に亀治好日の燗なんていうのもこれまたベストマッチかと。

さて画像は先日入荷した信濃鶴の生原酒と特に相性を意識したわけでもない我家の夕餉の惣菜である。

このお酒、昨年も同時期に販売した限定酒なのだが兎に角人気が高く今回も入荷前に半数が予約で埋ったのには驚いた。

実際にグラスに注ぎ味わってみるとまるで完熟したパイナップルを想わせる甘やいだ香りと豊かな旨味が口中を駆け巡る。

そしてドライに切れてゆく後口の爽やかさが絶妙なコントラストを描き次の一口を誘う。

今回も期待に違わぬ味わいに大満足というわけであるが、この晩の食卓に上ったヒレカツとの相性はとても良好であった。

衣に含まれる油やソースの酸味に新鮮味と芳醇さに溢れる酒味が良いハーモニーを奏でていると感じた。



数日後に飲んだ晩に登場したビーフシチューとも中々のマッチングを見せたこのお酒、流石に出汁巻玉子では淡白すぎて役不足なのが玉に瑕。(^^ゞ

とは云いながらも勿論相性が悪いわけでもなく美味しく頂いたが。

何故にこれだけインパクトが強いお酒なのに飲み飽きもせずにグイグイ行けてしまうのだろうか。

計らずもこいつは鶴好きを増殖してしまう酒に違いない。(^^♪
2011.02.19:maru8:コメント(0):[地酒あれこれ]

◆酒と料理の相性◆その1

  • ◆酒と料理の相性◆その1
過日ワイナリーの営業S氏がお見えになり‘生の魚貝に合わせても生臭味が生じないワイン’を開発したとの事。

酒と料理の相性と云えば、例えば淡麗タイプの繊細な日本酒ならば白身のお刺身は良い相性だが鰻の蒲焼では酒の繊細な個性が料理に負けてしまうと云うような事が一般的である。

日本酒の場合はどんな料理とも添えるという食中酒としての類い希な特質を有する為に極端に合わないという事が起きない。

ところが他の酒類においては‘数の子豆を食べた直後にビールを飲んだら口中で生臭味が増幅した’というような事が起こり予期せぬ不快感に苛まれたりする。

これなどは相性が悪い顕著な例であるが、ワインについても魚貝の生物など明らかに相性が悪い料理があるのは否定しがたい事実である。

さて今回ご紹介頂いた白ワインであるが話しの請け売りだけでご紹介する事は良心の呵責と感じ早速試してみる事に。

結果は当に驚きの体験というのが実感であった。

各種のお刺身を食し、その度ごとに恐る恐る件のワインを口に運ぶもそのアフターテイストは到って爽快。

生臭味の微塵も感じる事は無かったのである。

いやはや恐るべき高畠ワイナリーの技術力。(@_@。

その秘密はこちらにてご確認くだされたし。

この画期的とも云うべき白ワイン、お味ももちろん◎

和食に合うワイン!こんな朗報を待ってた方は多いのでは。(^^♪

【次回その2へ続く】
2011.02.16:maru8:コメント(0):[地酒あれこれ]

◆限定の逸品を食す◆

  • ◆限定の逸品を食す◆
長井で蕎麦通をも唸らせる蒸篭の美味さと云えば言わずと知れた‘そばきり八寸’。

品書きに如月限定の特別な逸品があると聞き暖簾を潜った。

注文したのは河北町が生んだご当地グルメ、‘冷たい肉そば’。

あの肉そばが八寸流にアレンジされるとどうなるのか?

興味津々で望んだそのお味はと云えば、上品且つ繊細、野暮ったさの欠片も感じない洗練されたもの。

出汁が効いたやや薄味の澄んだ汁は脂がたっぷり浮いた味の濃い本来の汁とはレベルが違うし蕎麦自体も敢えて太めにしてあるとは云う物のツナギが沢山入った田舎蕎麦とは似て非なる物。

それでいてメインの親鳥はご覧のようにテンコ盛り。

敢えて例えれば田舎育ちのお姉ちゃんが都会に出て垢抜けて帰ってきたとでもいえばお解り頂けるかと。(^^♪

スタンダードな肉そばを貶すつもりは毛頭ないし、あのコテコテ感も好きな小生ではあるがこの八寸流の肉そばは一味も二味も違う。

これで650円は大変有難いがそんなところが限定品の限定品たる所以かと。(^^ゞ



さてお次は家内が頼んだ‘かしわ蒸篭’。

冷たいお蕎麦を熱々の浸け汁で頂く鴨蒸篭の鶏肉バージョンである。

鴨蒸篭が大好物の家内が楽しみにしていた‘かしわ蒸篭’、もちろん期待通りの味わいとの事。

脂の多い鴨肉に比べて淡白な鶏肉の浸け汁はあっさりしていてこれはこれで美味しかった。

鶏に葱に三つ葉に柚子の香、蕎麦湯で割って口に運べばそれはもう至福の一時。

野口さんを一枚渡せば百円玉のお返しが頂けるのもやはり限定品ならではか。

ご馳走さまぁ。 (^.^)
2011.02.14:maru8:コメント(0):[美味いものあれこれ]

◆新・酒米の旨酒ベスト3◆

  • ◆新・酒米の旨酒ベスト3◆
食の情報誌「dancyu・ダンチュウ」の3月号‘日本酒よ世界に誇れ’のP67「新・酒米の旨酒ベスト3」に‘惣邑 純米 出羽の里’が大きく掲載。

★派手さはないけれど脂にも負けないしなやかな強さを感じる、ブリしゃぶのような個性的な料理にも合いそう。

★値頃感もあってか料理を選ばない味と香り、普段の晩酌用に常備したい一本。

プロのテイスターがこのような賞賛のコメントを書いているではありませんか。

ご存知わが山形県が生んだ酒造好適米‘出羽の里’で醸した地元長井の純米酒が並みいる他県の酒米を押さえてベスト3の評価を受けたのである。

昨年から惣邑ブランドのラインナップに新たに加わった出羽の里純米、どんな料理とも添える食中酒という醸造コンセプトの確かさが見事に証明されたのは素晴らしいと思う。

実際に得意先の焼肉店さんでもお客様に高評価を博しており脂物との相性も良いと感じる。

それと個人的な好みになるがレッテルや肩張りに感じるセンスの良さ、デザイン、カラーリング、ペーパーの質感全てが上品で統一感があり好感が持てる。

さり気なさの中に秘めた美があるのである。

酒質同様に派手さとは対局の慎ましく洗練された品格を感じるのは小生だけではないだろう。

レッテルは酒の顔であるがこの酒ほど顔と中身が一致する物もそうあるものではないと思うのだが..。(^^♪

★画像をクリックし拡大してご覧下さい。
2011.02.10:maru8:コメント(0):[地酒あれこれ]

◆立春朝搾り2011◆平成二十三年辛卯二月四日

  • ◆立春朝搾り2011◆平成二十三年辛卯二月四日
立春の日の朝に合わせて搾る酒がある。

飲み手への想いを込めて自らラベルを手貼りする入魂の酒である。

たかが酒なれども酒屋の心意気がぎっしりと詰った酒なのである。

2月4日、この日を特別な日と位置づけて「酒屋の原点に立ち返る」大切な一日。

この酒で春の息吹を伝えたいと願い‘ありがとう’の一言がこんなにも心に響くのは何故だろう。

‘朝早くからご苦労様なぁ’、‘今晩楽しみだごどぉ’こんな声を掛けられて嬉しくない筈はない。

この酒を待ってくれている人がいるという実感と最後の一本まで無事にお渡ししなくてはという責任感が交差する時。

そしてご予約頂いた皆さまへの感謝の思い。

今年も当日の配達先や店頭で、翌日にも得意先や知人から多くの声を掛けて頂いた。

‘テレビさ映ってだぞ!、新聞さ出ったっけなぁ、朝早かったんだねぇ、くたびっちゃべ’等々。

今回は始まりから終わりまでNHKの密着取材があったり各メディアがこれまで以上に取り上げてくれた為か地域の中にも細部に渡って認知が進んだ事が実感できた。(^^♪

9年間やり続けてきた事へのご褒美なのかなぁ、伝えたい事の意味が多くの方々に理解されているという実感があった。

この酒の価値観を認識して頂ける事の喜びは他には換えられない。

千代寿立春朝搾り」やはりこれは年に一度の特別な酒なのだ。

さて、今年の立春の一日を振り返ってみようと思います、ご笑覧ください。



新酒が出来た合図でもある印の酒林(杉玉)が吊るされた千代寿蔵に赤い立春朝搾りのノボリ旗が素適に映える。

開会のセレモニーにて、笑顔の主催者トリオ。

然るに酒屋おやじの額は年々広くなる。^^;

仕事を終えて頂く酒蔵の立春朝ご飯は格別の美味さ、おにぎり3個をペロリと平らげ豚汁もお替りを頂いた。

寒河江八幡宮にて御祓いを享けた後は恒例の記念撮影。

39km先で待つお客様へと気持ちは急くが安全運転に慎重を規す。
帰り着いた店頭では既にお客様が待っておられました。^^;

責任感から解放された立春の夜は恒例の‘立春朝搾りを楽しむ宴’が「そばきり八寸さん」で催され。




365日熟成の朝搾りや二年古酒2本が華を添えるラインナップ、全て原料米は美山錦ですよ。

酒徒には堪えられない酒肴の数々、春待ちウルイの胡麻和え、浅葱とホッキ貝の辛子酢味噌和え、地元花作産の辛味大根で頂くヤリ烏賊のお造り、牡蠣の茶碗蒸しに鮪節入りの蕎麦焼味噌。

天婦羅盛り合わせに豚シャブの豆乳仕立てをポン酢醤油で。

そして店主からの超ビッグなサプライズ、秘蔵されていた大吟醸雫酒の十四年古酒が振舞われて。(@_@。

生まれたてと14年の時を隔てたお酒を同時に楽しめるなど思いも因らぬ事に皆大感激の一夜。

店主様には心からお礼を申し上げます。




2011.02.07:maru8:コメント(2):[地酒あれこれ]