朝日町エコミュージアム|大朝日岳山麓 朝日町見学地情報

 朝日町は、山形県の中央部に位置し、磐梯朝日国立公園朝日連峰が町西部にどっしりと控え、町の中心部を母なる最上川がゆっくりと流れています。面積は200k平方メートル、人口は8600人の中山間地域の自然豊かな町です。最上川の河岸段丘には肥沃な農地が広がり日本一おいしいといわれるりんごの生産地としても有名です。朝日町は、自然だけでなく、国の名勝「大沼の浮島」や国の重要文化財「佐竹家住宅」などもあり、歴史的にも文化的にも豊かで、非常に魅力のある町です。そんな町で日本初のエコミュージアムが生まれました。
 朝日町でエコミュージアムを取り組むきっかけになったのは、町にある自然を活かし、共生できるような観光地づくりを目指しはじまった1988年の町営の朝日山麓家族旅行村「朝日自然観」の建設でした。自然観は、夏はブナ林の自然を体験するキャンプ場やコテージ村、冬はスキー場として、多くの人々を朝日町に呼び込みました。
 そんな中、町づくりを町だけに任せるのではなく、町民自らも関わり、なにか協力しようという気運が盛り上がり、自然観の目玉に世界でも類をみない「空気神社」の建設になったのです。豊かな自然と空気に感謝するこのモニュメントは、ブナ林の中に、5m四方のステンレス板を鏡に見立てて置いたものです。四季折々の風景がこの鏡に映り、空気への感謝をよりいっそう強く感じさせてくれます。
 この建設に呼応するように、朝日町は「地球に優しい町宣言」を行い、自然環境を大切にしていく町づくりを目指すことになりました。また、全国に先駆けて空気の日を国連環境デーの6月5日にすることを決め、毎年この日に空気に感謝する催しを行っています。こんな動きの中で、エコミュージアムの考え方が町の総合開発基本構想に取り入れられることになったのです。
 エコミュージアムは、1970年代に国際博物館学会の会長であった フランスのアンリー・リビエール氏によって考えられた新しい博物館学の考え方です。エコミュージアムのエコはエコロジー。ミュージアムは博物館。この二つの言葉を組み合わせた造語で、それまでの博物館のように物を集めて建物の中で保存するのではなく遺産や文化財、自然物をそのまま現場に保存し、それを見てもらおうという博物館です。そのため、屋根のない博物館とか、町全体が博物館とか言われることもあります。定義では、エコミュージアムとは、住民と行政が一体となって、地域の生活、自然、文化などを歴史的に研究し、現地で保存、育成することによって地域の発展に役立つ博物館となっています。
 朝日町では、このエコミュージアムの考え方を取り入れて、「第三次総合開発基本構想」を作りました。その中で「わが町に住む人々が、それぞれがこの町の文化、自然、生活に誇りを持ち、活かしながら、楽しく活き活きと暮らせる生活スタイルの確立を目指す」と書いています。
 この総合開発基本構想を受けて、1991年に朝日町独自のエコミュージアム基本構想をまとめました。この構想で「エコミュージアムは、朝日町民にとって見学者であると同時に出演者であり、町はまるごと博物館になり、住民は誰でも学芸員になる」と書かれています。町を町民が良く知り、そのことにより、誇りを持って生活できる町づくりを提案しています。
 そのため、町の自然、文化、産業、各々の遺産の中から、大切なものを選び、サテライト、すなわち現地見学場所として取り上げています。
 朝日町エコミュージアムのインフォメーション「エコミュージアムルーム」は、朝日町エコミュージアムコアセンター「創遊館」内にあります。
 ここでは、サテライト(見学場所)を訪ねたい方の相談にのっています。詳しい情報や資料を求められるほか、エコミュージアムに関する出版物の販売、案内人の手配、宿泊場所のご案内、またエコミュージアムに関するいろいろなもよおしも実施しています。
 また、併設するエコミュージアムコーナーでは、朝日町についての展示や、パソコン「ミューズ・デポ」や「あさひまちの宝箱」で、楽しく朝日町の概要や宝を知ることができます。
 サテライト(見学場所)を訪ねる前の下調べにぜひお立ち寄り下さい。

所在地 : 朝日町宮宿2265 朝日町エコミュージアムコアセンター「創遊館」1階
電 話 : 0237-67-2128

※エコミュージアムルームの管理・運営は、NPO法人朝日町エコミュージアム協会が、朝日町より受託し、町予算を充て実施しております。
 朝日町の次世代へ残したい心の宝(自然や文化・歴史などあらゆる分野の有形無形にこだわらない)をいつでも募集しています。これまで、およそ1000点の宝が報告されました。
 これらの宝は、エコミュージアム調査の手がかりとして大変活用させていただいております。郷土学習や観光・産業づくりのヒントにもなりそうです。
 宝名とその理由やエピソードを、メールやファックスでお寄せ下さい。エコルーム前に投函用「宝箱」も設置しております。
※写真の宝報告ファイルはエコルームで閲覧できます。
■棚田100選に選ばれた「椹平の棚田」
■世界類いまれな「空気神社」
■国の名勝 神秘の「大沼の浮島」 
■近代土木遺産のアーチ橋「旧明鏡橋」
■国内最長!元禄の大土木工事「最上川舟道」 
■国内最大級の原生自然「大朝日岳山麓」
■最上川の心臓部「五百川峡谷」 
■朝日町の遠野 八ッ沼の「七不思議伝説」
■日本初の旧石器発見の地「大隅遺跡」
■県内唯一の柱根縄文遺跡「上川原山ノ神縄文遺跡」 
■日本初の「蜜ロウソク工房」(体験可) 
■県内唯一明治の三階建木造建築「旧三中分校」
■最上家・上杉家と戦った「中世城館跡」 
■菅原道真の子孫が移り住んだとされる「大谷」
■奥自然観満喫ウォーク「ほうきブナと大朝日岳」
■ため池100選に選ばれた「大谷のため池群」
 町民から寄せていただいた宝報告書(約1000点、現在も募集中)をデータベースに、大テーマに精通する町民の皆さんや関係する機関からの聞き取り調査を主にしています。学術面では朝日町教育委員会や各分野の学術者の皆さんに、ご協力をいただいております。
 調査報告はエコミュージアムノートやガイドブックに編集しています。

エコミュージアムノート(PCサイト)
 調査事業で知り得たことについて、どうすればより伝えることができるかを考え実施しています。シンポジウム・ワークショップ・見学会・展示・出版・案内事業などを主にしており、実施にあたっては、調査事業でご協力いただいた精通なさる住民のみな様、朝日町教育委員会や学術者のみな様を講師としご協力をいただいております。
※写真は青苧はぎ体験会 講師/和田新五郎さん(大谷)

エコミュージアムの催し(PCサイト)
IQアプリで宝カルタ大会
棚田百選に選ばれた「椹平(くぬぎだいら)の棚田」の田植えが終わる頃、一本松農村公園には町の花「ヒメサユリ」が満開の季節を迎えます。棚田の歴史や見どころを案内いたします。四季折々の棚田の風景も案内致しております。
案内人/宮本建一
 八ツ沼地区には、中世に五百川城(八ツ沼城)がありましたが、永禄8年(1565)原美濃守が城主の時、最上義光に攻められ落城しました。城趾や空堀・大堀跡、原家が城下の護りに建立した春日神社、城の前方を守る出城があった前森には現在旧三中分校舎が建ち、三階の丸窓からは城下の西船渡地区や最上川、宮宿方面を望むことができます。

コース/春日神社〜五百川城跡〜五本樋〜若宮寺〜旧三中分校(半日)
案内/宮本建一
 八ツ沼地区は、中世には「五百川城趾」(永禄8年(1565)原美濃守が城主の時、最上義光に攻められ落城)があり、深い歴史と伝説の数多く残る地区です。原家が建立した春日沼ほとりの春日神社、空堀・大堀の残る五百川城趾、弘法大師が開いたとされる若宮寺、明治15年(1882)竣工の丸窓和洋風三階建ての木造校舎三中分校と、どっぷり八ツ沼地区の歴史をふれられます。

コース/八ツ沼公民館〜春日神社〜五百川城趾〜若宮寺〜旧三中分校〜(佐竹家住宅)
案内人/宮本建一
 歴史の深い八ツ沼地区には、まつわる七不思議伝説があります。古道を歩きながら、それぞれの伝説の場所をめぐります。

コース/八ツ沼公民館〜小関檀〜首なし地蔵〜春日沼〜大石の化け石〜ちょうちん石〜五本樋〜八ツ沼公民館
案内/宮本建一
用のはげ(明神断崖)は最上川一の絶壁です。河原から間近に迫力ある絶壁を眺め、頂上からは美しい北部地域の風景を眺めます。

※30分程の軽登山、必要な方はストック持参 
案内人/堀 茂