朝日町エコミュージアム|大朝日岳山麓 朝日町見学地情報

01.朝日連峰エリア
 エコミュージアムの小径第14集『大朝日岳物語』をついに発刊いたしました。朝日町の母なる山として、平成21年から3年にわたり聞き取り調査やシンポジウムを行ったものでしたが、諸事情により印刷が遅くなっておりました。
 内容は、朝日岳を愛した地元写真家阿部幸作氏にはじまり、茅葺き職人や山菜やきのこ採りの名人、材木業者などのくらし、上杉家の朝日岳軍道について、さらに一般から募集した大朝日岳ビューポイント33も掲載しております。
 制作にあたりましては多くの皆様にご協力いただきました。心から厚く御礼申し上げます。

※エコミュージアムルームで500円で頒布中。郵送も致しております。(別途切手代をご負担下さい)☎0237-67-2128

■朝日町エコミュージアムの小径第14集『大朝日岳』
発行/NPO法人朝日町エコミュージアム協会(A5版38頁)

〔目次〕
朝日連峰初の山岳写真家(阿部幸作氏略歴)・・・1
夫、阿部幸作のあれこれ話し 阿部きよヱさん・・・5
朝日町最後のカヤ葺き職人 白田吉蔵さん・・・9
山と共に生きた日々 長岡周眞さん・・・13
山と共に生きる 長岡幸司さん・・・21
直江兼続が開いた朝日軍道 北畠教爾さん・・・25
幻の道、朝日軍道の踏破記録 山田栄二さん・・・27
大朝日岳周辺の朝日軍道について 花山忠夫さん・・・29
広報誌掲載記事・報告・・・31
朝日町から見える大朝日岳ビューポイント33・・・32

〔発行者あいさつ〕
 NPO法人朝日町エコミュージアム協会では、平成二十一年度から三ヵ年にわたり、朝日町のシンボルである大朝日岳に光を当て、「大朝日岳山麓と住民の関わり」というテーマのもとに調査活動やイベント開催を行って来ました。
 朝日連峰初の山岳写真家であった阿部幸作氏につきましては、遺された多くの写真やネガ、八ミリフィルムを提供していただき、朝日連峰だけでなく、懐かしい昭和の朝日町に関する写真展や映像のDVD化等貴重な記録を残すことができました。 また、NHKの大河ドラマ「天地人」に合わせて、朝日町エコミュージアム二十周年記念事業として「直江兼続が開いた朝日軍道」のパネルディスカッションでは、今に残る歴史の跡をたどることができました。
 平成二十二年には、日本エコミュージアム研究会全国大会が朝日町エコミュージアムで開かれ、その際に阿部幸作氏が遺した映像の上映会を行い、全国の研究者からも注目されました。平成二十三年には、締めくくりの事業として「朝日町から見える大朝日岳ビューポイント33」の募集を行い、町内外の方々から寄せられた地点より33ヶ所を選定させていただきました。
 これらの事業と共に大朝日岳山麓に関わる住民の方々のお話をまとめたのが、この冊子です。お読みいただくことで、大朝日岳山麓に暮らす人々について認識を深めていただければ幸いに存じます。

NPO法人朝日町エコミュージアム協会 理事長 長岡信悦
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お話 長岡幸司さん(太郎)

■朝日の山が大好きだ
 わたしは朝日町太郎生まれで、もう80歳は越したが、今でも毎日山菜採りや、キノコ採りで生活をしている。もちろん冬は休みだが。家の周りにも、山菜やキノコのホダ木があるので、冬もキノコや山菜にかこまれているなあ。もう3、40年は、こんな生活をしている。朝日の山が大好きで、朝日のことなら、どこに何があるか、何でも知っている。俺の庭みたいに思っている。

■山の恵みで生かしてもらっている
 昔は、西五百川にたくさん俺のような人がいたが、今は少なくなった、商売にしている人は、何人もいないな。採ったキノコや山菜は、みな業者に売っている。キノコは、小さな箱に入れて売るのだ。買った八百屋が、市場に行ってセリで売る。その売った代金を後程精算してくれる。何でもそうだが、買ってくれる人がいるのだから、箱に入れるのにも、美しく見えるようにしないとだめだ。ただ決まった量だけ入れているのではだめだ。少しでも高く買ってもらわないと、大切な山の恵みを山から苦労して背負ってきたのだから。
 山に行ったら何でも採るようにしている。もちろん、マイタケ、ブナハリタケ、ナメコはキロ当たり値段が高いのだが、採れないときは、サルノコシカケでも採って来る。サルノコシカケは重いだけで、マイタケの何十分の一の値段しかならない。それでも、山に入って、なにも採れない時は、なんでも採ってこないとだめだ。どれも山からの恵みだから、われわれ商売人はそれで生かしてもらっているのだから。

■山は危険でいっぱいだ
 山には、いっぱい危険もある、よくあるのはスズメバチだな。これに刺されると、腕がしびれてくる。俺はいつもバイクだから、片手でバイク運転してきたこともある。手の回り、3か所刺された時は、山からガラガラ降りて来て、バイクのとこさ来て、ガソリンつけたんだ、さっぱり腫れないのよ。腫れてきてからではだめだ。フキの葉つけるのも良い。ホウの木の皮も良い。刺されたら、まずそこを絞ることだ。いろいろ方法はあるが、今では薬を持っている。ハチ刺されの薬だ。何事も準備が大切だ。

■クマには、18回もあったことがある
 一番おっかないのは、クマだ。おれは一回もかみつかれたことはないが、見たことは18回もある。一番近いのは、2間(3.6m)の所で出会ったことがある。登山道では、3間の所でもあった。あの時は、休んでいたら下から来たのだ。だから、いつも鈴着けている。峰越す時は、鈴鳴らすのよ。鈴鳴らすと、クマがあわててブナの木に登っていったことがある。木に登ったクマはおりてこね。一度は大きなの、2ついて、鈴鳴らすと一つは木に登ったが、もうひとつ大きな黒いの軍用機みたいないたのよ。ハアーて口あいたが、鈴鳴らすと、木に登っていった。鈴のあの「ケンケン」って音は嫌いなのだな。登山者も持っていたほうがよい。今は、山に入る時、爆竹持っていくこともある、奥に行って、この辺は危ないなあと思ったら、爆竹掛けるとおっかなく無い。クマには、どこでも気をつけなければならない、尾根越えるときは、声を出し「オオー」てさなる。腰にいつも鈴をつけていることも大切だ。おれは毎日山で仕事をしているのだ、山にはクマもスズメバチも住んでいる。だからこちらが気をつけなければならない。かかられたら損だ、かかったクマだっていい思いしないだろう。
(No.1203 聞き書き 西澤信雄)

長岡幸司氏(太郎)
昭和5年(1930)生まれ。
農家もしているが、山菜採り、キノコ採りを本業にする。今でも、朝日の山に毎日のように通う。朝日は自分の庭のように詳しく、山岳遭難の時も案内を頼まれ参加する。

上記ダウンロードボタンで印刷用PDFファイルが開きます。

 公募により寄せられた朝日町から見える大朝日岳33ヵ所のポイントが、北部、中部、西部、山岳エリアに分けられ、場所ごとの簡単な説明がなされています。裏面はマップにもなっており、とても分かりやすい内容となっています。ぜひ、このパンフレットを片手にそれぞれのビューポイントを訪ねていただきたいです。
 必要な方にお送り致しております。お問い合わせフォームもしくは電話0237-67-2128(月・木休)でご請求下さい。


朝日町から見える大朝日岳ビューポイント33
戦国時代、直江兼続によって朝日連峰の尾根沿いに、全長60kmにも及ぶ朝日軍道が開削されました。この軍道跡を葉山から大朝日岳山頂まで眺めることができます。
推薦・写真 / 設楽國雄さん(西川町)

マップ
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朝日連峰について
御影森山(みかげもりやま)頂上は狭く四畳半程の広さですが視界が良く、大朝日岳を頂点とした山並みの懐の深さを感じる山容を見ることができます。近年、若い登山者が好んで登っているようです。
推薦・写真 / 花山忠夫さん(宮宿)

マップ
ビューポイント33一覧
朝日連峰について
朝日町内で気候が最も厳しく、背の高い木は育ちませんが、雪解けとともに多くの高山植物が咲き始め、御花畑とともに大朝日岳の姿を眺めることができます。
推薦・写真 花山 忠夫(宮宿)

マップ
ビューポイント33一覧
朝日連峰について
 目の前に大朝日岳がせまり、大朝日小屋がはっきり見え近くに感じることができます。秋になるとハイ松の緑と赤や黄色に紅葉した低木が美しいコントラストを描きます。
推薦・写真 / 花山忠夫さん(宮宿)

マップ
ビューポイント33一覧
朝日連峰について
鳥原山展望台から小朝日岳へ向かうルートの中間点のブナ林の間から、大朝日岳を望むことができます。秋には登山道脇のナナカマドやドウダンが真っ赤に色づきます。
推薦・写真 / 小川澄夫さん(太郎)

マップ
ビューポイント33一覧
朝日連峰について
白滝(しらたき)登山口から登って、ブナ林や鳥原湿原の木道を通り、鳥原山山頂の先にある展望台に着くと、目の前に大朝日岳と小朝日岳の雄大な姿を見ることができます。
推薦・写真 / 小川澄夫さん(太郎)

マップ
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朝日連峰について
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朝日鉱泉ナチュラリストの家の先、町道朝日線を登って白鷹町との境に位置する愛染峠付近から、大朝日岳、小朝日岳、上倉山の山々を望むことができます。この風景は「朝日川十景」のひとつにもなっています。
推薦・写真 / 鈴木健二さん(宮宿)

マップ
朝日川十景
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朝日連峰について
上倉山(かみくらやま)の頂上から、大朝日岳への最短コースである中ツル尾根の先に大朝日岳を見ることができます。頂上を越え登山道を少し入ったところに「森の巨人たち百選」に選ばれたクロベの巨木があります。
推薦・写真 / 村山 努さん(宮宿)

マップ
上倉山のクロベ
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朝日連峰について
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道智道(どうちみち)から入った頭殿山(とうどのさん・とうどさん)の頂上から、クロマタ沢の上にそびえる大朝日岳を望むことができます。 
推薦・写真 / 設楽國雄さん(西川町)         

※道智道…置賜地方からの出羽三山参拝の便を図るため、道智上人(大井沢大日寺中興の祖)によって開削された道。白鷹町黒鴨〜日影〜朝日町萱野〜一ツ沢〜木川〜古寺〜大井沢〜湯殿山

マップ
ビューポイント33一覧
朝日連峰について
朝日鉱泉は江戸末期に開湯し、昔は湯治場として栄え、現在は大朝日岳の登山基地となっています。朝日川渓谷の奥や、ナチュラリストの家のテラスから、ピラミッド型の大朝日岳を見ることができます。
推薦・写真 / 西澤信雄さん(朝日鉱泉ナチュラリストの家代表)

マップ
朝日鉱泉について
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朝日連峰について
Asahi自然観から林道伏辺山線を通って車で10分ほど走ったところに「朝日連峰ビュースポット」があります。ブナ林の奥に大朝日岳、小朝日岳の姿を見ることができます。
推薦・写真 / 長岡典巳さん(太郎)

マップ
朝日連峰ビュースポット
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朝日連峰について