朝日町エコミュージアム|大朝日岳山麓 朝日町見学地情報

09.町のりんごエリア:住民学芸員のお話
 樹齢100年以上といわれる紅玉の木は見事に美しい花を咲かせ、たくさんのミツバチ達が花粉交配に働いていました。
 園主の菅井敏一さんによると「山形に果樹試験場ができた時に植えられた5本のうちの1本を残しておいたもの。100年こえているりんごの木は青森でも少ないのでは」とおっしゃっていました。
 また、収穫されたりんごは生きていることを教わりました。「りんごを磨くと気孔を閉ざすことになるので息が吸えなくなって死んでしまう。磨いたらすぐに食べて欲しい。凍ったりんごも、水が凍る時に針状になるから細胞が壊されて死んでしまう。」
 さらに和合平のりんごについて「ここは白鷹山の火山灰が混じった深層強酸性の土。重たくて固くて酸が強いから長持ちする。フジの場合は、普通は収穫した時が一番おいしくなる。ここのは、一週間から10日位で気にならない酸味になり、収穫時よりもはるかに美味しくなる。そして一か月そのおいしさが続く」と。とても興味深い話を伺うことができました。
 秋にまたお邪魔します。菅井さんありがとうございました。

朝日町最古のりんごの木
朝日町のりんご栽培の歴史
見学会「朝日町りんごのはじまり物語 」(H15)
見学会「あっぷるニュー豚とりんご誕生物語」(H26)
                   

JAさがえ西村山女性部朝日支部のりんごジュースについて
お話 後藤よし子さん

 平成6年に1市4町のJAさがえが出来上がった時に、さらに充実した活動をしようと新しい独自の女性部組織を作りました。朝日町は年間約1万トンのりんごを生産していますが、価格が低迷する中、販売対策や付加価値を高めた販売消費対策が大きな課題となっています。
 りんごには、長いものや丸いものなど規格に合わない形もありますが味は同じです。これに付加価値をつけたらどうだろうと、女性部で話になり「自分で作ったりんごでジュースを搾る」ための加工事業を立ち上げることになりました。立ち上げるにあたっては、アンケート調査を実施し、JAや役場、普及センターの先生にご指導いただき、保健所に相談に行ったり、さらには地区座談会も行いました。座談会では、奨励して下さる意見もある反面「借り入れして失敗した時の責任は誰が負うのか」の意見も出されました。
 そして、平成11年の総会で出資してもらえることが決議され、保健所の許可も何度も通ってやっと下り、10月に加工所が出来上がりました。最高の喜びでした。
 10・11月は日中はりんご収穫作業で忙しいため、夜の作業となり11時まで搾ったことも何度もありました。12月からは日中の作業となりました。
 晩生種の「ふじ」の頃には、全部員に、搾りたいコンテナ数のとりまとめをしています。加工は1コンテナからでき、搾る料金は、加工場で自分で搾る人、委託する人、女性部員か一般かで、分けて設定しています。これにより、自分の育てたりんごで自分のオリジナルりんごジュースを作ることができるようになったのです。
 当初、年間800コンテナの加工を目標にしていましたが、平成12年度は1877コンテナで20289本を搾ることができました。これは部員の大きな力と強く感じました。
 女性部員も255名から294名に増えました。今後はりんごを使った菓子加工もやってみたいなと夢をふくらませているところです。

お話 後藤よし子さん
平成13年11月 朝日町りんごシンポジウム