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事務職をめざすあなたへ。最初に知っておきたい3つのこと。

  • 事務職をめざすあなたへ。最初に知っておきたい3つのこと。

こんにちは。澤村千明です。

 

ジンジャーズに入社してあっという間に1年が経過しました・・・!とっても早いです。

ここ半年は、主に女性の転職希望者の方と面談をさせていただく機会が多くありました。お一人お一人のお顔が、強く思い出されます。みなさん、お話いただきまして、ありがとうございました(^-^)

 

 

\ピンポーン/

あ、今日もまたどなたか女性のご相談者がいらっしゃったようです!

 

「澤村さん、転職相談をお願いします!私はA子、20代です」

「A子さん、よろしくお願いします。転職をお考えなんですね」

「そうなんです。今、営業の仕事をしているんですが、事務職に転職したいなと思っているんです」

「事務がいいなと思っているのですね。それはどうしてですか?」

「今、休みが不規則だし残業も多くて。土日休みの、残業のない楽な仕事がよくて・・・。事務なら、それが叶うかなあと。」

 

事務職への転職を考えるA子さん。

こんなときに、私がどんなお話をしているか。今日は、最初に知っていただきたい3点をご紹介しますね。

 

 

 

①どうして事務がいいの?

なぜ事務職なのかをお聞きすると、「土日が休みだから」「残業がないから」「なんとなく」こんなお答えをいただくことがあります。このお答えを、真っ向から否定するわけではありません。仕事へ求める優先順位を考えるうえで「休日」「残業の有無」は大切な項目のひとつだと思いますし、お若い方など『イメージ』で仕事を考える場合もあるでしょう。

ただ、後述しますが、事務職は非常に人気の高い職種です。+αの「事務職に就きたい気持ち」「経験やスキル」がより明確であるほうが、企業側へのアピール材料になります。

また、事務職といえども、必ずしも土日が休みとは限りません。残業がないとも限りません。
「土日休みや残業の有無を優先したい」のか?それとも、「事務職として働きたい」のか?給与や通勤距離などその他の項目も加味してとなりますが、【自分は仕事に何を求めるのか】という優先順位をあらためて考えてみるといいかもしれませんね。

 

②事務の仕事って?

そもそも、事務の仕事とは何なのでしょう。会計ソフト入力や日々の帳簿作成などの「経理事務」、給与計算等の労務管理や外部との調整などの「総務事務」というように、専門的知識が必要な事務の仕事もあります。特に中小企業の場合は、これらを合わせて「事務」と呼んでいる場合も多くあります。
また、事務職は社内に1~2人しかいないことも多いです。「縁の下の力持ち」として、社内を少人数で支えているのが事務職なのです。
幅広い知識や経験が求められますし、自らも学ぼうとする姿勢も求められます。また、社内外のさまざまな立場の方と接することもあるため、いわゆるコミュニケーション能力や調整力も必要でしょう。「1日座っているだけ」「ずっとパソコン作業をしていればOK」というわけではありません。

 

③事務職に就くのは簡単?

「事務職に就くことは簡単ですか?」と聞かれたときに、私は「いいえ」と答えます。

職種別の有効求人倍率をご存じでしょうか?
2020年10月末に山形労働局が発表した資料によると、事務系の有効求人倍率は「0.45」という数字でした。具体的には、事務系求職者3,424人に対して、求人数は1,549件。求人数が圧倒的に「少ない」のです。販売や技術職などほかの職種と比較しても、有効求人倍率が最も低いのは事務職です。
つまり、「事務職に就きたい人はたくさんいるのに、求人が十分にない」状況がすでに生まれており、非常に人気のある職種だとも言えます。

 

さらに、具体的な事務職の求人票を見てみると、多くの企業で「事務経験者歓迎」「経験者優遇」との文字が並びます。未経験で正社員事務職にキャリアチェンジしたい、とお考えの方はより一層むずかしい状況であると考えられます。

 

 

 

ここまでお読みいただき、
「イメージで『事務がいい』と思っていたけれど、本当にそれでいいのかな?」
「私はなんの仕事が向いているんだろう・・・」
「やっぱり事務がいいんだけどどうしたらいいのかな」
「初めての転職活動。そもそも進め方がよく分からない!」
などと思っているそこのあなた。

 

ご相談のなかから一緒に、事務職を含むさまざまな可能性を考えてみませんか?

 

 

まずはお気軽にお問い合わせくださいね~!

2020.11.17:yamaten:コメント(0):[キャリアアップ情報]

【30代の転職体験記】コロナ禍のUターン転職 ~地元企業との関係の深さと機動力が導いた転職成功への道~

  • 【30代の転職体験記】コロナ禍のUターン転職 ~地元企業との関係の深さと機動力が導いた転職成功への道~

2020年、私たちはこれまでに経験したことのないような出来事に見舞われました。
そして、2020年が終わろうする今も、その状況はまだ続いています。
環境や社会の変化は、人間一人だけで乗り切れるものではないのだということを実感しています。

今回は、新型コロナウィルスによる緊急事態宣言直前に、ご家庭の事情でUターンをせざる得なかったMさんと、私たちジンジャーズの活動をまとめた体験記です。

※Mさんよりご提供いただきました体験記をベースにし、個人情報等に配慮し、状況等を加筆修正して掲載しています。

 

1.山形転職(ジンジャーズ)との出会い
私は、2020年2月に家庭の事情により勤めていた首都圏の会社を辞め、埼玉県から実家に戻ることになりました。

初めての転職活動且つ埼玉から山形へということで、何もわからない手探り状態の中、まずは大手転職エージェントサービスに登録しました。
大手エージェントさんの面談では、非公開求人や未掲載求人がないものかと期待していましたが、実際はそういった求人はなく、応募したいものもありませんでした。

その時私は、
「本当に、『今これしか求人がない』だけなのかな」
「大手エージェントでも東京から山形への転職斡旋は難しいんじゃないかな」

と感じました。

そこで、
「地元にも数多く会社があるし、もっとチャンスはあるはず」
という根拠のない自分の感覚を信じ、
山形に密着した転職エージェントはいないものかと再度ネット検索をして「山形転職」のジンジャーズと出会いました。


2.ジンジャーズコンサルタントとの面談

さっそく転職支援に申し込み、帰省時に面談させて頂きました。
希望などをお話しすると、即日、今まで他社サイトでは見ることのなかった候補を数社頂きました。
その時、私は「山形で転職支援をしてもらうならここだ!」と思い、サポートをお願いしたいという気持ちになりました。
(面談の際、コンサルタントの方の中に親戚の同級生がいたり、私の知人と繋がりがあった方もいて、驚いたことに加えて親近感が湧いたことも大きかったです)


3.その後の活動と新型コロナウイルス

ジンジャーズではすでに募集のある求人だけではなく、私が興味のある会社に推薦もして頂けました。
大手エージェントでは真似の出来ない対応に感激するとともにいくつか書類提出をして頂きました。
残念ながらそれらの会社では私が希望する職種を募集しておらず、うまくマッチとはなりませんでしたが、目に見える求人情報に応募するだけとは違う活動方法に前向きな気持ちで転職活動が出来ていました。

そうした矢先、新型コロナウイルスが猛威を振るい始め、求人の数がみるみる減っていきました。
 

4.ジンジャーズのリサーチ

更に、転職サイトに掲載してある求人も、実際に応募してみると既に募集意思のない「死んでいる求人」になっていたりと、転職活動が上手く進められなくなっていました。

困った私は大変失礼ながら、
インターネット上で見た興味のある求人が、実際に今まだ動いている求人なのかどうかをジンジャーズに調べてもらえないか相談しました。

ジンジャーズではこれに快諾頂き、企業に直接アプローチして調べて頂いたものの中から、ある会社を受験し、無事内定を頂くことができました。
 

5.まとめ

他エージェントでも常に丁寧にサポートして頂きましたが、山形県内の企業と密接な関係を築いておられるジンジャーズには、さらに一歩深いところでの対応をして頂けたと感じております。

活動を通して、選考結果では、良い評価も悪い評価も受験する企業から詳細をお聞きすることが出来、落選時でも納得感のある転職活動が出来ました。

また、内定を頂いた会社についてはジンジャーズによるサポートがあったからこそと感じております。自分の経験だけでは採用基準に満たない可能性があるとのことで、書類を書き直して、応募会社への興味や関連しそうな業務経験に書き換えて応募させていただいたことによって、もともと募集があったポジションではなく、自分の経験がより生きる部署への配属となりました。


コロナ禍の厳しい環境下ではありましたが、転職が決まるまで辛抱強くサポートして頂き大変感謝しております。
本当にありがとうございました。


インターネットの求人情報はたくさんありますが、あちこちに転載されて出処が不明となってしまったような求人や、今現在募集状況がどうなっているのかわからない求人もたくさんあります。以前から地域に根ざして企業との信頼関係を深めていたことが、素早く求人状況を確認でき、今回の転職支援に結びつけることができました。

また、感染拡大防止対策を取りながら慎重に選考対応してくださった各社様、現在も対応を続けて採用活動を続けてくださっている各社様には、私どもからも感謝申し上げます。


まだ新型コロナウィルスによる経済への影響は続いていますが、こうした環境の中でも、1人1人の転職希望者、1社1社の求人企業と丁寧に向き合って、山形専門の転職支援を続けていきたいと考えています。

2020.11.06:yamaten:コメント(0):[転職体験記]

Uターン転職を思い立ったら、「生活」の見積もりをしよう

  • Uターン転職を思い立ったら、「生活」の見積もりをしよう

山形へのUターン、実行するにはなかなか勇気が必要ですよね。私も東京からのUターン転職組なので、とても気持ちがわかります。

今回は、「そろそろ、山形に戻ろうかなと考えるけど、決めきれていない」方に向けて、私の山形へのUターンの経験談を通して感じた、Uターンするために必要なことについてお伝えします。



Uターンの想いを推し進めるためには、「生活を見積もること」が必要

私は、30歳くらいのときに一度自分の将来やキャリアを見直すタイミングに「この先どうしようか?」とか「どこで自分は死ぬのかな」といったことを考えてみたら、親の顔が浮かんできたり、家とかお墓とかどうすんだろ、と思ったり…それで、東京から山形に戻ってくることに決めました。

そこで心配になったのは、やはりお金のこと。

都会に比べて、給与のベースが格段に低いです。相場を聞いてみたら、職種や業種にもよりますが、私の場合、山形で最初に入社した会社での年収は、東京で働いていた時の半分程になる計算でした。
当時結婚したばかりの妻にしてみたら、結婚してすぐに年収激減なんて詐欺のような話だったのではないかと思います(笑

それでも、いま私はこうやって山形で働いているわけですが、Uターン前に「給与が下がっても大丈夫」という覚悟できたのは、「ライフプラン表を作って将来のキャッシュフローを想定出来た」からです。

入社時に提示された初年度の給与から月毎の手取りを計算し、そこから月々の生活費や貯金を計算し、ライフプランに基づいていつ何を買う必要があるか、予想して書きました。
Uターン当時は子どもはいませんでしたが、将来仮に子どもを授かった場合の計算もして、生活するイメージがきちんと持てたことがとても大きかったですね。
一応、60歳までのシミュレーションをして、さらには、仮に病気になったり、帰ってから自分が急に死んでしまった場合も想定しました。
生命保険、医療保険も見直ししました。保険や税金は少しでも知っておいたほうが良いなと感じ、FP3級の資格を取ったりもしました。。勉強したことはもうほとんど忘れてしまいましたが(笑

こうやって「生活を見積もる」ことを行ったことで、普通のつつましい暮らしの目処がたったことと、最悪、急に死んでしまっても家族は安泰だという変な安心感が、私のUターンの決意を確固たるものにできたと思います。



「生活を見積もること」で、Uターン転職の「想い」が「覚悟」になる

覚悟とは、辞書で調べると「悪い事態(に多大の努力がいるの)を予測して心の準備をすること。」と出てきます。

「Uターンしよう!」と決意してみても、なかなか腹が決まらない人も多いと思います。

そんな方は、まずは生活を見積もってみましょう。
Uターンしようかどうかフワフワしている人は、この「生活を見積もる」がなかなか出来ていないように思います。

書き方としては、厳密に計算する必要はありません。
親と同居?アパート暮らし?車は何台持つ?子供は保育園に入れる?など、暮らしをイメージしてかかる費用をざっくり紙に書き出して計算してみるのです。何か特殊な知識が必要なものではありません。(でも、計画は常に変わるものだし、くらいの心の余裕を持ってくださいね)

以下は実際に私がUターンしてくる時に作った年間のキャッシュフロー表です(具体的な金額はご勘弁を・・・汗)。
この表の別のシートには、月々に何が幾らかかるかを想定した生活費の計算表があります。


お金の問題ある程度目処がついて解決できていれば、転職した先で一時的に給与が下がったとしても、生活するイメージができます。

特に首都圏からのUターンにおいては、給与が上がる転職はほとんどありません。年収では首都圏の6~7割程度になるケースが多いです。


Uターン転職で、大きな障壁になるのが、やはり「家族の納得」です。
特に、山形で暮らしたことのない配偶者や親族にとっては、どの程度の収入があれば生活していけるのか、がイメージできず、収入を下げてしまう不安が大きくなってしまいます。

家族の不安を払拭するためにも、可視化して、ご自身の覚悟を明確にするとともに、家族と生活イメージを共有することを、是非お勧めします。

【コンサルタント 佐藤大輔】

(この記事は、2018年9月に書いた記事を加筆再編集しています)

2020.09.29:yamaten:コメント(0):[キャリアアップ情報]

【データを読み解く】雇用環境悪化と言われるけれど、やっぱり今は転職活動しない方がいいの?

  • 【データを読み解く】雇用環境悪化と言われるけれど、やっぱり今は転職活動しない方がいいの?

新型コロナウィルスによる景気悪化に伴って、長く売り手市場(求職者にとって有利な環境)であった雇用状況が一転しました。

報道でよく出る求人倍率とは、求職者(仕事を探している人)1人あたり何件の求人があるかを示すもので、

求人倍率が高い=求人件数が求職者数よりも多く、企業側が採用に苦労する状況
求人倍率が低い=求人件数よりも求職者数が多く、求職者が就職に苦労する状況

ということを示すデータであると言えます。

毎月月末に、先月の集計結果が山形労働局よりこのような資料で発表されています。

(全データご覧になりたい方はこちらをクリック/PDFが開きます

2020年9月1日の発表資料を元に、各メディアでは「山形県内求人倍率は1.04倍」と大きく報道されました。
もう少し詳しく見てみると雇用形態ごとに求人倍率が異なっています。

(1)有期雇用の求人を含む全ての求人倍率=1.04倍 ←報道で発表されている数字

(2)常用雇用(1年以上継続して雇用されると見込まれる)求人=0.99倍 

(3)正社員求人のみを対象にした求人倍率=0.81倍

 

山形転職をご覧いただいている皆さんは、正社員での転職を目指されていらっしゃると思いますので、見るべき数字は【0.81倍】です。

ちょっと乱暴な表現ですが、平たくならすと「正社員求人1件に対して1人以上の応募がある」状態ですので、企業側に有利な状況です。

 

全体の数字を見ると、今は転職を控えた方がいいと思いがちですが、さらにもう一段階詳しく見ていくと、そうとは限らないことがわかります。

労働局では、職種毎に出されている求人件数と、その職種を希望する求職者数も発表しています。

それが、以下の「求人・求職バランスシート」です。(一部見やすいように加工しています)

常用雇用での集計ですので、全体では0.99倍となっていますが、表を見ていただくとわかる通り、職種によってかなりギャップがあるのがわかります。

求職者にとって、今もっとも転職するのに苦戦するのが、赤色の「事務的職業 0.49倍」です。
いわゆる一般事務、営業事務を希望するとなると、非常に競争が激しく、2人に1人しか仕事がない状態です。


逆に、就職しやすいのは青色の「建設・採掘の職業 6.40倍」「保安の職業 5.80倍」で、コロナ以前からなかなか希望者がおらずずっと人手不足が続いている職種です。

山形転職をご覧いただいているみなさんとともに注目したいのが、「管理的職業 1.76倍」「専門・技術的職業 2.19倍」です。

いわゆるマネジメント、管理職ポジションや、エンジニア・技術者にとっては、いまだに転職しやすい環境が続いています。

これらの管理職ポジションや経験豊富なエンジニア層は、経験値が求められるため、年齢的にも比較的高い層であることが考えられます。

山形転職では、マネジメント経験や専門技術を求める求人を多数保有しております。

今動くべきかどうか迷っている、と言う方も、ぜひお気軽に情報収集のつもりでご相談ください。

 

オススメの【転職体験記】

「40代で異業種へ転職 将来を見据えた「まずは情報収集」から転職成功したHさんの場合」

【山形で同業他社への転職ってどうなの?】 双方の事情に配慮して『匿名での面談→内定獲得』30代専門技術者の転職体験記

2020.09.04:yamaten:コメント(0):[キャリアアップ情報]

【30代の転職体験記】~山形で同業他社への転職ってどうなの?~ 双方の事情に配慮して『匿名での面談→内定獲得』30代専門技術者の体験。

  • 【30代の転職体験記】~山形で同業他社への転職ってどうなの?~ 双方の事情に配慮して『匿名での面談→内定獲得』30代専門技術者の体験。

山形は、親戚・友人・知人・顔見知りと人間関係や間柄が近いことも多く、地域内での同業や関連会社への転職は難しいこともあります。



そのような地域事情のなか、ジンジャーズがお手伝いすることで『匿名応募による内定獲得』を果たしたMさん(30代・男性)の転職体験記です。

 

Mさんはご結婚を機に山形へいらっしゃったIターン。
ご縁があって入社した山形の新しい職場でも精力的に働いていたMさんでしたが、Mさんにとっては仕事がやや単調で簡単すぎるものでした。

「今の会社でも悪くはないんだけれど、でも、それでいいのだろうか」

そんなモヤモヤを抱え再度転職を考えて私たちジンジャーズへ相談にいらっしゃったのです。

 

Mさんが専門技術職として豊富な経験をお持ちの優秀な方であるということは、面談の中で十分理解できました。また、仕事に対する価値観や姿勢もしっかりしており、お人柄が誠実でいらっしゃることも面談で伝わってきました。

ただ、Mさんの場合、専門技術職であるが故に、経験を生かして転職をするならやはり「同業他社」「関連業界」となってしまいます。

山形での生活のなかで社内外に友人知人も増えてきたところで「転職活動をしていることを誰かに知られたくない」という気持ちと、「同業関連会社以外に、自分の能力をもっと発揮できる会社が他にあるのか」という悩ましい問題を抱えていらっしゃるようでした。


一方、ジンジャーズ取引先であるZ社。
Z社では「優秀な、中堅の専門技術職者がほしい」「社外にはまだ口外していない新規事業へ雇用したい」という求人ニーズをお持ちでした。

採用するに当たっては、新規事業の内容を交えながら説明する必要がありますが、その内容はあまり外部に漏れないようにしたい、という意向があり、エージェントである私たちも注意を払う必要がありました。

 

経験や知識、仕事に対する価値観から判断すると、MさんとZ社はぴったりだと私たちは思いましたが、そこに問題が一つありました。
Mさんがお勤めの会社は、Z社と競合でもあり、ある分野では取引もある身近な会社だったのです。

 

こういう場合にどういうことが転職エージェントとしてできるのか。

 

通常通りの書類選考・面接ではMさんにとって「外部に漏れるのではないか」と不安のあるやり方になってしまいます。

Z社も、「取引のある会社の社員に新しい取り組みを話す」というのはリスクに感じます。

また、同業他社に転職する場合は、競業禁止義務にも留意する必要があるため、双方が気軽に会って話しましょう、となりにくいということもあります。

 

競業禁止義務とは・・・

入社時や退職の際に、会社から「◯年間は同業他社に転職しない」といった「競業避止義務」の誓約を求められることがあります。
競業避止義務とは、従業員が在職中に同業他社で兼業したり、退職後に競業行為を行ったりすることを禁止するものです。


機密情報を知っている従業員によって競合企業に企業機密が漏れたり、元従業員が在職中に得たノウハウを元に同業界で新たに事業を始めたりすることで、その企業が損害を受けないように規定されています。


法律上は、「職業選択の自由」が憲法上で規定されているので、競業避止義務規定があっても、同業他社に転職することはできます。

実際に競業避止義務規定があっても、前職の会社が営業上で不利益を被らなければ、基本的には従業員がビジネスで競合する会社へ転職してもほとんど問題になることはないでしょう。
(ただし、機密情報や顧客情報などを持ち出して活用した場合など訴訟問題に発展することもあります)

ただ、誓約規定がある会社にお勤めの方は、誓約に署名したという意識もありますから、なかなか積極的に同業他社への転職を考えることはなく、諦めている場合もあるように思います。

また、今後も元上司や元同僚とどこかで接点が出てくるかもしれませんし、地域柄、競合であっても身近な取引先である場合もあるため、辞める時には誠実に、機密情報は持ち出さないなどのモラルを守って転職する必要があります。

 

双方の不安や、競業禁止に配慮して提案したのが「選考前の、匿名での面談」です。

 

Mさんにとっては「個人情報を秘匿した状態で応募先企業の役員と面談し、組織の雰囲気や事業の方向性を知る」ことができ、Z社にとっては「不特定多数に新しいサービスの情報を漏らすことなく、可能性の高い人材にだけ面と向かって、相手の感触を確かめながら新事業部門での採用を検討する」ことができます。

 

Mさんを匿名状態で面談をセッティングし、面談場所も私たちの手配による外部施設で調整しました。面談時には担当コンサルタントも同席し、Mさんに「事前に知り得た内部情報を漏らさない」と約束いただき、一方Z社には、「選考ではないので個人情報を詮索しない」という条件のもと、事業内容や求められるスキルレベルなどを確認してもらいました。

 

そして、この面談が契機となり、双方のご縁が繋がって、同業への転職を果たすことができたのです。

 

このような「匿名での面談」は、Mさんのように仕事を真摯に考え、自分の会社と相手の会社のことを考えて転職活動をする人と自社の成長のために人材採用に本気で取り組むZ社が存在して、その双方からの信頼を得ている転職エージェントが揃わないとできないことです。

 

地方で同業他社や関連業界への転職はなかなか難しい、という実情は、当分変わることはないかもしれません。私たちも、積極的に進めるものではありません。

ですが、同じ業界にも様々な企業がある中で、より自分の価値観が合う組織で働いた方が幸福度は高いのではないでしょうか。

 

ご登録いただいたお一人お一人が、より幸せな環境で気持ちよく働けるように、私たちは個人と企業の秘密を守り、時には忍者のように活動しているのです。

 

2020.08.31:yamaten:コメント(0):[転職体験記]