停車場憧憬 蒼き山に

  • 停車場憧憬 蒼き山に

盆地の中に私はいる

街が闇の湖底に沈む頃

西山の尾根々々が

蒼い光と共に迫って来る

 

列車が湖底を進んで行く

安穏という灯りがもれている

私は一人 列車を見送った

 

あたりがふたたび蒼い光に包まれた

山々は 敢然として私の前に立ちはだかる

蒼い光は 死してなお見守らんとする者の

人魂なのか

過去と未来  生と死が

無言のままでそこにある

 

穏やかな葉山の峰やそれぞれの厳しき冬を超えて起ちたり

2017.02.25:orada:[停車場憧憬]

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