病院の患者さんは、いろんな人生を背負って生きてきた人達です。福島の実家に帰りたくても帰れない人。体が不自由になって、息子や嫁さんに迷惑をかけたくないと思って入院した人。
　そして、今、どこに居るのかもわからないような痴呆症の方も、獅子が来ると、頭を下げるのです、患者さんの奥には、病院の看護婦さんも一緒に「御信心」をしてもらっています。
　黒獅子は、患者さんに御信心をしながら、言ってると思うんです。「おばあちゃん、あなたの人生は美しい。看護婦さん、このばあちゃん達を守って下さい」と。

【写真提供：宮嶋康彦撮りツアー参加者　齋藤案】

　成田駅前に、吉川記念病院という５階建ての病院があります。この病院には、福島の病院の患者さんをたくさん収容してくれた病院です。そして、もともとは、痴呆症の患者さんを扱う病院です。
　院長さんは、成田の黒獅子が来る時に、患者さんを玄関ホールの集めて、「ご信心」をしてもらいます。写真中央が院長です。

【写真提供：宮嶋康彦さんと写真撮りツアー参加者　齋藤さん】

　還暦を迎えつつある私と、10年の間付き合ってくれたパソコンが、ついに息絶えてしまい、投稿が遅れてしまいました。本日、ようやく初七日(？！)がたちまして、再開いたした次第です。
　さあ、いよいよ成田駅前の広場に登場した暴れ獅子を迎え撃つ7人の侍。昭和30年代頃に生まれた方々には、上の写真を見て、何かピーンと来るものがありませんでしょうか。私などは、この写真を見て思うのが、三菱電器（株）提供の「全日本プロレス」です。そうです、金曜日の８時から始まったプロレス中継です。
　「青コーナー　１８０パウンド　ザ・ブラッシー、４の字固めのザ・デストロイヤー。赤コーナー２００パウンドジャイアント馬場～、卍固めのアントニオ猪木～イ　etc　」。写真中央の相撲（致芳地区公民館　金子豊美氏）はジャイアント馬場だと思わないか？
　さてさて、火花を散らす両者を迎え、今にも場外乱闘が始まりそうな気配が漂っております。しかしながら、ここで、三菱電器のコマーシャルが入りました。次回をさらに期待して下さい。

【写真提供：宮嶋康彦さんとの写真撮りツアー　齋藤さん】

　前座がちょっと長すぎたかな・・・・。
　さて，家々を回って来た黒獅子が，いよいよ成田駅前に到着した。広い前庭に，近郷近在の村人が集まっている。こんなに観衆がいるなんて，100年ぶりだ。しかも，さっきまで，簡易ステージを照らしていた照明が，この広場を照らしている。この情景を見たときに，黒獅子は勃起した（！？）。そして,唾をあっちコッチにばらまきながら跳ね回る，飛び回る。
　彼はつぶやいた。「俺はスターだ！」。しかしながら，それを待ち受ける男衆がいたことに彼はまだ気づいていなかったのだ。さてさて，黒獅子の運命やこれ如何に。
　このつづきは,この次のお楽しみに。Ｇood Ｎight!

　黒獅子の作法を教えます。まずは，上の写真をじっくり見てほしい。若い男性が，お神酒を入れた徳利を持っています。相撲という人に，それを差し出します。相撲は，「おみ～ぎ」と言って，お神酒を獅子に飲ませます。次に，相撲が「ご信心！」と獅子に命令します。すると獅子が，若い男性の方に近づき，大きく「ぱっこん，ばっこん」と歯打ちをします。その間，家族の方は，頭を下げていなければなりません。それが，「家内安全」「身体堅固」を祈る儀式なのです。
　ちなみに，この若い男性の脇に頭だけ見えている女性が見えるでしょうか。彼は，わざわざ東京から婚約者を連れて来たのです。きっと獅子は，「Ｓ君，真面目に生きろよ。幸せにしろよ。子供ができたら，また遊びに来いよ。」と言ったのだと思いますね。（ほんとかよ？）

※会長談：「ご信心」の意味はなんだと思うかね，少し考えてみな。そのうち，変な民俗学者が回答を出すかもね（笑い）