蝉の亡骸があった。地上で許された短い時間に、ひたすら哭いていたであろう最期の姿である。思えばこんなにも身近に、こんなにも多くの生命のドラマが繰り返されていたのだ。生命に終わりというものはない、と語った人がいたが、それでもここには行く夏の風景があった。
停車場憧憬 人生をいかに生きるや蝉しぐれ
この記事へのコメントはこちら