盆地の中に私はいる
街が闇の湖底に沈む頃
西山の尾根々々が
蒼い光と共に迫って来る
列車が湖底を進んで行く
安穏という灯りがもれている
私は一人 列車を見送った
あたりがふたたび蒼い光に包まれた
山々は 敢然として私の前に立ちはだかる
蒼い光は 死してなお見守らんとする者の
人魂なのか
過去と未来 生と死が
無言のままでそこにある
穏やかな葉山の峰やそれぞれの厳しき冬を超えて起ちたり
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