停車場憧憬 二度桜が咲いた

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2本の二度桜が、花を咲かせた。雪と見間違う程に、白く小さな花びらである。成田駅周辺にはソメイヨシノや八重桜など5種類の桜が植えられているが、二度桜の樹は、華やかな駅前広場から離れてホームの端っこにある。それでも、当時の人の気遣いであろうか、防雪林の庇護の範囲に立っている。それでなくとも細い枝が、蔓に絡みつかれて可哀そうな気がしてきた。青空が覗いた瞬間に写真を撮った。小さな花びらが少しだけカッコ良く、胸をはっているように見えた。


 【二度桜に】

お前は何故、今頃に花を咲かせるのか

春、見栄えのしないお前には、誰も見向きもしなかった

ここで生きているぞ、と叫びたいのか

それとも最期の締めくくりの仕方が分からないのか

ひなびた駅舎の二度桜よ

お前の体にからみつく 全てのしがらみを取り払い

あるがままに生きれば良い

媚びることなく 夢を忘れることなく

あるがままに生きて欲しい

2016.12.16:orada:[停車場憧憬]

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