2本の二度桜が、花を咲かせた。雪と見間違う程に、白く小さな花びらである。成田駅周辺にはソメイヨシノや八重桜など5種類の桜が植えられているが、二度桜の樹は、華やかな駅前広場から離れてホームの端っこにある。それでも、当時の人の気遣いであろうか、防雪林の庇護の範囲に立っている。それでなくとも細い枝が、蔓に絡みつかれて可哀そうな気がしてきた。青空が覗いた瞬間に写真を撮った。小さな花びらが少しだけカッコ良く、胸をはっているように見えた。
【二度桜に】
お前は何故、今頃に花を咲かせるのか
春、見栄えのしないお前には、誰も見向きもしなかった
ここで生きているぞ、と叫びたいのか
それとも最期の締めくくりの仕方が分からないのか
ひなびた駅舎の二度桜よ
お前の体にからみつく 全てのしがらみを取り払い
あるがままに生きれば良い
媚びることなく 夢を忘れることなく
あるがままに生きて欲しい
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